0001ごまカンパチ ★
2018/11/21(水) 22:07:08.19ID:CAP_USER9滋賀県内でシカによる森林被害が深刻化している。
県の調査では近年、湖北や湖東地域を中心に低木や下草が食べられて消失し、土壌が露出した山が広がっており、
表土流出や水源かん養機能の低下が懸念される。県は捕獲に力を注ぐが、食害による植生の衰退は止まらない。
県内のスギやヒノキの人工林(約8万5千ヘクタール)でシカに苗木や枝を食べられたり、樹皮をむかれたりして枯れた被害は、
2012年度の約280ヘクタールをピークに、近年は200ヘクタール前後で推移している。
県はシカの捕獲を本格化させた12年度以降、年間1万頭以上を捕獲しており、被害抑止に一定の効果を上げている。
だが、県が県内の森林を5キロ四方メッシュをめどに設定した180カ所で実施した下層植生衰退度調査(17年度)では、
8割以上の樹木が食害で枯れるなど衰退度が高い地点は35カ所に上り、全体の2割に達した。
5年前の調査と比べると、被害は湖西地域で減少し、湖北や湖東地域で拡大している。
衰退度が高い地点の数は前回(36カ所)とほぼ同じだったものの、被害が全くない地点は前回(32カ所)から12カ所減り、
全体の1割にとどまった。
県によると、植生が回復しにくい頂上付近や間伐した人工林でも表土の崩壊が見られ、東近江市の永源寺ダムでは
土砂の流入量が増える傾向にあるという。
県では植樹した造林地を防護柵で囲んだり、樹皮をはがされないようビニールテープを巻いたりして食害を防いでいる。
水が集まりやすい場所では枝を集めて簡易ダムを造り表土流出対策も行う。山林所有者向けの対策マニュアルも14年度に作成した。
県森林政策課は「雨の降り方が変化する中で土砂災害のリスクは高まっている。土壌が崩れやすい場所の対策が必要だ」とし、
年度内に見直す基本計画に、表土流出対策の項目を初めて盛り込む方針だ。