楽天は、2017年度(2017年1月〜12月)決算説明会を実施。「第4の携帯会社」として参入を発表したMNO事業について、代表取締役会長兼社長 の三木谷浩史氏から言及された。
楽天は現在、MVNOとして通信サービス「楽天モバイル」を展開している。昨年12月に発表した構想は、総務省が追加で割り当てる周波数帯(1.7GHz帯と3.4GHz帯で募集)を取得し、自前で通信設備を持つ事業者(MNO)を目指すというもの。
楽天モバイルの2018年1月時点でのユーザー数は約150万人で、2年前の7倍の規模に拡大。売上は2015年度の6倍(金額は非公開)に成長しているという。三木谷氏は「180店舗を展開し、1日数千件の新規ユーザーを獲得している。これがMNOとして参入する自信になった」と話している。
2月13日現在で、周波数帯の割当は決定していないが、もし楽天が周波数帯を取得できた場合、自前のサービスの提供は2019年末となり、既存の「楽天モバイル」ユーザーも準備が整い次第、新サービスへと移行される見込み。当初はカバーエリアが少ないため、既存の大手キャリアの回線を借りてカバーする形となるという。
■設備投資「6000億円で十分」
楽天がMNO参入にあたって想定している設備投資額が「少なすぎる」と報道などで指摘されていた。投資計画では2025年までに最大6000億円を調達し、全国規模のLTEネットワークの構築を目指すとしている。この6000億円という金額はNTTドコモが1年間に費やす設備投資額に近い金額だ。
この指摘について三木谷氏は、「6000億円で全国をカバーするネットワークを構築するのに十分な金額」と強調した。
その論拠として、数千万規模のユーザーがいるドコモと比べユーザー数が少ないこと、整備予定の周波数帯は1〜2帯域と少なく、LTEだけのネットワークになる(3Gサービスを提供しない)ことを挙げている。また、過去にイー・アクセスが新規参入した例などを参考にしても、妥当な金額と紹介している。
楽天はすでに複数社の基地局装置ベンダーと交渉し、1次見積もりを取得しているという。通信事業担当の山田善久副社長からは、投資金額の大まかな内訳が案内された。
また、参入時の初期費用となる6000億円のほかに、リースファイナンスや資産の流動化を活用した追加の資金調達も検討しているという。
このほか、既存の大手キャリア3社などから専門家を多数採用しており、外部との関係構築なども進めていることから、「サービス開始に向けて準備万端と思っている」(三木谷氏)とされた。
■楽天カードと並ぶ“アンカー”に
三木谷氏は「MVNOビジネスの経験からも多くの利益を上げるのが難しいと思っている」とも言及。楽天がMNOとなって目指すのは、通信事業単体で高収益を得ることではなく、「楽天経済圏」の拡大だ。
MNOとなった楽天モバイルを接点として、楽天市場や楽天カードなど、他のサービスの利用を促すことで、収益を得る考えだ。これは、現在の楽天モバイルの描くビジネスモデルの延長線上にあると言える。
現在の「楽天経済圏」においては、利用促進の入り口として「楽天カード」が大きな役割を果たしているというが、三木谷氏は「楽天モバイルは楽天カード並ぶ“アンカー”になっていくと思う」と話している。
現時点では楽天モバイルのユーザーのうち62%が通信料を楽天カードで支払っているほか、26%のユーザーは通信料の「楽天スーパーポイント支払い」を設定しているという。
楽天の2017年通期の連結売上は前年度比20.8%増の約9444億7400万円、営業利益は前年度比90.2%増の1493億4400万円、純利益は前年度比187.8%増の1105億8500万円となっている。通信事業単体の損益は開示されていない。
ケータイ Watch,石井 徹
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180213-00000104-impress-sci
楽天は現在、MVNOとして通信サービス「楽天モバイル」を展開している。昨年12月に発表した構想は、総務省が追加で割り当てる周波数帯(1.7GHz帯と3.4GHz帯で募集)を取得し、自前で通信設備を持つ事業者(MNO)を目指すというもの。
楽天モバイルの2018年1月時点でのユーザー数は約150万人で、2年前の7倍の規模に拡大。売上は2015年度の6倍(金額は非公開)に成長しているという。三木谷氏は「180店舗を展開し、1日数千件の新規ユーザーを獲得している。これがMNOとして参入する自信になった」と話している。
2月13日現在で、周波数帯の割当は決定していないが、もし楽天が周波数帯を取得できた場合、自前のサービスの提供は2019年末となり、既存の「楽天モバイル」ユーザーも準備が整い次第、新サービスへと移行される見込み。当初はカバーエリアが少ないため、既存の大手キャリアの回線を借りてカバーする形となるという。
■設備投資「6000億円で十分」
楽天がMNO参入にあたって想定している設備投資額が「少なすぎる」と報道などで指摘されていた。投資計画では2025年までに最大6000億円を調達し、全国規模のLTEネットワークの構築を目指すとしている。この6000億円という金額はNTTドコモが1年間に費やす設備投資額に近い金額だ。
この指摘について三木谷氏は、「6000億円で全国をカバーするネットワークを構築するのに十分な金額」と強調した。
その論拠として、数千万規模のユーザーがいるドコモと比べユーザー数が少ないこと、整備予定の周波数帯は1〜2帯域と少なく、LTEだけのネットワークになる(3Gサービスを提供しない)ことを挙げている。また、過去にイー・アクセスが新規参入した例などを参考にしても、妥当な金額と紹介している。
楽天はすでに複数社の基地局装置ベンダーと交渉し、1次見積もりを取得しているという。通信事業担当の山田善久副社長からは、投資金額の大まかな内訳が案内された。
また、参入時の初期費用となる6000億円のほかに、リースファイナンスや資産の流動化を活用した追加の資金調達も検討しているという。
このほか、既存の大手キャリア3社などから専門家を多数採用しており、外部との関係構築なども進めていることから、「サービス開始に向けて準備万端と思っている」(三木谷氏)とされた。
■楽天カードと並ぶ“アンカー”に
三木谷氏は「MVNOビジネスの経験からも多くの利益を上げるのが難しいと思っている」とも言及。楽天がMNOとなって目指すのは、通信事業単体で高収益を得ることではなく、「楽天経済圏」の拡大だ。
MNOとなった楽天モバイルを接点として、楽天市場や楽天カードなど、他のサービスの利用を促すことで、収益を得る考えだ。これは、現在の楽天モバイルの描くビジネスモデルの延長線上にあると言える。
現在の「楽天経済圏」においては、利用促進の入り口として「楽天カード」が大きな役割を果たしているというが、三木谷氏は「楽天モバイルは楽天カード並ぶ“アンカー”になっていくと思う」と話している。
現時点では楽天モバイルのユーザーのうち62%が通信料を楽天カードで支払っているほか、26%のユーザーは通信料の「楽天スーパーポイント支払い」を設定しているという。
楽天の2017年通期の連結売上は前年度比20.8%増の約9444億7400万円、営業利益は前年度比90.2%増の1493億4400万円、純利益は前年度比187.8%増の1105億8500万円となっている。通信事業単体の損益は開示されていない。
ケータイ Watch,石井 徹
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180213-00000104-impress-sci