【シリコンバレー=渡辺直樹】米半導体製造装置のアプライドマテリアルズが、自社の企業秘密が不正に持ち出されたとして、
中国系の企業とアプライドの元社員を提訴していたことが明らかになった。
米国が半導体の対中輸出規制を強める中、半導体業界は技術流出に目を光らせている。
米カリフォルニア州フリーモントに本社がある半導体製造装置のマットソン・テクノロジーと
同社に移籍したアプライドの元社員に対して訴訟を起こした。マットソンは中国企業の子会社になっている。
アプライドが2022年3月にカリフォルニア州の上級裁判所に提出した訴状によると、マットソンはアプライドで働いていた社員17人を引き抜いた。
その中には半導体の製造プロセスに関する機密情報に通じていた技術者も含まれていたという。
企業秘密を持ち出した具体的な証拠が得られたとしている。
アプライドは「自社の知的財産を守るために法的措置を取っている。係争中の法的措置についてコメントすることはできない」と述べた。
マットソンは15日、「アプライドが提出した訴状に申し立てを裏付ける証拠は含まれていなかった」とコメントを発表した。
「知的財産を取得するために、退職した従業員を雇ったという非難には根拠がなく、メリットもない」と反論している。
2023年6月16日 11:08
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN15E1Q0V10C23A6000000/
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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-15/RWA9YAT0G1KW01