ICANが語った被爆者への感謝 平和賞は世界動かすか
2017年10月7日08時13分
http://www.asahi.com/articles/ASKB6023FKB5PITB01C.html
広島と長崎への原爆投下から72年たった今年、核兵器を人道的な側面から否定する核兵器禁止条約を人類は手にした。まだ発効を待つ段階であっても、核への意識を変えていくだろう。
その原動力となった国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長は9月、国連での条約署名式で、広島・長崎の被爆者にこう言及した。
「あなた方が与えてくれた証言に、取り組みに、そして条約実現へのあらゆる貢献に、感謝します」
ICANの受賞決定の原点には「悲劇を繰り返してはならない」と声を上げ続けた被爆者たちがいる。これは被爆者たちへの授賞といっても過言ではない。「ヒロシマ、ナガサキ」と聞き、人類は核使用を踏みとどまってきたともいえる。
21世紀初頭のインドとパキスタンの核危機をめぐって、米軍制服組トップを務めたコリン・パウエル元国務長官が4年前、朝日新聞にこんなエピソードを明かした。「1945年8月の後、初めてこんな兵器を使う国になるのか」「もう一度、広島・長崎の写真を見てはどうか」。元長官が両国首脳にかけたこの言葉が危機を救ったという。
国際司法裁判所の裁判長として…
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