「日本の奇跡」──世界各国は日本の新型コロナウイルスの感染者数や重症者数、死者数の少なさに困惑し、「ファクターX」を探していた。しかし、ある1人の専門家によって、その謎は解かれた。もはや「新しい日常」は必要ないのかもしれない。
「世界中で新型コロナウイルスのワクチン開発が進んでいますが、すでに日本人はワクチンを打っているのと同じ状態にあります。いま、無症状の陽性者が増えているのも、彼らは“自らの免疫ですでに新型コロナに打ち克っている人たち”なんです」
そう語るのは、京都大学大学院特定教授の上久保靖彦さんだ。小池百合子都知事が9月4日、「感染者数が再び増加に転じないよう厳重な警戒が必要」と発言するなど新型コロナ脅威論は根強い。だが上久保さんは、「新型コロナの脅威は終わった」と断言する。
第二波の被害は第一波を上回る──それがこれまでの感染症の常識だった。1918年に日本を襲ったスペインかぜでは、第二波の死亡率が第一波の4倍以上に跳ね上がった。1957年のアジアインフルエンザや2009年の新型インフルエンザも第二波の感染者数は第一波を上回った
だが新型コロナは異なる。PCR検査の増加に伴って第二波の陽性者は増えたが、致死率や重症化率は大幅に減少。国立感染症研究所が推計した第一波の5月と、第二波の8月の致死率を見ると、全年齢で8月は5月より6.3ポイント低い0.9%で、重症化が心配される70才以上では、8月は5月より17.4ポイントも低い8.1%だった。
そもそも日本の被害は、世界と比べて圧倒的に少ない。アメリカの感染者630万人、死者18万人、医療崩壊を起こしたイタリアの感染者27万人、死者3万5000人に対し、日本は感染者7万人、死者1300人に過ぎないのだ(9月8日現在)。
なぜ日本だけが──その要因は「ファクターX」として世界中から注目された。ノーベル生理学・医学賞受賞者の山中伸弥・京都大学教授は「厚労省のクラスター対策」「マスクや入浴などの衛生意識」「BCGワクチン」などを“候補”としたが、いまだ明確な答えは見つからない。
そこで注目されるのが、冒頭の上久保さんが吉備国際大学教授の高橋淳さんと3月に発表した論文だ。その内容を要約するとこうなる。
「すでに多くの日本人は免疫を獲得しているので、新型コロナを恐れる必要はない」
上久保さんは京都大学血液・腫瘍内科で感染症の臨床を学び、米国立衛生研究所(NIH)の所長のもと、遺伝子学を学んだ。現在、京大では免疫学や臨床検査学の教育・研究を長年行う、遺伝子変異分野のプロ中のプロである。その上久保さんが注目したのが、新型コロナの変異とインフルエンザの流行曲線だった。
「新型コロナやインフルエンザのような『RNAウイルス』の周りには、細胞にくっついて影響を与える突起(スパイク)があります。そのスパイクが変異することでウイルスは伝播・増殖しやすくなります。 そこで世界中の新型コロナの変異情報を記録するデータベース『GISAID』で調べたところ、新型コロナはS型、K型、G型の順に変異していることがわかりました。S型とその変異形であるK型は“弱毒タイプ”で、G型は人間の細胞とくっつきやすいスパイクに変異した“強毒タイプ”でした」(上久保さん・以下同)
それらのウイルスがいつ、どのように世界に広まったかを調べるために、上久保さんが注目したのが、世界各国で精緻にモニターされているインフルエンザの流行曲線だ。
「インフルエンザに感染したら、コロナウイルスには感染しません。逆もまたしかりです。その逆相関関係のことを『ウイルス干渉』といいます。日本は昨年末までインフルエンザが流行していましたが、その時期に新型コロナが流入したことにより『ウイルス干渉』が起こり、インフルエンザの流行がストップしました。つまり、新型コロナの感染が拡大したということです」
各国のインフルエンザ流行曲線を調べた結果、最初に中国で発生したS型は昨年12月にはすでに日本に上陸していたことがわかった。また、1月中旬にはK型が日本に上陸するなど中国近隣諸国にも広がっていた。
つまり、日本において新型コロナの感染や重症化がおさえられたのは、S型、引き続きK型が早期に日本に流入していたことにあるという。今年1月中旬に武漢滞在から帰国した男性が国内最初のコロナ感染者とされたが、昨年末の段階で、すでに弱毒性のコロナが蔓延していたのだ。
