毎日新聞4/29(水) 8:35配信
困っている人のために、自分たちにできることを――。新型コロナウイルス感染拡大で消毒用アルコールの品不足が続く中、日本酒造りが盛んな福島県会津地方の複数の酒蔵が、代替品製造に取り組んでいる。【三浦研吾】
最も早く動いた会津若松市の花春酒造は、28日から360ミリリットル1045円(税込み)の「花春スピリッツアルコール66%」の発送を始めた。佐藤清専務(73)は13日、他県の酒造会社が消毒液の代用品製造を始めると報道で知り「今困っていることに貢献したい」と考えた。吟醸酒などをつくるための醸造アルコールを使うことにし、翌14日にはラベルなどの調達に動いた。通常は企画から販売まで約3カ月かかるが2週間で販売にこぎ着けた。
北海道や九州の医療関係者などからも注文があり、当初予定していた1万5000本から増産し、計3万7500本を製造。生産分は既に予約で埋まり、現時点で増産は考えていないという。
佐藤専務は「消毒液メーカーが増産し始めており、従来の消毒液が手に入るようになるまでが我々の役割」と考えているが、5月に終息しなかった場合に備え、6月納入分の醸造アルコールも発注したという。
同じく会津若松市の高橋庄作酒造店も、アルコール度数77%の「アルコール77一乃正宗」の製造を始めた。720ミリリットル入り500本を市内の医療機関に無償で提供する予定だ。
原料用アルコールに、日本酒の仕込みに使う水を加えて製造。高橋亘社長(47)は「東日本大震災の時も台風の時も、地域の方々に支えられた。量は少ないが、アルコールを取り扱う酒造会社なので、自分たちにできる恩返しを考えた」と話す。一部を5月上旬から、日本酒「会津娘」の取扱店で販売する。価格は調整中。
喜多方市の大和川酒造店でも度数66%の高濃度エタノール製品「YAMATOGAWA66」の製造を始め、28日から瓶詰め作業を始めた。500ミリリットルで1375円(税込み)だが、まず同市に無償で1200本を提供する。佐藤和典社長(62)は「医療や教育関係者に一刻も早く届くように優先している。感染予防に役立てれば何より」と願っている。
◇ ◇
厚生労働省は3月、新型コロナ感染が終息するまでの特例措置として、医療機関などで消毒用アルコールの代わりに高濃度アルコールの使用を認める通知を出した。4月22日には、60%台の製品でも使用を認めるとし、国税庁も度数の高いアルコールの製造に必要な免許の申請手続きを簡素化している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200429-00000008-mai-soci
困っている人のために、自分たちにできることを――。新型コロナウイルス感染拡大で消毒用アルコールの品不足が続く中、日本酒造りが盛んな福島県会津地方の複数の酒蔵が、代替品製造に取り組んでいる。【三浦研吾】
最も早く動いた会津若松市の花春酒造は、28日から360ミリリットル1045円(税込み)の「花春スピリッツアルコール66%」の発送を始めた。佐藤清専務(73)は13日、他県の酒造会社が消毒液の代用品製造を始めると報道で知り「今困っていることに貢献したい」と考えた。吟醸酒などをつくるための醸造アルコールを使うことにし、翌14日にはラベルなどの調達に動いた。通常は企画から販売まで約3カ月かかるが2週間で販売にこぎ着けた。
北海道や九州の医療関係者などからも注文があり、当初予定していた1万5000本から増産し、計3万7500本を製造。生産分は既に予約で埋まり、現時点で増産は考えていないという。
佐藤専務は「消毒液メーカーが増産し始めており、従来の消毒液が手に入るようになるまでが我々の役割」と考えているが、5月に終息しなかった場合に備え、6月納入分の醸造アルコールも発注したという。
同じく会津若松市の高橋庄作酒造店も、アルコール度数77%の「アルコール77一乃正宗」の製造を始めた。720ミリリットル入り500本を市内の医療機関に無償で提供する予定だ。
原料用アルコールに、日本酒の仕込みに使う水を加えて製造。高橋亘社長(47)は「東日本大震災の時も台風の時も、地域の方々に支えられた。量は少ないが、アルコールを取り扱う酒造会社なので、自分たちにできる恩返しを考えた」と話す。一部を5月上旬から、日本酒「会津娘」の取扱店で販売する。価格は調整中。
喜多方市の大和川酒造店でも度数66%の高濃度エタノール製品「YAMATOGAWA66」の製造を始め、28日から瓶詰め作業を始めた。500ミリリットルで1375円(税込み)だが、まず同市に無償で1200本を提供する。佐藤和典社長(62)は「医療や教育関係者に一刻も早く届くように優先している。感染予防に役立てれば何より」と願っている。
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厚生労働省は3月、新型コロナ感染が終息するまでの特例措置として、医療機関などで消毒用アルコールの代わりに高濃度アルコールの使用を認める通知を出した。4月22日には、60%台の製品でも使用を認めるとし、国税庁も度数の高いアルコールの製造に必要な免許の申請手続きを簡素化している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200429-00000008-mai-soci