http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS11H2X_R10C17A7EE8000/
2017/7/11 20:47
2016年度の地方税収は前年度比0.1兆円減の40.3兆円になる見通しだ。前年度を下回るのは7年ぶり。国と地方の租税総額も97.5兆円程度と、7年ぶりに減少する。国、地方ともに税収が伸び悩む中、地方交付税や、自治体が積み上げている基金を巡り、財務省と地方の駆け引きが激しくなりそうだ。
地方税収で落ち込みが激しかったのは地方消費税だ。地方消費税は消費税率8%のうち1.7%分を自治体に配分する。年度前半の円高で、輸入品にかかる消費税が円換算で減少。0.3兆円減の4.7兆円にとどまった。
法人事業税と法人住民税の法人2税は6.3兆円と増加した。一方で法人事業税の一部を国が再配分する地方法人特別譲与税が1.8兆円と0.4兆円減少。地方税収全体では減収幅が国税より小さかったため、租税総額に占める地方税の割合は0.5%上昇して39.5%となる見通しだ。
税収が減るのは国も地方も同じ構図だ。財務省が発表した16年度の国の税収は0.8兆円減の55.5兆円。リーマン・ショック以降の景気回復で税収は増えてきたが、7年ぶりに国税・地方税とも前年度を下回った。
総務省は17年度の税収を41.1兆円と見込むが、税収が思うように伸びなければ剰余金の減少や歳入減を補うために基金の取り崩しが必要になる可能性がある。
交付税を巡る対立が強まる見通しだ。交付税は国税の一定割合を配分するが、原資となる国税も伸びが鈍化。16年度の国税の減少分を交付税に換算すると約2200億円となり「財務省との折衝前から2200億円のマイナスとして考えないといけない」(総務省)という。財務省は自治体が21兆円の基金をため込んでいると指摘する。
2017/7/11 20:47
2016年度の地方税収は前年度比0.1兆円減の40.3兆円になる見通しだ。前年度を下回るのは7年ぶり。国と地方の租税総額も97.5兆円程度と、7年ぶりに減少する。国、地方ともに税収が伸び悩む中、地方交付税や、自治体が積み上げている基金を巡り、財務省と地方の駆け引きが激しくなりそうだ。
地方税収で落ち込みが激しかったのは地方消費税だ。地方消費税は消費税率8%のうち1.7%分を自治体に配分する。年度前半の円高で、輸入品にかかる消費税が円換算で減少。0.3兆円減の4.7兆円にとどまった。
法人事業税と法人住民税の法人2税は6.3兆円と増加した。一方で法人事業税の一部を国が再配分する地方法人特別譲与税が1.8兆円と0.4兆円減少。地方税収全体では減収幅が国税より小さかったため、租税総額に占める地方税の割合は0.5%上昇して39.5%となる見通しだ。
税収が減るのは国も地方も同じ構図だ。財務省が発表した16年度の国の税収は0.8兆円減の55.5兆円。リーマン・ショック以降の景気回復で税収は増えてきたが、7年ぶりに国税・地方税とも前年度を下回った。
総務省は17年度の税収を41.1兆円と見込むが、税収が思うように伸びなければ剰余金の減少や歳入減を補うために基金の取り崩しが必要になる可能性がある。
交付税を巡る対立が強まる見通しだ。交付税は国税の一定割合を配分するが、原資となる国税も伸びが鈍化。16年度の国税の減少分を交付税に換算すると約2200億円となり「財務省との折衝前から2200億円のマイナスとして考えないといけない」(総務省)という。財務省は自治体が21兆円の基金をため込んでいると指摘する。