全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/eb2e8b7054f9242b0c9ec56d3b54ec41475e02c5?page=1
「世界中で新型コロナウイルスのワクチン開発が進んでいますが、すでに日本人はワクチンを打っているのと同じ状態にあります。いま、無症状の陽性者が増えているのも、彼らは“自らの免疫ですでに新型コロナに打ち克っている人たち”なんです」
そう語るのは、京都大学大学院特定教授の上久保靖彦さんだ。小池百合子都知事が9月4日、「感染者数が再び増加に転じないよう厳重な警戒が必要」と発言するなど新型コロナ脅威論は根強い。だが上久保さんは、「新型コロナの脅威は終わった」と断言する。
第二波の被害は第一波を上回る──それがこれまでの感染症の常識だった。1918年に日本を襲ったスペインかぜでは、第二波の死亡率が第一波の4倍以上に跳ね上がった。1957年のアジアインフルエンザや2009年の新型インフルエンザも第二波の感染者数は第一波を上回った
だが新型コロナは異なる。PCR検査の増加に伴って第二波の陽性者は増えたが、致死率や重症化率は大幅に減少。国立感染症研究所が推計した第一波の5月と、第二波の8月の致死率を見ると、全年齢で8月は5月より6.3ポイント低い0.9%で、重症化が心配される70才以上では、8月は5月より17.4ポイントも低い8.1%だった。
そもそも日本の被害は、世界と比べて圧倒的に少ない。アメリカの感染者630万人、死者18万人、医療崩壊を起こしたイタリアの感染者27万人、死者3万5000人に対し、日本は感染者7万人、死者1300人に過ぎないのだ(9月8日現在)。
なぜ日本だけが──その要因は「ファクターX」として世界中から注目された。ノーベル生理学・医学賞受賞者の山中伸弥・京都大学教授は「厚労省のクラスター対策」「マスクや入浴などの衛生意識」「BCGワクチン」などを“候補”としたが、いまだ明確な答えは見つからない。
そこで注目されるのが、冒頭の上久保さんが吉備国際大学教授の高橋淳さんと3月に発表した論文だ。その内容を要約するとこうなる。
「すでに多くの日本人は免疫を獲得しているので、新型コロナを恐れる必要はない」
上久保さんは京都大学血液・腫瘍内科で感染症の臨床を学び、米国立衛生研究所(NIH)の所長のもと、遺伝子学を学んだ。現在、京大では免疫学や臨床検査学の教育・研究を長年行う、遺伝子変異分野のプロ中のプロである。その上久保さんが注目したのが、新型コロナの変異とインフルエンザの流行曲線だった。
「新型コロナやインフルエンザのような『RNAウイルス』の周りには、細胞にくっついて影響を与える突起(スパイク)があります。そのスパイクが変異することでウイルスは伝播・増殖しやすくなります。 そこで世界中の新型コロナの変異情報を記録するデータベース『GISAID』で調べたところ、新型コロナはS型、K型、G型の順に変異していることがわかりました。S型とその変異形であるK型は“弱毒タイプ”で、G型は人間の細胞とくっつきやすいスパイクに変異した“強毒タイプ”でした」(上久保さん・以下同)
それらのウイルスがいつ、どのように世界に広まったかを調べるために、上久保さんが注目したのが、世界各国で精緻にモニターされているインフルエンザの流行曲線だ。
「インフルエンザに感染したら、コロナウイルスには感染しません。逆もまたしかりです。その逆相関関係のことを『ウイルス干渉』といいます。日本は昨年末までインフルエンザが流行していましたが、その時期に新型コロナが流入したことにより『ウイルス干渉』が起こり、インフルエンザの流行がストップしました。つまり、新型コロナの感染が拡大したということです」
各国のインフルエンザ流行曲線を調べた結果、最初に中国で発生したS型は昨年12月にはすでに日本に上陸していたことがわかった。また、1月中旬にはK型が日本に上陸するなど中国近隣諸国にも広がっていた。
つまり、日本において新型コロナの感染や重症化がおさえられたのは、S型、引き続きK型が早期に日本に流入していたことにあるという。今年1月中旬に武漢滞在から帰国した男性が国内最初のコロナ感染者とされたが、昨年末の段階で、すでに弱毒性のコロナが蔓延していたのだ。
全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/eb2e8b7054f9242b0c9ec56d3b54ec41475e02c5?page=1