レインボーブリッジ
規模が大きく存在感が強い構造物は景観への影響が大きい
東京を中心とし、神奈川・埼玉・千葉をつなぐ首都高速道路(首都高)は、首都圏の交通を支えています。
首都高は利便性や機能性だけを追求するのではなく、まわりの景色に溶け込むようにデザインにもこだわっているというのですが、それは一体どういうことなのでしょうか。
首都高に直結する東京高速道路(KK線)を有する東京都中央区は2019年10月、KK線を遊歩道へと再生する案を東京都に提案したことがニュースになりました。
これは、日本橋の首都高地下化に伴い、新たに別の道路を整備。KK線だった部分を再開発して銀座の周りを「緑の輪」で取り囲むことで、景観を向上させる狙いがあるようです。
また、首都高都心環状線の築地川区間の掘割部分に蓋をして、緑道化する案も公表されています。
どちらの構想も首都高に関連するものではありますが、都市開発の一環としておこなわれ、中央区や東京都といった地方自治体の計画・施策になります。
そうした行政の事業とは別に、首都高なども独自で景観向上対策を実施。都市環境との調和にこだわり、新規路線の建設や既存の道路の補修をおこなっています。
高架橋では、橋桁や高欄、橋脚の塗装に周辺の景観になじむ色が採用され、たとえば、1号羽田線の鈴が森入口付近はもともと淡い赤色でしたが、隣接する緑豊かな品川区民公園になじむ濃いグリーンへと塗り替えられました。
利便性や安全性など実用的な面のみが追求されているイメージのある首都高ですが、どうして景観や見た目にこだわるのでしょうか。首都高速道路株式会社は次のように話します。
「首都高速道路は東京・神奈川・埼玉・千葉にまたがる約320kmの路線で、都市内で多くの人のさまざまな視点にさらされ、都市景観のなかで首都高が占める割合は大きいといえます。
首都高には、レインボーブリッジや横浜ベイブリッジなどのランドマークとなる美しい構造物もあります。
規模が大きく、存在感が強い高架橋等の構造物は、その形状や色彩が景観を構成する要素となる場合が多いため、都市環境との調和を目指して景観向上対策を実施しています。
また、首都高の利用者にも快適な空間を提供できるように、走行する道路の景観にも配慮しています」
オリンピックに向けて優れた都市景観でおもてなし
2007年度から首都高は、3年ごとに景観向上に着手する30か所を定めて対策を施す「景観向上対策アクションプログラム(景観改善3カ年30箇所)」に取り組んでいます。
現在は、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催地にふさわしい『おもてなし』の施策のひとつとして、浅草付近や隅田川沿いの橋桁が、水辺の景観にマッチするウォーターサイドブルーの塗色で塗り替えられました。
6号向島線(堤通出入口付近)観光船などの眺めに配慮して壁面をブルーに塗装
また、ドライバーの視点に立っての修景として、都心環状線千代田トンネルの壁面に白色のタイルパネルを設置。快適に走行できるよう補修をおこなっています。
首都高の景観施策の今後について、次のように説明します。
「首都高は1964年の東京オリンピック前から建設が始められ、約2割が建設から50年以上、6割以上が30年以上となり、高齢化が進んでいます。道路本体と同様に遮音壁などの附属施設物の高齢化も進んでいます。
これらの附属施設物を安全な状態に保つため、きめ細やかな点検および適切な補修を実施しつつ、不要となった附属施設物の撤去または劣化が著しい箇所の取替えを計画的に実施しています。
取替えにあたっては、新技術・新材料を積極的に取り入れ、耐久性や維持管理性などの機能面にも配慮したうえで、橋梁全体の修景を推進していきます」
※ ※ ※
1964年の東京オリンピック前後のインフラ整備で開発された首都高が、50年以上の歳月を経て再びオリンピックを迎えようとしています。
ホスト国にふさわしい「おもてなし」として、首都高にも都市環境と調和された景観づくりや走行空間の快適性のさらなる向上が期待されています。
12/17(火) 18:10配信 くるまのニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191217-00207305-kurumans-bus_all
