55歳元民放局員逮捕 女性乱暴疑い、3件関与か 大阪府警
大阪市内の近接したマンションで、無施錠の玄関から男が侵入し、女性が乱暴される事件が数年前から相次ぎ、このうち1件に関与したとして、大阪府警が強制性交と住居侵入の疑いで、元民放テレビ局員の無職、岡部順一容疑者(55)を逮捕していたことが15日、捜査関係者への取材で分かった。9月13日に逮捕され、すでに強制性交罪などで起訴された。大筋で容疑を認めているという。
●自宅から数百メートル圏内で犯行?
起訴状によると、岡部被告は7月中旬の未明から早朝にかけて、大阪市内のマンション6階の一室に無施錠の玄関から侵入。住人の当時20代女性に対し「静かにしていたら何もしない」などと言い、タオルで目隠しして両手を縛ったうえ、女性に性的暴行を加えたとされる。府警はこの事件の発生後に、女性を縛るために使われたとみられる布のようなものが、岡部被告宅のごみ集積場に捨てられていたのも確認している。
逮捕容疑となった現場マンションでは、別の部屋でも女性が乱暴されそうになった強姦(ごうかん)未遂事件が起きているほか、近隣マンションでも女性の被害が確認されており、いずれも岡部被告の自宅から数百メートル圏内の場所に位置していた。
この3件の事件は、いずれも鍵がかかっていない玄関から侵入し、就寝中の女性を襲っている点が共通しているという。府警は手口の特徴や防犯カメラ映像の分析から、岡部被告が一連の事件に関与した疑いが強いとみて捜査している。
岡部被告は平成16年、女性に性的暴行を加えたとする強姦などの罪で懲役10年の実刑判決を受けた。その後服役し、24年に出所していた。
●壁づたいにマンション敷地に侵入し…
大阪市内の近接したエリアで起きた連続女性暴行事件。3件の現場はいずれもオートロック式のマンションだった。
このうち1件で逮捕、起訴された岡部順一被告は、下見を済ませたうえ、壁づたいに敷地内に侵入していた。そして鍵のかかっていない部屋を見つけ、犯行に及んだとみられる。
起訴事件を含めた3件のマンションは、いずれも単身女性が多く入居しているようなタイプの間取りだったという。
どの現場も犯行後に室内が清掃されるなどしたとみられ、遺留物からは岡部被告のDNA型は検出されなかったという。府警はいずれも岡部被告が関与したとみており、防犯カメラ映像を分析し裏付けを急ぐ。
壁をつたうといった今回のような手口のほかにも、オートロックを無効化する手段はある。
大阪府警と連携して防犯設備の普及・促進を図るNPO法人「大阪府防犯設備士協会」によると、住人の後ろに続いてオートロックの扉をすり抜ける「伴連(ともづ)れ」と呼ばれる手口も目立つという。担当者は「オートロックの過信は禁物だ」と指摘した。
産経 2017.10.16 05:15
http://www.sankei.com/west/news/171016/wst1710160010-n1.html