◆即刻大炎上した「五輪サマータイム」
既に五輪の聖火も真っ青の全国的な大炎上を見せている東京オリンピックに伴うサマータイム導入案。
8月6日朝の産経新聞の報道から半日も経たずに菅官房長官が「政府としてサマータイム導入を目指すとの方針を決定した事実はない」「国民の日常生活に影響を生じ、大会までの期間が限られている」と火消しに追われる羽目になりました。
東京オリンピックまで2年を切った現時点から全国的にサマータイムを導入する事によってどれほどの影響が発生するかについてはBUZZAP!でも詳細に報じたとおり。
ただでさえ2019年に新元号導入に共なって膨大な改修作業が発生するIT関連企業のデスマーチが予測不能なレベルにまで加速することは確定で、不具合が生じれば東京オリンピックの真っ最中に大規模な障害が発生する可能性もあります。
それに加えて時計を2時間前倒しすることによって生じる健康被害や残業の強化の可能性が指摘され、東京オリンピック自体でも夕方から行われる予定だった競技が午後の最も暑い時間に「繰り上げ」られてしまうなど、ありとあらゆる方向からツッコミが入っているのが現状です。
◆森喜朗五輪組織委員会長の再訪
そんな大炎上の真っ只中の8月7日、意気揚々と首相官邸を訪問したのが森喜朗五輪組織委員会長。既にツッコミの嵐に晒されている「大会期間中の暑さ対策の一環」という名目を再び持ち出してサマータイム導入を検討するよう重ねて要望しました。
安倍首相はこの要望に対して「サマータイムの導入は国民の評価が高いと聞いている。内閣としても考えるが、まずは党の方で先行して議論してもらいたい」と返答。国民の阿鼻叫喚がどうやら聞えていないことが明らかになりました。そしてすかさずボールを官邸からを自民党にパスしています。
これに対して同席していた自民党の遠藤東京大会実施本部長は「議員立法になるとしても、あるいは閣法になるとしても、超党派の皆さんの理解を得るような形、議員連盟のようなものをつくっていきたい」として、自民党だけでなく超党派の議員を巻き込む意思を表明。既にボールの押し付け合いの様相を呈しています。
◆本当はオリンピック時だけではない?
ここで気になるのが、森委員長が記者団に対して「サマータイムについて、オリンピックを最大限それを進める日本のレガシーとして使ってほしい」と語っていること。
森会長の言葉をそのまま受け取るのであれば「日本へのサマータイムの導入の推進のため、オリンピックを最大限に活用して欲しい」と読むことができます。ここでレガシーという言葉が使われていることが重要です。
オリンピックレガシーとはIOCによるとオリンピック後の「長期にわたる、特にポジティブな影響」としています。また三菱総合研究所によると「オリンピック開催を契機として社会に生み出される持続的な効果」であり、有形無形を問いません。
つまり、森会長はサマータイムをオリンピック以降ずっと採用し続けることを前提に話していることになります。
そうなると「大会期間中の暑さ対策の一環として2019年と2020年に限定して導入する」という話はフェイクになりますし、全体の話が全く変わってきてしまいます。
サマータイムの導入にはこれまで環境省、経済産業省、経団連らが積極的な動きを見せてきたことを考えると、オリンピックを「隠れ蓑」として導入を果たし、なし崩し的に定着させようという動きの一環という可能性も否定できなくなってきます。
「国民の日常生活に影響を生じ」ると政府も認めるサマータイムが騙し討ちで導入されることとなれば極めて大きな問題です。いったい森会長は何を要求しているのか、正確に見極める必要がありそうです。
https://buzzap.jp/news/20180807-tokyo-olympic-summer-time-legacy/
既に五輪の聖火も真っ青の全国的な大炎上を見せている東京オリンピックに伴うサマータイム導入案。
8月6日朝の産経新聞の報道から半日も経たずに菅官房長官が「政府としてサマータイム導入を目指すとの方針を決定した事実はない」「国民の日常生活に影響を生じ、大会までの期間が限られている」と火消しに追われる羽目になりました。
東京オリンピックまで2年を切った現時点から全国的にサマータイムを導入する事によってどれほどの影響が発生するかについてはBUZZAP!でも詳細に報じたとおり。
ただでさえ2019年に新元号導入に共なって膨大な改修作業が発生するIT関連企業のデスマーチが予測不能なレベルにまで加速することは確定で、不具合が生じれば東京オリンピックの真っ最中に大規模な障害が発生する可能性もあります。
それに加えて時計を2時間前倒しすることによって生じる健康被害や残業の強化の可能性が指摘され、東京オリンピック自体でも夕方から行われる予定だった競技が午後の最も暑い時間に「繰り上げ」られてしまうなど、ありとあらゆる方向からツッコミが入っているのが現状です。
◆森喜朗五輪組織委員会長の再訪
そんな大炎上の真っ只中の8月7日、意気揚々と首相官邸を訪問したのが森喜朗五輪組織委員会長。既にツッコミの嵐に晒されている「大会期間中の暑さ対策の一環」という名目を再び持ち出してサマータイム導入を検討するよう重ねて要望しました。
安倍首相はこの要望に対して「サマータイムの導入は国民の評価が高いと聞いている。内閣としても考えるが、まずは党の方で先行して議論してもらいたい」と返答。国民の阿鼻叫喚がどうやら聞えていないことが明らかになりました。そしてすかさずボールを官邸からを自民党にパスしています。
これに対して同席していた自民党の遠藤東京大会実施本部長は「議員立法になるとしても、あるいは閣法になるとしても、超党派の皆さんの理解を得るような形、議員連盟のようなものをつくっていきたい」として、自民党だけでなく超党派の議員を巻き込む意思を表明。既にボールの押し付け合いの様相を呈しています。
◆本当はオリンピック時だけではない?
ここで気になるのが、森委員長が記者団に対して「サマータイムについて、オリンピックを最大限それを進める日本のレガシーとして使ってほしい」と語っていること。
森会長の言葉をそのまま受け取るのであれば「日本へのサマータイムの導入の推進のため、オリンピックを最大限に活用して欲しい」と読むことができます。ここでレガシーという言葉が使われていることが重要です。
オリンピックレガシーとはIOCによるとオリンピック後の「長期にわたる、特にポジティブな影響」としています。また三菱総合研究所によると「オリンピック開催を契機として社会に生み出される持続的な効果」であり、有形無形を問いません。
つまり、森会長はサマータイムをオリンピック以降ずっと採用し続けることを前提に話していることになります。
そうなると「大会期間中の暑さ対策の一環として2019年と2020年に限定して導入する」という話はフェイクになりますし、全体の話が全く変わってきてしまいます。
サマータイムの導入にはこれまで環境省、経済産業省、経団連らが積極的な動きを見せてきたことを考えると、オリンピックを「隠れ蓑」として導入を果たし、なし崩し的に定着させようという動きの一環という可能性も否定できなくなってきます。
「国民の日常生活に影響を生じ」ると政府も認めるサマータイムが騙し討ちで導入されることとなれば極めて大きな問題です。いったい森会長は何を要求しているのか、正確に見極める必要がありそうです。
https://buzzap.jp/news/20180807-tokyo-olympic-summer-time-legacy/