規模が大きく存在感が強い構造物は景観への影響が大きい
東京を中心とし、神奈川・埼玉・千葉をつなぐ首都高速道路(首都高)は、首都圏の交通を支えています。
首都高は利便性や機能性だけを追求するのではなく、まわりの景色に溶け込むようにデザインにもこだわっているというのですが、それは一体どういうことなのでしょうか。
首都高に直結する東京高速道路(KK線)を有する東京都中央区は2019年10月、KK線を遊歩道へと再生する案を東京都に提案したことがニュースになりました。
これは、日本橋の首都高地下化に伴い、新たに別の道路を整備。KK線だった部分を再開発して銀座の周りを「緑の輪」で取り囲むことで、景観を向上させる狙いがあるようです。
また、首都高都心環状線の築地川区間の掘割部分に蓋をして、緑道化する案も公表されています。
どちらの構想も首都高に関連するものではありますが、都市開発の一環としておこなわれ、中央区や東京都といった地方自治体の計画・施策になります。
そうした行政の事業とは別に、首都高なども独自で景観向上対策を実施。都市環境との調和にこだわり、新規路線の建設や既存の道路の補修をおこなっています。
高架橋では、橋桁や高欄、橋脚の塗装に周辺の景観になじむ色が採用され、たとえば、1号羽田線の鈴が森入口付近はもともと淡い赤色でしたが、隣接する緑豊かな品川区民公園になじむ濃いグリーンへと塗り替えられました。
利便性や安全性など実用的な面のみが追求されているイメージのある首都高ですが、どうして景観や見た目にこだわるのでしょうか。首都高速道路株式会社は次のように話します。
「首都高速道路は東京・神奈川・埼玉・千葉にまたがる約320kmの路線で、都市内で多くの人のさまざまな視点にさらされ、都市景観のなかで首都高が占める割合は大きいといえます。
首都高には、レインボーブリッジや横浜ベイブリッジなどのランドマークとなる美しい構造物もあります。
規模が大きく、存在感が強い高架橋等の構造物は、その形状や色彩が景観を構成する要素となる場合が多いため、都市環境との調和を目指して景観向上対策を実施しています。
また、首都高の利用者にも快適な空間を提供できるように、走行する道路の景観にも配慮しています」
オリンピックに向けて優れた都市景観でおもてなし
2007年度から首都高は、3年ごとに景観向上に着手する30か所を定めて対策を施す「景観向上対策アクションプログラム(景観改善3カ年30箇所)」に取り組んでいます。
現在は、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催地にふさわしい『おもてなし』の施策のひとつとして、浅草付近や隅田川沿いの橋桁が、水辺の景観にマッチするウォーターサイドブルーの塗色で塗り替えられました。
6号向島線(堤通出入口付近)観光船などの眺めに配慮して壁面をブルーに塗装
また、ドライバーの視点に立っての修景として、都心環状線千代田トンネルの壁面に白色のタイルパネルを設置。快適に走行できるよう補修をおこなっています。
首都高の景観施策の今後について、次のように説明します。
「首都高は1964年の東京オリンピック前から建設が始められ、約2割が建設から50年以上、6割以上が30年以上となり、高齢化が進んでいます。道路本体と同様に遮音壁などの附属施設物の高齢化も進んでいます。
これらの附属施設物を安全な状態に保つため、きめ細やかな点検および適切な補修を実施しつつ、不要となった附属施設物の撤去または劣化が著しい箇所の取替えを計画的に実施しています。
取替えにあたっては、新技術・新材料を積極的に取り入れ、耐久性や維持管理性などの機能面にも配慮したうえで、橋梁全体の修景を推進していきます」
※ ※ ※
1964年の東京オリンピック前後のインフラ整備で開発された首都高が、50年以上の歳月を経て再びオリンピックを迎えようとしています。
ホスト国にふさわしい「おもてなし」として、首都高にも都市環境と調和された景観づくりや走行空間の快適性のさらなる向上が期待されています。
12/17(火) 18:10配信 くるまのニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191217-00207305-kurumans-bus_all