https://www.bbc.com/japanese/45079962
トランプ氏、長男がロシア人弁護士と会ったのはクリントン氏情報のためと
2018/08/06 9時間前
ドナルド・トランプ米大統領は5日、2016年米大統領選中の6月に長男がロシア人弁護士と面会したのは、「対立候補について情報を得る」ためだった、これは合法なことだとツイートした。長男ドナルド・ジュニア氏がロシア政府に近い弁護士ナタリア・ベセルニツカヤ氏と大統領選中に会った理由について、トランプ氏が直接言及するのは初めて。
米紙ワシントン・ポスト、CNN、AP通信など米メディアは5日、ベセルニツカヤ弁護士との会談を理由に長男がロバート・ムラー特別検察官の捜査対象になっているかもしれないと、大統領が心配していると報じた。各社とも、複数の匿名消息筋の話として伝えていた。
これを受けてトランプ氏はツイッターで、「自分の素晴らしい息子、ドナルドがトランプタワーで行った面会について僕が心配しているなど、フェイクニュース報道、まったくのでっちあげだ。これは、対立候補について情報を得るための面談だった。完全に合法で、政治の世界ではしょっちゅうあることだし、なんの成果もなかった。僕は知らされてなかった!」と書いた。
このツイートの意義は
息子とロシア人弁護士との面会について、今回のツイートはトランプ陣営のこれまでの説明と矛盾するように見える。
米紙ニューヨーク・タイムズが2017年7月に、面会について最初に報じた当初、ドナルド・ジュニア氏は声明で、自分と弁護士が話した主な内容は、ロシア人児童を米国人が養子にするための、中断している事業の再開についてだったと説明した。しかしドナルド・ジュニア氏はその後、大統領選の対立候補だったヒラリー・クリントン氏に不利な情報を提供すると言われて面会に応じたのだと認め、面会に至るメールのやりとりも公表した。
米メディアはその後、面会について息子の声明文の策定にトランプ大統領も関わっていたと報じた。トランプ陣営は最初これを否定したが、後に顧問弁護士たちは、確かに大統領が息子の声明文を口述筆記させたと明らかにした。
トランプ大統領が今回のツイートで、クリントン氏について情報を得ることが面会の目的だったと認めたのは、昨年の声明と大きく矛盾すると、批判の声が相次いでいる。
ムラー特別検察官は、2016年選挙でトランプ氏を当選させようとロシア政府が介入した疑いについて捜査している。
トランプ大統領は、自分の陣営とロシア当局の間に結託はなかったと一貫して主張し、ムラー捜査を「史上最大の政治的魔女狩り」と呼んでいる。
ロシアは米大統領選への関与を一切否定している。
ロシア人弁護士との面会 何が問題か
米国の政治家にとって、選挙期間中に対立候補について調査するのはありふれた行動だ。
ただし、米国の選挙資金規正法は、候補が外国政府や外国人から価値のあるものを受け取ることを一切禁止している。ドナルド・ジュニア氏が、クリントン氏に不利な情報を求めてロシア人弁護士と面会したのは、この規定に違反する可能性があると、法曹関係者は指摘する。
クリントン氏の問題情報を提供すると言われて積極的に応じたのは、共謀罪にあたる可能性もあるという。
トランプ陣営はこれまで、ドナルド・ジュニア氏が結局のところはクリントン氏に打撃を与える情報を何も受け取らなかったと主張してきた。
トランプ氏の顧問弁護士の1人、ジェイ・セクロウ弁護士は5日、トランプタワーでの会談は何の法律にも抵触していないと米ABCニュースに述べた。
「いったいどの法律、制定法や規則や規制が破られというのか。それが問題だ。誰も何も、具体的を違反行為を挙げていない」
ロシア人弁護士との面会が明らかになった昨年の時点で米メディアは、大統領の関与によって、大統領自身や側近たちが法的に危うい立場になりかねないと、大統領の周囲で懸念が出ていると報じていた。
(英語記事 Trump admits son met Russian for information on opponent)
ドナルド・トランプ・ジュニア氏は2016年6月にトランプ・タワーでロシア人弁護士ナタリア・ベセルニツカヤ氏と面会した
