台湾に対する中国からの統一圧力は日増しに高まっている=AP
【台北=中村裕】台湾の民間大手シンクタンク、台湾民意基金会は1日、中国共産党に対する最新の世論調査結果を公表した。共産党に対して、肯定的な感情を持つ台湾人は10%にとどまり、否定的な感情を持つ人は47%に上った。同基金会は「台湾人の共産党への感情は氷点下に近い」と指摘した。
世論調査は、7月1日の中国共産党創立100年に合わせ、6月15日〜19日の5日間、台湾在住の20歳以上の成人を対象に行った。共産党への感情として「どちらとも言えない」とした人は32%、「無関心・分からない」とした人は11%だった。
調査は、共産党に対する感情を0〜100の温度で表して答えるものとした。最も強い嫌悪感を感じる場合は0とし、どんな感情も抱かないが50、強い好感を抱く場合は100とした。1072人から回答を得た結果、台湾人の中国共産党に対する平均温度は32.2度だった。
中国共産党の習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は1日午前、党創立100年の記念式典で「台湾問題を解決し、祖国の完全統一を実現することは共産党の歴史的任務だ」と述べた。「台湾独立のたくらみを断固として粉砕しなくてはいけない」とも語った。
中国は、中国大陸と台湾は一つの国に属するという「一つの中国」を唱え続け、台湾を核心的利益に位置づけている。
日本経済新聞 2021年7月1日 14:40
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM012TR0R00C21A7000000/