http://www.sankei.com/smp/premium/news/180509/prm1805090004-s1.html
超常的な存在と交信して得たという情報を人に伝える「チャネリング」。脱税したとして所得税法違反に問われた人気チャネラー「千さん」こと山本千春被告(49)の初公判が4月24日、千葉地裁(朝倉静香裁判官)で開かれた。「間違いありません」−。罪状認否で裁判官を見据えて山本被告が発した言葉は、超常的な世界とやり取りしていた面影はなく「常人」そのもの。「チャネラー」の肩書からは想像できないほど、普通の中年女性といえるものだった。
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山本被告の著書『木の神さま 水の神さま』によると、山本被告は5人の「マスター」あるいは「おじいちゃん」と交信できるという。「おじいちゃん」らから得た情報を、全国各地で開かれるワークショップや個人セッションなどで相談者に伝えていた。
そんな山本被告が所得税法違反罪に問われ、4月24日に迎えた千葉地裁での初公判。検察官によると、相談者に手をかざし、エネルギーを送るという「ヒーリング」では、1回1時間で1〜2万円前後を受け取っていたという。
ネットには、山本被告のセッションを受けたことをつづるブログもある。「これだけの情報を引き出せたら100万円でも安いと思う」という書き込みもある。
だが、法廷に現れた千さんは、そんなプロフィルからはとても想像できないほど「普通」だった。ボタンを1番上までかけた紺色の細かいチェックのシャツに同じく紺色のカーディガン、黒のズボンと服装はいたって平凡。静かに手を膝に置き、うつむき気味で開廷を待っていた。
起訴状によると、平成25〜27年、千さんの年収は約4700万〜5200万円程度あるにもかかわらず、市川税務署には約400万〜570万円の年収があると過少に申告。所得隠しは3年間で計約1億3000万円に及ぶとみられる。
起訴状が読み上げられると、山本被告は静かに「間違いありません」と起訴内容を認めた。
同日行われた本人尋問によると、源泉徴収票を作成する法人から受け取った報酬については確定申告したが、相談者から手渡しで受け取った金など、源泉徴収票のないものについては申告しなかったという。
弁護側から「なぜ所得を隠したのか」と問われると言葉につまった。改めて問われ、「納め方をよく理解していませんでした」と話した。弁護側に「老後のために貯蓄した、と(検察官の)調書にあるが」と問われると「『わからない』と言ったら、『それは認められない』といわれた」と涙を流す場面もあった。
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2/2ページ
裁判は即日結審し、検察側は「所得税の逋脱(ほだつ)率は99%と高率で、犯行の結果は重大」と懲役1年、罰金1400万円を求刑。弁論で弁護側は、山本被告は既に脱税分を納付し、1000万円の贖罪(しょくざい)寄付を行うなど、反省していると主張した。
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数々の相談者の未来を伝達してきた千さん。5人の「おじいちゃん」たちは山本被告に所得隠しを警告してくれなかったのだろうか。判決は5月21日に言い渡される予定だ。
超常的な存在と交信して得たという情報を人に伝える「チャネリング」。脱税したとして所得税法違反に問われた人気チャネラー「千さん」こと山本千春被告(49)の初公判が4月24日、千葉地裁(朝倉静香裁判官)で開かれた。「間違いありません」−。罪状認否で裁判官を見据えて山本被告が発した言葉は、超常的な世界とやり取りしていた面影はなく「常人」そのもの。「チャネラー」の肩書からは想像できないほど、普通の中年女性といえるものだった。
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山本被告の著書『木の神さま 水の神さま』によると、山本被告は5人の「マスター」あるいは「おじいちゃん」と交信できるという。「おじいちゃん」らから得た情報を、全国各地で開かれるワークショップや個人セッションなどで相談者に伝えていた。
そんな山本被告が所得税法違反罪に問われ、4月24日に迎えた千葉地裁での初公判。検察官によると、相談者に手をかざし、エネルギーを送るという「ヒーリング」では、1回1時間で1〜2万円前後を受け取っていたという。
ネットには、山本被告のセッションを受けたことをつづるブログもある。「これだけの情報を引き出せたら100万円でも安いと思う」という書き込みもある。
だが、法廷に現れた千さんは、そんなプロフィルからはとても想像できないほど「普通」だった。ボタンを1番上までかけた紺色の細かいチェックのシャツに同じく紺色のカーディガン、黒のズボンと服装はいたって平凡。静かに手を膝に置き、うつむき気味で開廷を待っていた。
起訴状によると、平成25〜27年、千さんの年収は約4700万〜5200万円程度あるにもかかわらず、市川税務署には約400万〜570万円の年収があると過少に申告。所得隠しは3年間で計約1億3000万円に及ぶとみられる。
起訴状が読み上げられると、山本被告は静かに「間違いありません」と起訴内容を認めた。
同日行われた本人尋問によると、源泉徴収票を作成する法人から受け取った報酬については確定申告したが、相談者から手渡しで受け取った金など、源泉徴収票のないものについては申告しなかったという。
弁護側から「なぜ所得を隠したのか」と問われると言葉につまった。改めて問われ、「納め方をよく理解していませんでした」と話した。弁護側に「老後のために貯蓄した、と(検察官の)調書にあるが」と問われると「『わからない』と言ったら、『それは認められない』といわれた」と涙を流す場面もあった。
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裁判は即日結審し、検察側は「所得税の逋脱(ほだつ)率は99%と高率で、犯行の結果は重大」と懲役1年、罰金1400万円を求刑。弁論で弁護側は、山本被告は既に脱税分を納付し、1000万円の贖罪(しょくざい)寄付を行うなど、反省していると主張した。
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数々の相談者の未来を伝達してきた千さん。5人の「おじいちゃん」たちは山本被告に所得隠しを警告してくれなかったのだろうか。判決は5月21日に言い渡される予定だ。