失業者が130万人増える〜リーマンショックを上回る
永濱)今回の緊急事態宣言だけの影響で計算しても、あくまで私の計算ですが、GDPがここ2ヵ月ぐらいで、通常に比べ12兆くらい減っていて、このインパクトによって、失業者が60万人くらい増えると思います。
コロナの影響は緊急事態宣言だけではありませんので、今回コロナによってどのくらい日本経済が落ち込むかというと、あくまでエコノミストのコンセンサスの通りに行くと仮定した場合ですが、2020年のGDPが2019年に比べて25兆円以上減るという予想になっています。
これが実現すると、単純計算で失業者が130万人増えるインパクトになります。リーマンショックのとき、前年度に比べて失業者は113万人増えたのです。ということは、リーマンを上回る。
リーマンのときは、世界的にもそうなのですが、いちばんダメージを受けた産業が自動車を中心とした大企業製造業でした。大企業製造業は体力があるので、なかなか倒産しません。
ですが、今回のコロナでいちばん影響を受けているのは、体力のない中小のサービス産業です。そういう意味でも、やはりリーマン以上の危機感を持って対応しなければなりません。
飯田)世界的に見てあのリーマンのときは、中国経済が公共投資などもやって、新興国も含めて世界経済を引っ張ったということがありましたが、今回はアルゼンチンがまたデフォルトしたということもあり、新興国経済の方がきついですよね。
消費減税が必要な理由
飯田)一方で、日本の経済全体のことを考えるとGDPは相当下がる。GDPの大体6割くらいは個人消費だということではないですか。
永濱)いま55%くらいですね。
飯田)そうすると、そこの喚起という意味では、消費税は議論しなければいけないと思うのですが、どうですか?
永濱)私も3月末に政府の集中ヒアリングに行ったのですけれども、そのときも私は消費減税を提案させていただきました。経済をできるだけ動かさずに感染を食い止めるという状況であれば、給付金は社会保障という位置づけでいいとは思います。
ただ、ある程度経済のプラス効果を考えれば、給付金は貯蓄に回る可能性も高い。経済を戻すことを考えたら、使った人が恩恵を受ける政策の方が需要喚起の効果は高い、それで消費減税なのです。
消費減税をすれば、お金を使わない人には何の恩恵もないわけです。お金を使った人が恩恵を受ける。更に言うと、まったくお金を使わずに生活はできませんので、そういった意味では、生活保障的な側面も担っているわけです。
リーマンショック、東日本大震災、2014年4月の消費増税〜個人消費が元に戻るまで、消費増税がいちばん期間を要した
永濱)私は勝手に「3大ショック」と言っているのですが、過去のリーマンショックと東日本大震災と2014年4月の消費増税、この3大ショックが、個人消費が落ち込んでから元に戻るまで、どれくらいの期間がかかったかを計算すると、
リーマンショックは2年、東日本大震災は1年、2014年4月の消費増税がいちばん長くて3年も元に戻るまでかかっているのです。いかに消費増税のインパクトが大きいか。
日本国民は、「財政が大変だ」などと脅しを受けると、将来不安が高まってしまいます。そういう状況のなかで、消費増税をやってしまうと、生活水準は一時的に下がります。
将来の不安が高い国民性だと、生活水準が下がると、「この下げた生活水準で生活できてしまう」と思ってしまって、消費がなかなか戻らないのです。
(抜粋)
https://news.1242.com/article/225902
永濱)今回の緊急事態宣言だけの影響で計算しても、あくまで私の計算ですが、GDPがここ2ヵ月ぐらいで、通常に比べ12兆くらい減っていて、このインパクトによって、失業者が60万人くらい増えると思います。
コロナの影響は緊急事態宣言だけではありませんので、今回コロナによってどのくらい日本経済が落ち込むかというと、あくまでエコノミストのコンセンサスの通りに行くと仮定した場合ですが、2020年のGDPが2019年に比べて25兆円以上減るという予想になっています。
これが実現すると、単純計算で失業者が130万人増えるインパクトになります。リーマンショックのとき、前年度に比べて失業者は113万人増えたのです。ということは、リーマンを上回る。
リーマンのときは、世界的にもそうなのですが、いちばんダメージを受けた産業が自動車を中心とした大企業製造業でした。大企業製造業は体力があるので、なかなか倒産しません。
ですが、今回のコロナでいちばん影響を受けているのは、体力のない中小のサービス産業です。そういう意味でも、やはりリーマン以上の危機感を持って対応しなければなりません。
飯田)世界的に見てあのリーマンのときは、中国経済が公共投資などもやって、新興国も含めて世界経済を引っ張ったということがありましたが、今回はアルゼンチンがまたデフォルトしたということもあり、新興国経済の方がきついですよね。
消費減税が必要な理由
飯田)一方で、日本の経済全体のことを考えるとGDPは相当下がる。GDPの大体6割くらいは個人消費だということではないですか。
永濱)いま55%くらいですね。
飯田)そうすると、そこの喚起という意味では、消費税は議論しなければいけないと思うのですが、どうですか?
永濱)私も3月末に政府の集中ヒアリングに行ったのですけれども、そのときも私は消費減税を提案させていただきました。経済をできるだけ動かさずに感染を食い止めるという状況であれば、給付金は社会保障という位置づけでいいとは思います。
ただ、ある程度経済のプラス効果を考えれば、給付金は貯蓄に回る可能性も高い。経済を戻すことを考えたら、使った人が恩恵を受ける政策の方が需要喚起の効果は高い、それで消費減税なのです。
消費減税をすれば、お金を使わない人には何の恩恵もないわけです。お金を使った人が恩恵を受ける。更に言うと、まったくお金を使わずに生活はできませんので、そういった意味では、生活保障的な側面も担っているわけです。
リーマンショック、東日本大震災、2014年4月の消費増税〜個人消費が元に戻るまで、消費増税がいちばん期間を要した
永濱)私は勝手に「3大ショック」と言っているのですが、過去のリーマンショックと東日本大震災と2014年4月の消費増税、この3大ショックが、個人消費が落ち込んでから元に戻るまで、どれくらいの期間がかかったかを計算すると、
リーマンショックは2年、東日本大震災は1年、2014年4月の消費増税がいちばん長くて3年も元に戻るまでかかっているのです。いかに消費増税のインパクトが大きいか。
日本国民は、「財政が大変だ」などと脅しを受けると、将来不安が高まってしまいます。そういう状況のなかで、消費増税をやってしまうと、生活水準は一時的に下がります。
将来の不安が高い国民性だと、生活水準が下がると、「この下げた生活水準で生活できてしまう」と思ってしまって、消費がなかなか戻らないのです。
(抜粋)
https://news.1242.com/article/225902