0001仮面ウニダー ★
2023/02/12(日) 07:00:53.40ID:+Eqe2w5D現代人は、大気汚染が健康被害をもたらすことを知っている。外気だけではなくて室内の空気が汚染されていても、病気の原因になる場合がある。いずれにせよ、「どのような場所でも空気はできるだけ清浄に」は現代人とって常識だ。しかし中国では2000年以上に前から、室内の空気の汚濁を防止する照明器具が使われていたという。河北博物院学術研究部研究館の范徳偉研究員はこのほど、中国メディアの中国新聞社の取材に応じて、自らも研究に携わる河北省の満城漢墓で出土した照明器具などを例に、当時の状況を紹介した。以下は范研究院の言葉に若干の説明内容を追加するなどで再構成したものだ。
審美の基準が大きく変化、室内の空気の汚染防止にも知恵
この長信宮灯と呼ばれる照明器具は、今から2000年以上前の前漢(紀元前202年-紀元8年)の初期に作られたものだ。中山靖王だった劉勝(紀元前159年ごろ-同113年)の墓である河北省保定市満城県の満城漢墓で出土した。劉勝の妻を埋葬した際の副葬品と考えられている。本体に「長信」という文字が刻まれているために「長信宮灯」と呼ばれるようになった。
素材は青銅で、金メッキが施されている。全体の形は若い宮女がひざまずいて、燈明の容器を掲げている様子を示している。それまでの青銅製の器具の形態は神秘的で重厚だったが、長信宮灯は一転して軽やかで華やかな作風だ。優美であり同時に素朴でもあり、美術品としての価値も極めて高い。
この照明器具の高さは48センチだ。当時の中国人は、椅子に座る現代中国人とは違い、床の上に座り、その高さに合わせた低い机を用いていた。この照明器具は当時の机の上に置けば、明かりを得るのにちょうどよい高さになる。また、火を灯す部分が円筒形の筒の中にあり、その扉を開閉することで明るさを調整することもできる。この照明器具の製作水準は、漢代の照明器具の中で最高だ。
最大の特徴は、ランプ部分にカバーと、それにつながる煙導管が取り付けれていることだ。煙は宮女の体をした容器の内部に導かれ、すすとなってこびりつく。しかし全体を簡単に分解することができるので、掃除は容易だ。そして、煙が煤(すす)となって容器の内部にこびりついた分だけ、部屋の空気の汚染は減少することになる。
ダ・ビンチの同様のアイデア品より千数百年も先行
当時はロウソクがまだ発明されておらず、動植物性の油を皿に入れ、芯を浸して火をつけていた。そのため、明かりを得ようとすれば多くの煙が出た。この照明器具は、煙による室内の空気の汚染を軽減することを意識し、それを実現したものだ。2000年以上も前の照明器具であることを考えれば、発想もその仕組みも実に先進的た。
西洋では15世紀になり、レオナルド・ダ・ビンチが同様の考え方による、煙を誘導して室内の空気汚染を軽減する照明器具を発明した。中国の長信宮灯はダ・ビンチの発明に千数百年も先行していた。
米国のキッシンジャー元国務長官は河北博物館を訪れて長信宮灯を見た際に、なかばジョーク風ではあったが「中国人は大したものだ。2000年以上前に、環境保護意識を持っていた」と、この長信宮灯を絶賛した。
以下ソースから
中国新聞社 2023年2月11日(土) 23時0分
https://www.recordchina.co.jp/b908796-s41-c30-d0198.html