新型コロナウイルスの感染拡大により、米国の病院でベッドや人工呼吸器、マスクなどが不足する可能性が出ており、
患者を選別して治療を行う必要性が今後出てくるのではないかと医師らは危惧している。
ハーバード公衆衛生大学院の外科医で助教授のトーマス・ツァイ氏は、パニック買いやトイレットペーパー不足による不安が広がっていることを指摘し、
「病院から防護服や人工呼吸器が無くなり、同じようなパニックが生じたらと想像してほしい。
自分が心に描いているイメージはそれだ」と懸念を示した。
米国内ではこれまでに新型コロナウイルスの感染者4200人、死者73人が確認されているが、
感染者数・死者数ともにピークから程遠いことは明白だ。
しかし経済協力開発機構(OECD)によると、世界の経済をリードする米国の病院ベッド数はわずか100万床で、
これは人口1000人に対し2.8床の割合にすぎない。
この割合は感染流行によって深刻な影響を受けている韓国(12.3床)、中国(4.3床)、イタリア(3.2床)に比べ、はるかに少ない。
また米国病院協会によると、集中治療室(ICU)のベッド数は10万床に満たず、すでにほとんどが空いていないという。
米保健省は、感染者のおよそ5%に病院での集中治療が必要になるとして、
ICUのベッド数は感染状況が穏やかな場合で少なくとも20万床、深刻な場合であれば最大290万床が必要になると推測している。
また重症患者は人工呼吸器を必要とする場合が多いが、米国の病院には16万台ほどしかなく、こちらも全く足りていない。
米メディアの報道によると、ドナルド・トランプ大統領は16日、新型コロナウイルス対策をめぐって州知事らに対し、
連邦政府を頼らず、各自で医療機器を買いそろえるよう要請した。
このような状況から、医療従事者の中には今後恐ろしい決断を下さざるを得なくなると不安になっている人たちもいる。
ジョンズ・ホプキンス大学のバーマン生命倫理学研究所で副所長を務めるナンシー・カス氏は、医療従事者がベッドや人工呼吸器を割り振る決断に迫られた場合、
医師らを一人でそのような恐ろしい選択に直面させないよう、事前にガイドラインを作成するよう当局に呼び掛けている。
また、軍の活用を検討している者もいる。アンドルー・クオモニューヨーク州知事はトランプ氏に宛てた公開書簡で、
「素早く対処しなければ、すぐにでも医療システムが崩壊するのは確実だ」と指摘。
さらに「われわれが期待していることは、陸軍工兵隊を活用して軍事基地や大学の寮といった既存の施設を改装し、
一時的な医療センターとして機能させることだ。そうすれば今ある病院のベッドを重症患者に割り当てることができる」と主張している。
https://www.afpbb.com/articles/-/3273860
患者を選別して治療を行う必要性が今後出てくるのではないかと医師らは危惧している。
ハーバード公衆衛生大学院の外科医で助教授のトーマス・ツァイ氏は、パニック買いやトイレットペーパー不足による不安が広がっていることを指摘し、
「病院から防護服や人工呼吸器が無くなり、同じようなパニックが生じたらと想像してほしい。
自分が心に描いているイメージはそれだ」と懸念を示した。
米国内ではこれまでに新型コロナウイルスの感染者4200人、死者73人が確認されているが、
感染者数・死者数ともにピークから程遠いことは明白だ。
しかし経済協力開発機構(OECD)によると、世界の経済をリードする米国の病院ベッド数はわずか100万床で、
これは人口1000人に対し2.8床の割合にすぎない。
この割合は感染流行によって深刻な影響を受けている韓国(12.3床)、中国(4.3床)、イタリア(3.2床)に比べ、はるかに少ない。
また米国病院協会によると、集中治療室(ICU)のベッド数は10万床に満たず、すでにほとんどが空いていないという。
米保健省は、感染者のおよそ5%に病院での集中治療が必要になるとして、
ICUのベッド数は感染状況が穏やかな場合で少なくとも20万床、深刻な場合であれば最大290万床が必要になると推測している。
また重症患者は人工呼吸器を必要とする場合が多いが、米国の病院には16万台ほどしかなく、こちらも全く足りていない。
米メディアの報道によると、ドナルド・トランプ大統領は16日、新型コロナウイルス対策をめぐって州知事らに対し、
連邦政府を頼らず、各自で医療機器を買いそろえるよう要請した。
このような状況から、医療従事者の中には今後恐ろしい決断を下さざるを得なくなると不安になっている人たちもいる。
ジョンズ・ホプキンス大学のバーマン生命倫理学研究所で副所長を務めるナンシー・カス氏は、医療従事者がベッドや人工呼吸器を割り振る決断に迫られた場合、
医師らを一人でそのような恐ろしい選択に直面させないよう、事前にガイドラインを作成するよう当局に呼び掛けている。
また、軍の活用を検討している者もいる。アンドルー・クオモニューヨーク州知事はトランプ氏に宛てた公開書簡で、
「素早く対処しなければ、すぐにでも医療システムが崩壊するのは確実だ」と指摘。
さらに「われわれが期待していることは、陸軍工兵隊を活用して軍事基地や大学の寮といった既存の施設を改装し、
一時的な医療センターとして機能させることだ。そうすれば今ある病院のベッドを重症患者に割り当てることができる」と主張している。
https://www.afpbb.com/articles/-/3273860