https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170504-00000105-mai-soci
奈良市で保護対象となっている国の天然記念物「奈良のシカ」について、
農作物被害対策として初めての捕獲が今夏にも始まる。奈良県が文化庁に
捕獲のための現状変更許可を先月申請し、認められる見通しとなった。
県は、市中心部では従来通り保護を続ける一方、郊外では頭数管理を進め、
人とシカの共生を図る。
「奈良のシカ」は古くから春日大社の「神鹿(しんろく)」として保護され、
1957年に旧奈良市一円を保護エリアとして国の天然記念物に指定された。
県によると、奈良公園には現在、約1200頭が生息し、観光客らに人気だが、
食害も問題となってきた。
1979年には、被害に悩む奈良公園周辺の農家が春日大社などを相手取って
損害賠償請求訴訟を起こし(81年に別地域の住民も提訴)、85年に和解が成立。
農家が申請すれば市中心部以外での捕獲が可能に。これまで申請された例は
ないが、県が2009〜13年度に市内で農業や林業への被害を調べたところ、
市東部を中心に7割超が「被害が増えた」と回答。元々、捕獲が可能な旧都祁
(つげ)村と旧月ケ瀬村では、奈良市が2016年度に57頭を駆除している。
県は昨年3月、シカを保護、管理する四つのエリアを約30年ぶりに見直した。
春日大社境内など3平方キロを生息地として重点的に保護する「重点保護地区」に、
その東側の春日山原始林など7平方キロを「準重点保護地区」に指定。
これらを囲む形で、市郊外との間に保護管理地区(18平方キロ)を設け、
それら以外の一部の地域で鳥獣管理計画に基づき捕獲する。
県の計画では今年7月から始める意向で、11月まで数十頭程度を捕獲する見通し。
21年度まで毎年捕獲する。捕えたシカは調査などに充てる。
県は「農作物への被害にきちんと対処する体制を整えたい」としている。
奈良市で保護対象となっている国の天然記念物「奈良のシカ」について、
農作物被害対策として初めての捕獲が今夏にも始まる。奈良県が文化庁に
捕獲のための現状変更許可を先月申請し、認められる見通しとなった。
県は、市中心部では従来通り保護を続ける一方、郊外では頭数管理を進め、
人とシカの共生を図る。
「奈良のシカ」は古くから春日大社の「神鹿(しんろく)」として保護され、
1957年に旧奈良市一円を保護エリアとして国の天然記念物に指定された。
県によると、奈良公園には現在、約1200頭が生息し、観光客らに人気だが、
食害も問題となってきた。
1979年には、被害に悩む奈良公園周辺の農家が春日大社などを相手取って
損害賠償請求訴訟を起こし(81年に別地域の住民も提訴)、85年に和解が成立。
農家が申請すれば市中心部以外での捕獲が可能に。これまで申請された例は
ないが、県が2009〜13年度に市内で農業や林業への被害を調べたところ、
市東部を中心に7割超が「被害が増えた」と回答。元々、捕獲が可能な旧都祁
(つげ)村と旧月ケ瀬村では、奈良市が2016年度に57頭を駆除している。
県は昨年3月、シカを保護、管理する四つのエリアを約30年ぶりに見直した。
春日大社境内など3平方キロを生息地として重点的に保護する「重点保護地区」に、
その東側の春日山原始林など7平方キロを「準重点保護地区」に指定。
これらを囲む形で、市郊外との間に保護管理地区(18平方キロ)を設け、
それら以外の一部の地域で鳥獣管理計画に基づき捕獲する。
県の計画では今年7月から始める意向で、11月まで数十頭程度を捕獲する見通し。
21年度まで毎年捕獲する。捕えたシカは調査などに充てる。
県は「農作物への被害にきちんと対処する体制を整えたい」としている。