マイナンバー制度導入をめぐる汚職事件で、厚生労働省は22日、収賄罪で起訴された情報政策担当参事官室(情参室)の室長補佐、
中安一幸被告(46)を懲戒免職処分とした。
また、贈賄側のIT関連会社から金銭の貸し付けを受けていたとして、同じ情参室の元室長補佐(56)も懲戒免職とした。
厚労省は同日、収賄事件に関し、情参室職員ら約160人を対象とした検証結果を公表。
元室長補佐は平成26年6月〜27年4月、同社から毎月約20万円ずつ、計230万円を現金で受け取っていたほか、
同社に対する飲食費のつけ回しも最大約30万円あった。元室長補佐は調査に「帰省の金を貸してくれたのが端緒だった。
27年6月に返却した」と話しているという。
元室長補佐は入札時に業者を審査する「評価委員」を務めていたほか、昨年4月の契約に関し、入札公示前に仕様書のたたき台を同社側に作成させていた。
だが厚労省は、同社が作成した仕様書と、実際の仕様書が異なることなどから「便宜供与は確認されていない」としている。
大阪府富田林市役所の内部ネットワークに他の職員のIDでアクセスしたとして、大阪府警サイバー犯罪対策課は8日、
不正アクセス禁止法違反の疑いで、同市こども未来室の副主任、井坂行作(こうさく)容疑者(60)
=同府河南町大ケ塚=を逮捕した。
「個人的に興味がある資料を見たくて5年ぐらい前からやっていた」と容疑を認めている。
同課によると、井坂容疑者は少なくとも平成27年7月から2年間、人事課など複数の部署の職員IDを無断で使い、
内部ネットワークに約430回にわたりアクセス。職員の人事異動や懲戒処分の情報をコピーし、自宅で閲覧していた。
逮捕容疑は、7月19日と24日、同市役所内で2回にわたり、人事課職員のログインIDとパスワードを使い、内部ネットワークにアクセしたとしている。
IDは職員番号、パスワードはIDに複数の数字を合わせたもので、井坂容疑者は「付け足す数字は推測して入力した」と供述しているという。
多田利喜市長は「事実確認して厳正に対処するとともに、情報管理の徹底を図りたい」とコメントした。
http://www.sankei.com/west/news/170808/wst1708080072-n1.html 年金情報、占師に渡し現金 容疑の機構元職員を再逮捕へ
2017年7月19日13時08分
http://www.asahi.com/articles/ASK7M3HBZK7MPTIL00F.html 日本年金機構の前身の旧社会保険庁から盗み出した年金加入者の個人情報を元上司のOBに渡す見返りに現金を受け取ったとして、
大阪府警は19日、同府熊取町自由が丘2丁目、同機構淀川年金事務所の元職員葛西康祐(くずにしこうすけ)容疑者(39)
=懲戒解雇、窃盗容疑で逮捕=を加重収賄の疑いで再逮捕する方針を固めた。
一方、元上司は占師をしており、客には個人情報を盗み出された加入者が複数いたという。
捜査関係者によると、葛西容疑者は旧社保庁に勤務していた2009年ごろ、職場のパソコンを使って加入者の氏名や住所などの
個人情報を書面に印刷して大阪市天王寺区上汐(うえしお)3丁目、無職松島功(いさお)容疑者(50)=窃盗容疑で逮捕=に渡し、
見返りとして数回にわたり現金計十数万円を受け取った疑いがある。
松島容疑者の贈賄容疑については公訴時効(3年)が成立しているという。
2人は男女20人分の情報を盗み出したとして先月29日に窃盗容疑で逮捕されたが、府警はさらに個人情報を盗んでいたとして、19日にともに新たな窃盗容疑でも再逮捕する方針。
同機構によると、松島容疑者は07年に旧社保庁を退職。在職中は葛西容疑者と同じ大阪市内の事務所で約2年間勤務していた。
捜査関係者によると、松島容疑者は退職後に「岩城延周」の名前で占師をしており、客には情報を盗み出された加入者が複数いたという。松島容疑者はほかにも行政書士や探偵業をしていた。府警は盗まれた個人情報が悪用されていたとみて調べている。