統合型リゾート実施法案、いわゆるカジノ法案(IR法案)が7月20日に成立した。
ギャンブル依存症への不安などから、カジノ解禁に反対する声は未だ根強いが、今後、国内3か所に日本初のカジノが開業することになる。
こうした中で7月下旬、産経新聞大阪版と東京版に「日本カジノ学院」なる学校の一面広告が掲載され、注目を集めた。
ルーレットに興じる、中年サラリーマンとエプロン姿の主婦をディーラーが見守る構図で、黄色い背景に黒の太字で書かれた「カジノIR施設の人材育成本格始動」のインパクトも強い。
写真:新聞に掲載された画像。画像は日本カジノ学院の公式サイトのキャプチャより

ネットでは「コラかと思った」「意味分からん」「センスが昭和」と、訝しげに見る人も多い。
「カジノディーラーの資格を取ろう」という呼びかけも、怪しさを倍増させている。
実際のところ、どんなことを学ぶ学校なのだろうか。
キャリコネニュースでは、カジノ学院代表の贄田崇矢さん(47)に話を聞いた。
■「ディーラーは年配でも活躍できる仕事。40代からも目指せると伝えたくて広告出した」
贄田さんは建築学部の出身。
卒業研究で、お台場にカジノを作る計画を提出した経験もある。
卒業後は清水建設に入社し働いていたが、カジノに対する思いは消えず、2014年、IR法が一度成立しかかったタイミングで学院の運営会社を立ち上げた。
2015年に1校目を開校以降、全国に校舎を広げ、現在は東京、札幌、大阪など都市部を中心に7校を構える。
学院では、カジノディーラーに必要な知識を学ぶことができる。
ポーカー、ルーレット、バカラ、ブラックジャックの4科目の実技や座学に加え、マネージャークラスになるために必要な人材育成論やマーケティング、依存症に関する講座もある。
講師は海外のカジノ経験者のほか、学院の卒業生も多い。
授業料や通学期間はコースによってまちまちだ。
広告に掲載した「カジノディーラーの資格」とは、一般社団法人日本カジノ協会が認定する資格のこと。
資格がなければカジノで働けない、というわけではないが、同校では取得を推奨している。
「各校、毎月20人前後の新規入学者がいます。男女比は半々。
入学者は18歳の高校生から50代の人まで様々ですが、30代前後の人が一番多いです」
7月末の法案通過と新聞広告の影響で、現在は「対応しきれないくらい問い合わせが来ている」そうだが、新聞広告に関しては「ギャンブルを助長する学校なのか、といった意見も聞く。賛否両論あった」と言う。
これについては
「日本のカジノは統合リゾート(IR)といって、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズのようなものを目指しています。ビジネスで来る人だけでなく、家族で楽しめる場所になる予定です。パチンコなどと一緒ではありません」
と、誤解だと反論した。
また、ディーラーという仕事の魅力について次のように語った。
「海外のカジノでは年配の方が働いていることが多いんです。例えばマカオでは、60代でも活躍している人がいる。
ディーラーは若い人の仕事だと思われがちですが、40代からでも目指せます。それを伝えたくて新聞広告を出しました」
キャリコネニュース 2018.8.5
https://news.careerconnection.jp/?p=57714
※続きます