小豆高騰、県内にも影響 卸価格は例年の1.5倍
あんこなどに使われる北海道産小豆の卸価格が高騰し、県内の関係者は頭を悩ませている。国内供給の大部分を占める北海道十勝地方の不作が原因で、在庫確保のため食品メーカーや菓子業者が先買いに走ったことも品薄に拍車をかけた。例年に比べ価格は1・5倍前後まで上昇している。餅などであんこを使うことが多い正月が近づき、影響は一般家庭にも及びそうだ。
岩谷堂羊羹(ようかん)などを製造する奥州市江刺南町の回進堂(菊地清社長)によると、北海道の卸業者が示した小豆の卸価格は今春が30キロ当たり1万3千円程度だったのに対し、今月には約2万円まで高騰。同業者からは菓子の値上げや内容量を減らすなどの動きが出ているという。
菊地社長(63)は「今は在庫の小豆を使い、なんとか商品価格は据え置いているが、このまま高止まりとなれば値上げを検討しなければならない状況に陥る」と懸念する。
盛岡市八幡町の甘味喫茶「愛名亭茶欧(ちゃお)」では、正月や冬の定番メニューの汁粉に小豆が欠かせない。マスターの戸塚孝徳さん(67)は「本当は地元業者から仕入れたいが、値段を抑えるため今年は県外の業者を使う」と苦い顔だ。
ホクレン農業協同組合連合会によると、国産小豆の約7割を出荷する北海道十勝地方は、今夏の低温・多雨の影響で収穫量が例年比約15%減となった。作付面積も減少傾向で、2016年の台風による記録的不作で在庫分をはき出してしまったため、市場への供給が追いつかない状況だ。
2018.12.24
https://www.iwate-np.co.jp/article/2018/12/24/42067