タカが新しい獲物を発見したようだ──。
ジョン・ボルトンといえば、近年の米国の戦争(アフガニスタン、イラク、シリア、リビア、イランとの交渉決裂)を推進し、しばしばその当事者でもあったタカ派である。そのボルトンの射程に中国が入ったのだ。
略
トランプとバイデン、中国にとって都合がいいのは?
──トランプは中国政府に対して毅然として立ち向かうのか、それとも融和路線で行くのか、長い間、逡巡していました。「自由世界の指導者」としては中国に対する姿勢が軟弱すぎたのでしょうか。
私が見るところではトランプに哲学はありません。米国的な意味では、保守でもリベラルでもありません。本当のことを言えば、彼は何でもないのです(笑)。
大統領選に向けた選挙活動が始まっているので中国に強い制裁を課していますが、トランプの再選が決まった後のことは、ほとんどコイントスで決まるようなものです。大統領選の翌日にトランプが習近平に電話をかけ「通商交渉の再開をしよう」と言うこともありえるのです。
いま課している制裁も、すべて簡単に撤回されることもありえます。だから米国の有権者は混乱しています。とくに共和党支持の有権者がね。米国の保守派は、中国に対して毅然とした対応をとってほしいのです。しかし、トランプが大統領選後、別の道を選ぶ可能性が充分にあります。
──ボルトンさんは回顧録でトランプが習近平に再選を手伝ってほしいと頼んだことを明かしていました。仮にボルトンさんが中国の国家主席だったら、米国の大統領はジョー・バイデンであってほしいですか。それともとドナルド・トランプですか。
中国側から見れば、米国の次の大統領が誰になるのかは、さほど重要ではありません。重要なのは、次の大統領を経済に関する延々と続く交渉の席に座らせ続けることです。現状では、米国の民主党はタカ派と見られたいようですが、バイデンは中国に対して厳しい態度をとれるのでしょうか。私はその点にあまり確信を持てません。
トランプも同じです。二人ともウォール街に仲のいいお友達がいて、米中対立が経済にもたらす悪影響を心配しているわけですからね。トランプもコロナで悪化した経済をさらに停滞させるようなことはしたくないわけです。
トランプは北朝鮮のとき、厳しい言葉遣いをしましたが、結局、金正恩との交渉の席につきました。イラン核合意からも離脱しましたが、ハメネイ師となら積極的に交渉の席につくはずです。要するに、トランプは交渉が好きなのです。そこを習近平はわかっているのでトランプの再選を恐れていません。
全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/6321b53049860b155e8dcf5ffebe73a39ad26f6b
ジョン・ボルトンといえば、近年の米国の戦争(アフガニスタン、イラク、シリア、リビア、イランとの交渉決裂)を推進し、しばしばその当事者でもあったタカ派である。そのボルトンの射程に中国が入ったのだ。
略
トランプとバイデン、中国にとって都合がいいのは?
──トランプは中国政府に対して毅然として立ち向かうのか、それとも融和路線で行くのか、長い間、逡巡していました。「自由世界の指導者」としては中国に対する姿勢が軟弱すぎたのでしょうか。
私が見るところではトランプに哲学はありません。米国的な意味では、保守でもリベラルでもありません。本当のことを言えば、彼は何でもないのです(笑)。
大統領選に向けた選挙活動が始まっているので中国に強い制裁を課していますが、トランプの再選が決まった後のことは、ほとんどコイントスで決まるようなものです。大統領選の翌日にトランプが習近平に電話をかけ「通商交渉の再開をしよう」と言うこともありえるのです。
いま課している制裁も、すべて簡単に撤回されることもありえます。だから米国の有権者は混乱しています。とくに共和党支持の有権者がね。米国の保守派は、中国に対して毅然とした対応をとってほしいのです。しかし、トランプが大統領選後、別の道を選ぶ可能性が充分にあります。
──ボルトンさんは回顧録でトランプが習近平に再選を手伝ってほしいと頼んだことを明かしていました。仮にボルトンさんが中国の国家主席だったら、米国の大統領はジョー・バイデンであってほしいですか。それともとドナルド・トランプですか。
中国側から見れば、米国の次の大統領が誰になるのかは、さほど重要ではありません。重要なのは、次の大統領を経済に関する延々と続く交渉の席に座らせ続けることです。現状では、米国の民主党はタカ派と見られたいようですが、バイデンは中国に対して厳しい態度をとれるのでしょうか。私はその点にあまり確信を持てません。
トランプも同じです。二人ともウォール街に仲のいいお友達がいて、米中対立が経済にもたらす悪影響を心配しているわけですからね。トランプもコロナで悪化した経済をさらに停滞させるようなことはしたくないわけです。
トランプは北朝鮮のとき、厳しい言葉遣いをしましたが、結局、金正恩との交渉の席につきました。イラン核合意からも離脱しましたが、ハメネイ師となら積極的に交渉の席につくはずです。要するに、トランプは交渉が好きなのです。そこを習近平はわかっているのでトランプの再選を恐れていません。
全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/6321b53049860b155e8dcf5ffebe73a39ad26f6b