北朝鮮のキム・ヨジョン(金与正)労働党中央委員会副部長がウクライナ戦争に関する談話を発表した。この談話には、ウクライナ戦争が朝鮮半島の情勢に及ぼす影響などを考慮する内容が含まれているとの分析が出た。
統一研究院のホン・ミン北朝鮮研究室長は28日、金副部長の談話について、「北朝鮮の立場からウクライナ戦争を眺める憂慮と、戦略的な悩みが盛り込まれている」と評価した。
ホン室長は「ウクライナ戦争の情勢変化に神経をとがらせていることを示している。米国対ロシア戦争の構図、戦術核使用の可能性などは朝鮮半島と北朝鮮に大きな影響を及ぼす可能性がある」と分析した。
続いて「米国のロシアに対する圧迫と力の除去が成功すれば、ロシアが核を保有しているにもかかわらず、通常の戦争によって情勢が決まる可能性もある。そうなれば、北朝鮮の核戦略に対する考えにも変化が必要になるだろう。ウクライナ戦争の戦況が急変すれば、北東アジアと朝鮮半島の緊張が広がる可能性もある」と明らかにした。
非核保有国であるウクライナ、核保有国である米国とロシアの対決構図は朝鮮半島の状況と似ている。非核保有国である韓国と核保有国の米国、そして核保有国だと主張する北朝鮮の状況に適用するなら、朝鮮半島での戦争をシミュレーションできる。それだけに、北朝鮮の立場から自国の国益のために、どのように選択すべきか、憂慮と戦略的な悩みがあるとの主張だ。
ホン室長は、北朝鮮の対米・対南部門を総括する金氏が、ウクライナ戦争問題と関連して異例に前面に出たことについても、「ウクライナ戦争の変化を深刻に認識しているだけでなく、北朝鮮の対外政策と対米・対南など朝鮮半島情勢と密接に関連する可能性があるという判断が介入した」と評価した。
また「北朝鮮が米本土に対して、実際に核の脅威を与える戦略国家を強調。世界および地域情勢の平和と安全に対する責任を持つ国家を強調することで、存在感を表わすためのもの」と付け加えた。
さらに、北朝鮮が事実上、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の意中が盛り込まれた金氏の談話を通じて、ロシア支持の立場を公式化した。それだけに、今後ロシアに対する軍事支援を公式化したり、露骨化したりするだろうという分析も出ている。
これと関連し、慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は、「米国は北朝鮮がウクライナ戦争に参加するロシア民間軍事企業に兵器を渡す情況が盛り込まれた衛星写真を公開した。北朝鮮がこれまで疑惑を中傷だと否定してきたが、衛星写真の公開後、沈黙している」と指摘した。
続けて「金与正が米国の兵器販売事実公開に対しては反論せず、米国のウクライナ兵器支援を批判し、ロシア軍と軍事的連帯意志を明らかにした点に注目する必要がある。結局、兵器販売の正当性を強調し、今後もロシアに対する兵器支援を継続するという意図を明らかにしたもの」と評価した。
これに先立ち、米ホワイトハウスは20日(現地時間)、ロシアと北朝鮮で撮影された2枚の衛星写真を公開。北朝鮮がロシア民間軍事企業「ワグネル・グループ」に兵器を提供したとし、北朝鮮の兵器移転は国連安全保障理事会決議違反だと圧迫している。
一方、金氏は朝鮮中央通信を通じて公開した談話で、バイデン米大統領が25日(現地時間)、ウクライナにM1エイブラムス戦車31台の支援構想を明らかにしたことについて、それを口実に米国を糾弾し、ロシア支持の立場を公式化した。
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2023/01/29 07:27配信 Copyright(C) herald wowkorea.jp 104
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