「」FNNは、ヒアリの取材を続ける中で、これまで日本では確認されていなかったアリを発見するに至りました。そのアリの驚くべき生態を取材しました。
「見たことのないアリがいる」との情報提供を受け、向かったのは愛知・名古屋港。
7月31日、情報提供者の高校教師・小川尚文さんと合流したその直後、驚くほどの速さで、目まぐるしく動くこのアリは...。
アリ研究家・寺山 守博士は「日本に生息していないアリ」、「侵略的外来アリの1つ。オーストラリアで『ブラウジングアント(Browsing ant)』と呼ばれる種」と話した。
寺山博士の鑑定によると、このアリは、海外で「Browsing ant(かじりアリ)」と呼ばれる危険なアリ。
オーストラリアでは、ヒアリなどと並び、侵略を懸念すべき7大アリに指定されていて、日本で発見されたとすれば、初めてのことになる。
正式な和名すらなく、体長は2mmほどと極めて小さい、ブラウジングアント。
しかし、驚くべき凶暴さを持っていた。
日本の在来種、クロヤマアリを取り囲み、生け捕りにした。
次々に巣の中へ引きずり込んでいく。
寺山博士は「別名『アリクイアリ』なんていう」と話した。
「アリクイアリ」との異名を持つ、ブラウジングアント。
しかし、襲うのはアリだけではない。
驚くほどのスピードで運ばれていたのは、コオロギの幼虫。
さらに、大きなクサカゲロウも...。
数百匹のブラウジングアントに取り囲まれ、あっという間に巣の中へ運ばれた。
このスピード、あくまで撮影したままのもので、決して早回ししているわけではない。
寺山博士は「普通の日本のアリと生態が全然違う。これはもう、完全なる侵略的な、生態系をかく乱する侵略性の高いアリと判断せざるを得ない」と話した。
ハチやバッタなど、さまざまな昆虫を次々に生け捕りにする、おそるべき侵略者、ブラウジングアント。
その最大の武器が、スピード。
日本の在来種、アミメアリと比べると、ブラウジングアントの動きがいかに速いかがわかる。
顕微鏡カメラで見てみると、驚異のスピードの秘密が明らかになった。
寺山博士は「これだけ長い足を持つアリは、ほかに1〜2種いるかどうか。長い足ですごいスピードで走る。100メートル走で絶対優勝間違いなし」と話した。
さらに、もう1つのおそるべき特徴が、繁殖力の高さ。
寺山博士は「全域がブラウジングアントの巣になっていて、300から350メートルある。数千万の桁で働きアリがいる可能性がある」と話した。
名古屋港のブロック塀で囲われた区画の一面全てが、ブラウジングアントの巣に。
すでに、この塀の裏300メートル以上にわたり、巨大なコロニーを築いていた。
そこで寺山博士が発見したのが、女王アリ。
働きアリに交ざり、新たな巣作りのために外に出てきた女王アリ。
周囲では、ほかにも羽をつけたオスのアリや、さなぎの繭を運ぶ、働きアリの姿も確認できた。
今もなお、巣を巨大化させ続けている。
名古屋港でのブラウジングアントの生息状況について、寺山博士は「侵入して2〜4年くらい。完全定着ですね。このアリに関しては、『最高レベルの警戒水準』だと思います。ヒアリ、ひょっとしたら、アルゼンチンアリ以上の破壊力を持っている可能性がある」と話した。
ヒアリのような毒はなく、直接、人を刺すなどの危害は加えないが、生態系に甚大な被害をもたらすブラウジングアント。
取材班は、寺山博士の協力のもと、複数のアリ研究の権威に標本を送り、鑑定を依頼したところ、「確かに、日本には生息していないアリだ」との回答が得られた。
南ヨーロッパ原産のブラウジングアントは、近年、急速に生息域を拡大。
しかし、先進国で生息が確認されているのは、オーストラリアなどにとどまっているため、研究が進んでおらず、今なお謎が多いアリ。
寺山博士は、環境省に情報を提供し、ブラウジングアントの生息域が拡大しないよう、態勢作りを求めた。
環境省は4日、FNNの取材に対し、「まず、アリの情報を集め、仮に危険があることがわかれば、特定外来生物に指定することを検討する」とコメント。
今後、調査や駆除を行うことも検討していくとしている。
このアリは、まだ日本で見つかっていなかったということで、和名がついていなかったが、寺山博士が4日、「ハヤトゲフシアリ」と命名した。
▼動画はソースでご覧下さい
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20170804-00000358-fnn-soci
