https://www.businessinsider.jp/post-201501
ISの最高指導者バグダディ容疑者の死は、さらなる暴力を招く"絶好のプロパガンダ"に
Oct. 29, 2019, 06:30 PM
・過激派組織「イスラミックステート(IS)」の指導者、アブバクル・バグダディ容疑者の死はISにとって打撃だが、戦闘員を募集したり、西側諸国に対する攻撃をあおる手段にもなるだろうと専門家は警鐘を鳴らしている。
・テロリズムの専門家、マイケル・S・スミス(Michael S. Smith II)氏は、「バグダディ氏の"殉教"がイスラミックステートにとって大きなプロパガンダになることは、ほぼ間違いない」とINSIDERに語った。
・バグダディ容疑者は身柄を拘束されたり、殺害されるのではなく、自爆した。これがISのメンバーや今後ISに加わろうとする者にとっては、強さの象徴として映るだろうとスミス氏は指摘する。
・アメリカの元政府高官も、テロ組織の指導者を殺害することはイデオロギーを壊すことにはならず、むしろISやアルカイダといったテロ組織に根拠を与えるだけだと警告する。
アメリカのトランプ大統領は、過激派組織「イスラミックステート(IS)」の指導者アブバクル・バグダディ容疑者の死を大きな勝利として称えているが、テロリズムや国家安全保障の専門家は、バグダディ容疑者の死がISの人員募集のためのツールになる可能性がある ―― そしてバグダディ容疑者の死は必ずしもISとの戦いの終わりを意味しないと、警鐘を鳴らしている。
ムハンマドの後継者を自負し、「カリフ」と称したバグダディ容疑者が死亡した今、一部の専門家はむしろ危険が高まったと考えている。
「バグダディ氏の"殉教"がイスラミックステートにとって大きなプロパガンダになることは、ほぼ間違いない」とテロリズムの専門家で、ジョンズ・ホプキンス大学のGlobal Security Studies Programの非常勤講師でもあるマイケル・S・スミス氏はINSIDERに語った。
シリア北西部イドリブに潜んでいたバグダディ容疑者は、米軍特別部隊の急襲を受け、自爆ベストを爆破させて死亡した。スミス氏は、バグダディ容疑者がアメリカによって身柄を拘束されたり、殺害されるのではなく自爆したことで、ISのメンバーや今後ISに加わろうとする者にとっては、強さの象徴として映るだろうと言い、「中でも、西側諸国におけるテロ攻撃を実行しようとしている者にとっては」と指摘する。
同氏は、ISやアルカイダといった集団から「象徴的な指導者」を排除することは「グッド・プラクティス」ではあるものの、「必ずしも世界を危険の少ない場所にするものではない ―― 実際、アメリカを中心に、ISの人員確保や暴力をあおる能力が高まる可能性がある」と言う。
指導者を殺害しても、イデオロギーは死なず
(リンク先に続きあり)
ISの最高指導者バグダディ容疑者の死は、さらなる暴力を招く"絶好のプロパガンダ"に
Oct. 29, 2019, 06:30 PM
・過激派組織「イスラミックステート(IS)」の指導者、アブバクル・バグダディ容疑者の死はISにとって打撃だが、戦闘員を募集したり、西側諸国に対する攻撃をあおる手段にもなるだろうと専門家は警鐘を鳴らしている。
・テロリズムの専門家、マイケル・S・スミス(Michael S. Smith II)氏は、「バグダディ氏の"殉教"がイスラミックステートにとって大きなプロパガンダになることは、ほぼ間違いない」とINSIDERに語った。
・バグダディ容疑者は身柄を拘束されたり、殺害されるのではなく、自爆した。これがISのメンバーや今後ISに加わろうとする者にとっては、強さの象徴として映るだろうとスミス氏は指摘する。
・アメリカの元政府高官も、テロ組織の指導者を殺害することはイデオロギーを壊すことにはならず、むしろISやアルカイダといったテロ組織に根拠を与えるだけだと警告する。
アメリカのトランプ大統領は、過激派組織「イスラミックステート(IS)」の指導者アブバクル・バグダディ容疑者の死を大きな勝利として称えているが、テロリズムや国家安全保障の専門家は、バグダディ容疑者の死がISの人員募集のためのツールになる可能性がある ―― そしてバグダディ容疑者の死は必ずしもISとの戦いの終わりを意味しないと、警鐘を鳴らしている。
ムハンマドの後継者を自負し、「カリフ」と称したバグダディ容疑者が死亡した今、一部の専門家はむしろ危険が高まったと考えている。
「バグダディ氏の"殉教"がイスラミックステートにとって大きなプロパガンダになることは、ほぼ間違いない」とテロリズムの専門家で、ジョンズ・ホプキンス大学のGlobal Security Studies Programの非常勤講師でもあるマイケル・S・スミス氏はINSIDERに語った。
シリア北西部イドリブに潜んでいたバグダディ容疑者は、米軍特別部隊の急襲を受け、自爆ベストを爆破させて死亡した。スミス氏は、バグダディ容疑者がアメリカによって身柄を拘束されたり、殺害されるのではなく自爆したことで、ISのメンバーや今後ISに加わろうとする者にとっては、強さの象徴として映るだろうと言い、「中でも、西側諸国におけるテロ攻撃を実行しようとしている者にとっては」と指摘する。
同氏は、ISやアルカイダといった集団から「象徴的な指導者」を排除することは「グッド・プラクティス」ではあるものの、「必ずしも世界を危険の少ない場所にするものではない ―― 実際、アメリカを中心に、ISの人員確保や暴力をあおる能力が高まる可能性がある」と言う。
指導者を殺害しても、イデオロギーは死なず
(リンク先に続きあり)