輸出が認められていない和牛の受精卵などを中国に不正に持ちだそうとした罪に問われている男らの裁判が開かれ、検察は「日本の畜産業に深刻な打撃を与える犯行だ」と指摘して実刑にするよう求めました。
前田裕介被告(51)と小倉利紀被告(64)は去年6月、和牛の受精卵と精液を検疫を受けずに中国に不正に持ち出そうとしたとして、家畜伝染病予防法違反などの罪に問われています。
2人に対する裁判が30日、大阪地方裁判所で開かれ、いずれも「間違いありません」などと起訴された内容を認めました。
このあと検察側は「前田被告は知り合いの中国人からの依頼を受けて、スーツケースに入れた和牛の受精卵などを小倉被告に船で運ばせる方法で少なくとも8回から10回、中国へ不正に輸出した。日本の基幹産業である畜産業に深刻な打撃を与える組織的で計画的な犯行だ」と指摘して、前田被告に懲役2年6か月、小倉被告に懲役1年6か月を求刑しました。
これに対し弁護側は「中国人からの依頼を受けて協力したにすぎず、被告は重大さを受け止め深く反省している」などと述べ、執行猶予がついた判決を求めました。
法廷での審理は30日一日で終わり、判決は来月25日に言い渡される予定です。
関西 NEWS WEB 05月30日 17時10分
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20190530/0016055.html