2020/6/8 8:32
米ニューヨーク・タイムズ(NYT)は7日、オピニオン欄を統括するジェームズ・ベネット氏が辞職したと発表した。3日付の米上院議員による寄稿が編集基準を満たしていないにも関わらず、掲載された責任を取った。寄稿は抗議デモの沈静化に米軍の出動を求める内容で、現場のジャーナリストの命を危険にさらすと社内の記者らが強く反発していた。
問題となったのは、トム・コットン上院議員(共和党)による寄稿で、「軍隊を送り込め」という過激な見出しで掲載された。扇動的な内容に社内外から批判が出たことを受けて、NYTは社内調査で掲載に至る経過を審査した。その結果、この寄稿は「基準に満たず、掲載すべきではなかった」との結論に至ったという。
寄稿には、白人警官による黒人暴行死をきっかけに広がった抗議デモを過激派団体による行動と決めつけるなど、事実誤認を疑われる内容が含まれていた。また、見出しはコットン氏ではなく、NYT側が付けたもので「使われるべきではなかった」とした。
NYT発行人のアーサー・グレッグ・サルツバーガー氏は7日に回覧した社員向けの手紙のなかで、「編集過程で、重大な欠陥が見受けられた」と語り、ベネット氏の辞職に合意したと説明した。
最近、米主要メディアがデモ活動の報道の仕方を巡って対応を迫られるケースが相次いでいる。地方紙「フィラデルフィア・インクワイアラー」では6日、抗議活動のスローガン「Black Lives Matter (黒人の命は大切だ)」をもじり、「建物も大切」とした見出しが不謹慎だとして社内外からの抗議を受けて編集長が辞任した。同日、米テレビ局フォックス・ニューズは、前日に有名な黒人の死と株価の関連性を示すグラフを放送したことを「十分な背景説明のないまま放送すべきではなかった」と謝罪している。
ソース https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60087930Y0A600C2I00000/
米ニューヨーク・タイムズ(NYT)は7日、オピニオン欄を統括するジェームズ・ベネット氏が辞職したと発表した。3日付の米上院議員による寄稿が編集基準を満たしていないにも関わらず、掲載された責任を取った。寄稿は抗議デモの沈静化に米軍の出動を求める内容で、現場のジャーナリストの命を危険にさらすと社内の記者らが強く反発していた。
問題となったのは、トム・コットン上院議員(共和党)による寄稿で、「軍隊を送り込め」という過激な見出しで掲載された。扇動的な内容に社内外から批判が出たことを受けて、NYTは社内調査で掲載に至る経過を審査した。その結果、この寄稿は「基準に満たず、掲載すべきではなかった」との結論に至ったという。
寄稿には、白人警官による黒人暴行死をきっかけに広がった抗議デモを過激派団体による行動と決めつけるなど、事実誤認を疑われる内容が含まれていた。また、見出しはコットン氏ではなく、NYT側が付けたもので「使われるべきではなかった」とした。
NYT発行人のアーサー・グレッグ・サルツバーガー氏は7日に回覧した社員向けの手紙のなかで、「編集過程で、重大な欠陥が見受けられた」と語り、ベネット氏の辞職に合意したと説明した。
最近、米主要メディアがデモ活動の報道の仕方を巡って対応を迫られるケースが相次いでいる。地方紙「フィラデルフィア・インクワイアラー」では6日、抗議活動のスローガン「Black Lives Matter (黒人の命は大切だ)」をもじり、「建物も大切」とした見出しが不謹慎だとして社内外からの抗議を受けて編集長が辞任した。同日、米テレビ局フォックス・ニューズは、前日に有名な黒人の死と株価の関連性を示すグラフを放送したことを「十分な背景説明のないまま放送すべきではなかった」と謝罪している。
ソース https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60087930Y0A600C2I00000/