関空、汚水処理水を違法放流 開港から25年間 基準値は超えず
毎日新聞 2019年7月27日 16時37分(最終更新 7月27日 16時37分)
関西エアポートは26日、関西国際空港にある浄化センターの汚水処理水の一部が、雨水専用排出口から大阪湾に放流される違法状態が、1994年の開港から約25年間続いていたと発表した。放流された処理水はいずれも国の基準値を下回り、周辺海域の環境への影響はないという。
関西エアによると、消防用貯水池に処理水を活用、藻の発生を防ぐため1日10立方メートルをあふれさせていたが、それが雨水専用排出口から放流されていた。
大阪府によると、処理水は水質測定後、府の許可を受けた専用排水口から放流することが法律で定められている。
このほか、2010年、17年、18年の一定期間、汚水処理機能の不具合で、雨水専用排出口から国の基準を下回る汚水計約3000立方メートルが流れ出た。また、植栽や工事用水に処理水を許可なしに使用していたという。
違法行為を告発するメールが今年3月までに関西エアと府に送られて発覚。府は今月5日付で再発防止と早期是正を求める警告書を関西エアに出した。関西エアは今後、処理水排出のための適正な許可申請、貯水池の改修、緊急対応マニュアル改定などをして再発防止に努めるという。【鶴見泰寿】
関西国際空港＝大阪府泉佐野市で2017年9月21日、本社ヘリから川平愛撮影
