「文春オンライン」特集班は4月3日深夜、渋谷、新宿、六本木、恵比寿など、都内の繁華街を徹底取材した。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都は夜の繁華街への外出自粛を呼びかけており、都内でも深夜になると多くの場所では歩く人の姿もまばらで閑散としている。
だが一部の街は、まるで”無法地帯”と化していた。深夜0時を過ぎた渋谷センター街では、シャッターが降りた店舗の前に座り込んで泥酔する若者たちや、コンビニの前にたむろし酒を片手に奇声を上げる外国人の集団がいた。
感染拡大の一因と問題視されている”夜の繁華街”のリアルをリポートする。
六本木交差点は閑散としていた c文藝春秋
◆
「若い人たちが、その活動によるものが多いのではないか。夜の歓楽街での広がりがあるのではないか」
小池百合子知事は4月3日の定例会見で、新型コロナウイルスの感染者急増の要因について、こう述べた。
4月2日までの6日間に確認された都内の感染者数の4割は30代以下。新宿区保健所が3月末時点で把握していた感染者の約4分の1が、夜間営業に関わる業務に従事していたという。
キャバクラやガールズバー、ホストクラブ、風俗店の従業員やスカウトであることが判明している。東京都は2度目の「不要不急」の外出自粛を要請した。
「客が感染」の噂がめぐり、ホステスはパパ活、芸能人は…
普段の週末は出会いを求めてクラブに集まる若者や、露出の多いドレスを着たホステスと風をきって歩くIT社長や業界人でごった返す六本木と西麻布もさすがに静まり返っていた。
21時、寿司店や焼肉店といった飲食店はまばらに開いているが、客はほとんど入っていない。
キャバクラやクラブはほぼ閉店。カラオケバーとガールズバーがひっそりと営業していた。
「先月の27日、28日くらいから人が消えたよ。まさかこんなになるなんて思わなかった。
2月初めの頃は、パリピのお客が渋谷の『バニラ』って高収入バイトの歌の歌詞を替え歌にして、『コーロナ、コロナ、コーロナ、感染♪ コーロナ、コロナの大消毒〜』と歌って、
指名された人は掛け声に合わせてテキーラショットを飲んでいた。コロナウイルスをネタにして飲んでいて危機感なんかなかった。
それがだんだん、ホステスやそのお客が感染したって噂になって、その後いくつかのバーやキャバクラで発熱の噂が出るようになって、マジでヤバイって感じになっていった。
噂話が多い業界だから、『あの店でコロナ出た』って酒のネタに伝言ゲームで回ったりもしているから、現状はどこまでかわからない。でも怖いよねって。
ある店のオーナーは『嫌がらせでツイッターにコロナ感染の噂を書き込まれた』って、『裁判を起こす』と怒っている。
ウチの店も客ゼロの日が連続で続いた。企業のお偉いさんは怖がって全然来ない」(西麻布ショットバー店長・20代男性)
「イソジンうがい」を徹底するも「カラオケは禁止」
「2月くらいから売り上げが落ちだして、3月からずっとヤバイ。
先月末に常連さんの貸し切りバースデーがあって20人くらい集まったんだけど、そのうちの参加者2人、40代と30代が発熱してて、30代の方は3日連続で高熱が出たらしいが、重篤じゃないからって検査ができず自宅療養している。
予防策としてはイソジンでうがいをお客さんにもみんなにやってもらってる。酔っ払ってまともに話せない人は入れないようにしてる。
カラオケも禁止。ダーツのみ換気しながら営業している。常連客が2、3人来てくれるけど、(営業を)いつまでやろうか……。この土日はとりあえず休みます」(六本木カラオケバーオーナー・30代男性)
志村けんの訃報以降は芸能人が出歩かなくなった
芸能人やアイドル御用達の、西麻布のカラオケバーやラウンジにも人気はない。遊び人で有名な常連のタレントたちも来店を控えているという。
「先週の志村けんさんが亡くなった報道以降、ピタリと止まりました。事務所やスタッフから言われているそうです。
『パパラッチに撮られたら芸能活動できなくなるぞ』って。有名な子は来ないですよ。店は控えて仲間同士で『宅飲み』したり、看板もなく秘密で営業している”社交場”みたいなところで遊んでいる。
今でもうちに来るのはアイドル崩れの子や、無名の若い子。イベントとかの仕事もなくて稼げないからパパみたいな大人と来ている」(西麻布カラオケバー店主・30代男性)
取材中も西麻布交差点では、パパ活らしき男女カップルを何組か見かけた。
https://news.livedoor.com/article/detail/18072030/
2020年4月4日 20時0分 文春オンライン
