http://www.sankei.com/smp/west/news/180129/wst1801290035-s1.html
当時1歳だった男児を車の中に約10時間半放置して死亡させ、遺体を車のトランク内のクーラーボックスに隠したなどとして、保護責任者遺棄致死や死体遺棄罪などに問われた無職、大島祐太被告(23)に対する裁判員裁判の初公判が29日、大阪地裁(増田啓祐裁判長)で開かれた。大島被告は男児の母親と内縁関係にあったとされるが、「保護すべき責任があったとは思っていない」と起訴内容を一部否認した。
弁護側も「死亡する危険性を認識できず、クーラーボックスに入れていたのは男児をいとおしく思い、手元に置いておきたいと考えていた」として、死体遺棄罪についても争う方針を示した。
起訴状によると、大島被告は、大阪市東住吉区で同居していた鈴木玲(れ)奈(な)被告(26)=同罪などで起訴=と共謀。平成28年4月下旬、同市平野区の屋外駐車場で、鈴木被告の長男、琉(りゅう)聖(せい)ちゃんと長女(4)を車内に置き去りにして琉聖ちゃんを熱中症で死亡させ、その後、遺体をクーラーボックス内に隠して遺棄したとされる。
検察側は冒頭陳述で「子供2人を後部座席に乗せ、車内の窓を全て閉めて鈴木被告と2人でホテルに向かった。ホテルから戻ったときの外気温は23度を超えていた」と指摘した。
琉聖ちゃんの遺体は、死亡した約7カ月後の同年11月22日夜、同市住吉区のコインパーキングに駐車中の車内から見つかった。
大島被告は長女の頭をスマートフォンで数回殴って軽傷を負わせたなどとして暴行と傷害罪でも起訴され、いずれも起訴内容を認めた。