トランプ氏、長男がロシア人弁護士と会ったのはクリントン氏情報のためと
2018/08/06 9時間前
ドナルド・トランプ米大統領は5日、2016年米大統領選中の6月に長男がロシア人弁護士と面会したのは、「対立候補について情報を得る」ためだった、これは合法なことだとツイートした。長男ドナルド・ジュニア氏がロシア政府に近い弁護士ナタリア・ベセルニツカヤ氏と大統領選中に会った理由について、トランプ氏が直接言及するのは初めて。
米紙ワシントン・ポスト、CNN、AP通信など米メディアは5日、ベセルニツカヤ弁護士との会談を理由に長男がロバート・ムラー特別検察官の捜査対象になっているかもしれないと、大統領が心配していると報じた。各社とも、複数の匿名消息筋の話として伝えていた。
これを受けてトランプ氏はツイッターで、「自分の素晴らしい息子、ドナルドがトランプタワーで行った面会について僕が心配しているなど、フェイクニュース報道、まったくのでっちあげだ。これは、対立候補について情報を得るための面談だった。完全に合法で、政治の世界ではしょっちゅうあることだし、なんの成果もなかった。僕は知らされてなかった!」と書いた。
このツイートの意義は
息子とロシア人弁護士との面会について、今回のツイートはトランプ陣営のこれまでの説明と矛盾するように見える。
米紙ニューヨーク・タイムズが2017年7月に、面会について最初に報じた当初、ドナルド・ジュニア氏は声明で、自分と弁護士が話した主な内容は、ロシア人児童を米国人が養子にするための、中断している事業の再開についてだったと説明した。しかしドナルド・ジュニア氏はその後、大統領選の対立候補だったヒラリー・クリントン氏に不利な情報を提供すると言われて面会に応じたのだと認め、面会に至るメールのやりとりも公表した。
米メディアはその後、面会について息子の声明文の策定にトランプ大統領も関わっていたと報じた。トランプ陣営は最初これを否定したが、後に顧問弁護士たちは、確かに大統領が息子の声明文を口述筆記させたと明らかにした。
トランプ大統領が今回のツイートで、クリントン氏について情報を得ることが面会の目的だったと認めたのは、昨年の声明と大きく矛盾すると、批判の声が相次いでいる。
ムラー特別検察官は、2016年選挙でトランプ氏を当選させようとロシア政府が介入した疑いについて捜査している。
トランプ大統領は、自分の陣営とロシア当局の間に結託はなかったと一貫して主張し、ムラー捜査を「史上最大の政治的魔女狩り」と呼んでいる。
ロシアは米大統領選への関与を一切否定している。
ロシア人弁護士との面会 何が問題か
米国の政治家にとって、選挙期間中に対立候補について調査するのはありふれた行動だ。
ただし、米国の選挙資金規正法は、候補が外国政府や外国人から価値のあるものを受け取ることを一切禁止している。ドナルド・ジュニア氏が、クリントン氏に不利な情報を求めてロシア人弁護士と面会したのは、この規定に違反する可能性があると、法曹関係者は指摘する。
クリントン氏の問題情報を提供すると言われて積極的に応じたのは、共謀罪にあたる可能性もあるという。
トランプ陣営はこれまで、ドナルド・ジュニア氏が結局のところはクリントン氏に打撃を与える情報を何も受け取らなかったと主張してきた。
トランプ氏の顧問弁護士の1人、ジェイ・セクロウ弁護士は5日、トランプタワーでの会談は何の法律にも抵触していないと米ABCニュースに述べた。
「いったいどの法律、制定法や規則や規制が破られというのか。それが問題だ。誰も何も、具体的を違反行為を挙げていない」
ロシア人弁護士との面会が明らかになった昨年の時点で米メディアは、大統領の関与によって、大統領自身や側近たちが法的に危うい立場になりかねないと、大統領の周囲で懸念が出ていると報じていた。
(英語記事 Trump admits son met Russian for information on opponent)
ドナルド・トランプ・ジュニア氏は2016年6月にトランプ・タワーでロシア人弁護士ナタリア・ベセルニツカヤ氏と面会した