ー前略ー
・「戦後」の長さ
ー中略ー
大日本帝国の時代には、日清戦争もあれば、日露戦争もあり、さらには二度の世界大戦まで経験しました。
そして、第二次大戦より前の戦争については、それぞれしっかりとけじめをつけています。
それを思うと、戦後の日本はいつまで80年前に終わった戦争を引きずっているのか。
「この期に及んでまだ戦後の談話を出すのですか?」という感じですね。
山上信吾(以下、山上):その視点は非常に大事です。確かに日本は大東亜戦争に負けて敗戦国になりました。
しかし、戦後の歴史をよく見ると、日本はある意味で戦勝国でもあります。戦後の日本が何に勝利したのかというと、
西側諸国の一員として冷戦の勝者になりました。その後も、負けるような戦争には一切関わっていません。
山上:こうした展望に立てば、いい加減その時計の針を1945年で止めておくのではなく、もっと先に進める必要があります。そして、
「今そこにある危機」に対応する心構えにギアチェンジすべきです。いつまでも過去に縛られ、歴史問題でああでもないこうでもないと
騒いで振り回されている場合ではありません。
私が思うに、歴史問題に関連して世界では今、大きなパラダイムシフトが起こりつつあります。
2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を機に、グローバル化を標榜していた冷戦後の曖昧な時代は終わりを告げました。
思い返せば、冷戦終了後、冷戦の敗者たる共産主義陣営のロシアや中国のWTO加盟や、G7にロシアを加えてG8に拡大するなど、自由主義陣営
(西側諸国)は法の支配に基づく国際秩序に中国・ロシアを取り込もうと努力を重ねてきましたが、結局のところ、ロシアも中国も、
自由と民主主義という基本的価値を共有することはなく、力と脅迫によって現状を一方的に変更しようとしています。
それどころか、ウクライナ侵略や東シナ海・南シナ海での攻撃的な姿勢に顕著に表れているように、
第二次大戦後の国際社会の基本原則とルールを無視する行動が明らかになってきました。
このような状況下で、今もなお大東亜戦争にまつわる歴史問題で日本を激しく攻撃しているのが、
北朝鮮の強い影響下にある韓国の左派を除くと、中国・ロシア・北朝鮮という強権的な権威主義国家・独裁国家です。
この事実が意味するところは何か。
山上:まさに80年前の戦争で何が起きたかよりも、今目の前にある喫緊の課題・脅威にいかに対応すべきかが問われているのです。
もちろん過去を振り返って、どこで戦略的な間違いを犯したか反省することは大切ですが、現実を見れば、さらに大きな問題が
もう目の前に迫っています。今の日本には、後ろだけを振り返っている余裕などないですよね。しっかりと前を見ないといけません。
山岡:山上先生がおっしゃっている、後ろを振り返ってばかりいないで、前を向いて今ある問題に対処すべきだという姿勢こそが、
まさに「戦後レジームからの脱却」の意味だと思います。
・「12歳の少年」と馬鹿にされた日本人
山岡:日本の敗戦に関して言うと、原爆や空襲で本土を焼け野原にされたという物理的な敗北もさることながら、精神的な敗北も非常に
大きいものでした。それを象徴するエピソードとして、大真面目に「マッカーサー神社」を建てようとしていたという話があります。
ー中略ー
山岡:マッカーサー神社を計画していた日本人たちは、GHQの許可を取って、場所まで決めていたそうですが(三宅坂の参謀本部跡)、
そうこうしているうちにマッカーサーがトルーマン大統領に罷免されて、朝鮮戦争中にアメリカに帰国することになりました。
帰国後、マッカーサーはアメリカ議会で演説し、そこで有名な「日本人は12歳」発言をします。
ー後略ー
山上 信吾、山岡 鉄秀
全文はソースから
12/14(土) 7:09配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/649738be301ff0ad691b9588891767ff32312e22