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都は夜の繁華街への外出自粛を呼びかけており、都内でも深夜になると多くの場所では歩く人の姿もまばらで閑散としている。
だが一部の街は、まるで”無法地帯”と化していた。深夜0時を過ぎた渋谷センター街では、シャッターが降りた店舗の前に座り込んで泥酔する若者たちや、コンビニの前にたむろし酒を片手に奇声を上げる外国人の集団がいた。
感染拡大の一因と問題視されている”夜の繁華街”のリアルをリポートする。
六本木交差点は閑散としていた c文藝春秋
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「若い人たちが、その活動によるものが多いのではないか。夜の歓楽街での広がりがあるのではないか」
小池百合子知事は4月3日の定例会見で、新型コロナウイルスの感染者急増の要因について、こう述べた。
4月2日までの6日間に確認された都内の感染者数の4割は30代以下。新宿区保健所が3月末時点で把握していた感染者の約4分の1が、夜間営業に関わる業務に従事していたという。
キャバクラやガールズバー、ホストクラブ、風俗店の従業員やスカウトであることが判明している。東京都は2度目の「不要不急」の外出自粛を要請した。
「客が感染」の噂がめぐり、ホステスはパパ活、芸能人は…
普段の週末は出会いを求めてクラブに集まる若者や、露出の多いドレスを着たホステスと風をきって歩くIT社長や業界人でごった返す六本木と西麻布もさすがに静まり返っていた。
21時、寿司店や焼肉店といった飲食店はまばらに開いているが、客はほとんど入っていない。
キャバクラやクラブはほぼ閉店。カラオケバーとガールズバーがひっそりと営業していた。
「先月の27日、28日くらいから人が消えたよ。まさかこんなになるなんて思わなかった。
2月初めの頃は、パリピのお客が渋谷の『バニラ』って高収入バイトの歌の歌詞を替え歌にして、『コーロナ、コロナ、コーロナ、感染♪ コーロナ、コロナの大消毒〜』と歌って、
指名された人は掛け声に合わせてテキーラショットを飲んでいた。コロナウイルスをネタにして飲んでいて危機感なんかなかった。
それがだんだん、ホステスやそのお客が感染したって噂になって、その後いくつかのバーやキャバクラで発熱の噂が出るようになって、マジでヤバイって感じになっていった。
噂話が多い業界だから、『あの店でコロナ出た』って酒のネタに伝言ゲームで回ったりもしているから、現状はどこまでかわからない。でも怖いよねって。
ある店のオーナーは『嫌がらせでツイッターにコロナ感染の噂を書き込まれた』って、『裁判を起こす』と怒っている。
ウチの店も客ゼロの日が連続で続いた。企業のお偉いさんは怖がって全然来ない」(西麻布ショットバー店長・20代男性)
「イソジンうがい」を徹底するも「カラオケは禁止」
「2月くらいから売り上げが落ちだして、3月からずっとヤバイ。
先月末に常連さんの貸し切りバースデーがあって20人くらい集まったんだけど、そのうちの参加者2人、40代と30代が発熱してて、30代の方は3日連続で高熱が出たらしいが、重篤じゃないからって検査ができず自宅療養している。
予防策としてはイソジンでうがいをお客さんにもみんなにやってもらってる。酔っ払ってまともに話せない人は入れないようにしてる。
カラオケも禁止。ダーツのみ換気しながら営業している。常連客が2、3人来てくれるけど、(営業を)いつまでやろうか……。この土日はとりあえず休みます」(六本木カラオケバーオーナー・30代男性)
志村けんの訃報以降は芸能人が出歩かなくなった
芸能人やアイドル御用達の、西麻布のカラオケバーやラウンジにも人気はない。遊び人で有名な常連のタレントたちも来店を控えているという。
「先週の志村けんさんが亡くなった報道以降、ピタリと止まりました。事務所やスタッフから言われているそうです。
『パパラッチに撮られたら芸能活動できなくなるぞ』って。有名な子は来ないですよ。店は控えて仲間同士で『宅飲み』したり、看板もなく秘密で営業している”社交場”みたいなところで遊んでいる。
今でもうちに来るのはアイドル崩れの子や、無名の若い子。イベントとかの仕事もなくて稼げないからパパみたいな大人と来ている」(西麻布カラオケバー店主・30代男性)
取材中も西麻布交差点では、パパ活らしき男女カップルを何組か見かけた。
https://news.livedoor.com/article/detail/18072030/
2020年4月4日 20時0分 文春オンライン