2013年に島根県益田市で起きた多重事故で、警察官や救急隊員に気付かれないまま事故車両に放置され、その後死亡が確認された女性=当時(74)=の子2人=いずれも兵庫県=が、地元消防が所属する益田地区広域市町村圏事務組合や島根県に、計660万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、神戸地裁であった。黒田豊裁判長は「救急隊員が尽くすべき注意義務を怠った」とし、事務組合に慰謝料など計55万円の支払いを命じた。県への請求は棄却した。
判決によると、13年10月16日夜、益田市内の国道交差点で、女性が乗った車にトラックが追突。女性は後部座席の足元に倒れたまま気付かれず、事故車両に約2時間半放置された。女性は救急隊員らの到着時、救命できる可能性がない状態だった。
黒田裁判長は判決で「救急隊員は、車内を注視したり運転手から同乗者の有無を確認したりする極めて単純な救護活動を怠った」と非難。一方、警察官については「負傷者の救護以外を優先することも許される状況で、注意義務を怠ったとはいえない」と判断した。
事務組合管轄の益田広域消防本部、村上雅春消防長は「判決文を精査し、対応を検討したい」と話した。
配信2017/12/21 21:03
神戸新聞NEXT
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201712/0010837745.shtml
判決によると、13年10月16日夜、益田市内の国道交差点で、女性が乗った車にトラックが追突。女性は後部座席の足元に倒れたまま気付かれず、事故車両に約2時間半放置された。女性は救急隊員らの到着時、救命できる可能性がない状態だった。
黒田裁判長は判決で「救急隊員は、車内を注視したり運転手から同乗者の有無を確認したりする極めて単純な救護活動を怠った」と非難。一方、警察官については「負傷者の救護以外を優先することも許される状況で、注意義務を怠ったとはいえない」と判断した。
事務組合管轄の益田広域消防本部、村上雅春消防長は「判決文を精査し、対応を検討したい」と話した。
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