「見たことのないアリがいる」との情報提供を受け、向かったのは愛知・名古屋港。
7月31日、情報提供者の高校教師・小川尚文さんと合流したその直後、驚くほどの速さで、目まぐるしく動くこのアリは...。
アリ研究家・寺山 守博士は「日本に生息していないアリ」、「侵略的外来アリの1つ。オーストラリアで『ブラウジングアント(Browsing ant)』と呼ばれる種」と話した。
寺山博士の鑑定によると、このアリは、海外で「Browsing ant(かじりアリ)」と呼ばれる危険なアリ。
オーストラリアでは、ヒアリなどと並び、侵略を懸念すべき7大アリに指定されていて、日本で発見されたとすれば、初めてのことになる。
正式な和名すらなく、体長は2mmほどと極めて小さい、ブラウジングアント。
しかし、驚くべき凶暴さを持っていた。
日本の在来種、クロヤマアリを取り囲み、生け捕りにした。
次々に巣の中へ引きずり込んでいく。
寺山博士は「別名『アリクイアリ』なんていう」と話した。
「アリクイアリ」との異名を持つ、ブラウジングアント。
しかし、襲うのはアリだけではない。
驚くほどのスピードで運ばれていたのは、コオロギの幼虫。
さらに、大きなクサカゲロウも...。
数百匹のブラウジングアントに取り囲まれ、あっという間に巣の中へ運ばれた。
このスピード、あくまで撮影したままのもので、決して早回ししているわけではない。
寺山博士は「普通の日本のアリと生態が全然違う。これはもう、完全なる侵略的な、生態系をかく乱する侵略性の高いアリと判断せざるを得ない」と話した。
ハチやバッタなど、さまざまな昆虫を次々に生け捕りにする、おそるべき侵略者、ブラウジングアント。
その最大の武器が、スピード。
日本の在来種、アミメアリと比べると、ブラウジングアントの動きがいかに速いかがわかる。
顕微鏡カメラで見てみると、驚異のスピードの秘密が明らかになった。
寺山博士は「これだけ長い足を持つアリは、ほかに1〜2種いるかどうか。長い足ですごいスピードで走る。100メートル走で絶対優勝間違いなし」と話した。
さらに、もう1つのおそるべき特徴が、繁殖力の高さ。
寺山博士は「全域がブラウジングアントの巣になっていて、300から350メートルある。数千万の桁で働きアリがいる可能性がある」と話した。
名古屋港のブロック塀で囲われた区画の一面全てが、ブラウジングアントの巣に。
すでに、この塀の裏300メートル以上にわたり、巨大なコロニーを築いていた。
そこで寺山博士が発見したのが、女王アリ。
働きアリに交ざり、新たな巣作りのために外に出てきた女王アリ。
周囲では、ほかにも羽をつけたオスのアリや、さなぎの繭を運ぶ、働きアリの姿も確認できた。
今もなお、巣を巨大化させ続けている。
名古屋港でのブラウジングアントの生息状況について、寺山博士は「侵入して2〜4年くらい。完全定着ですね。このアリに関しては、『最高レベルの警戒水準』だと思います。ヒアリ、ひょっとしたら、アルゼンチンアリ以上の破壊力を持っている可能性がある」と話した。
ヒアリのような毒はなく、直接、人を刺すなどの危害は加えないが、生態系に甚大な被害をもたらすブラウジングアント。
取材班は、寺山博士の協力のもと、複数のアリ研究の権威に標本を送り、鑑定を依頼したところ、「確かに、日本には生息していないアリだ」との回答が得られた。
南ヨーロッパ原産のブラウジングアントは、近年、急速に生息域を拡大。
しかし、先進国で生息が確認されているのは、オーストラリアなどにとどまっているため、研究が進んでおらず、今なお謎が多いアリ。
寺山博士は、環境省に情報を提供し、ブラウジングアントの生息域が拡大しないよう、態勢作りを求めた。
環境省は4日、FNNの取材に対し、「まず、アリの情報を集め、仮に危険があることがわかれば、特定外来生物に指定することを検討する」とコメント。
今後、調査や駆除を行うことも検討していくとしている。
このアリは、まだ日本で見つかっていなかったということで、和名がついていなかったが、寺山博士が4日、「ハヤトゲフシアリ」と命名した。
▼動画はソースでご覧下さい
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20170804-00000358-fnn-soci