ロシアが北方領土をめぐり、日本に揺さぶりをかけてきた。メドベージェフ首相が23日、北方領土に経済特区を設置する文書に署名したのだ。日露が交渉中の「北方四島での共同経済活動」と矛盾しかねない。
安倍晋三首相とプーチン大統領は9月上旬、極東のウラジオストクで日露首脳会談を開く予定だが、やはりロシアは簡単に信用してはならない。
経済特区は、ロシアが極東などで進める経済振興策で、税制優遇や行政手続きの簡素化などを通じ、企業進出を促進する制度。特区は色丹島の斜古丹(ロシア名・マロクリリスコエ)に設置されるという。
昨年12月の日露首脳会談での合意を受け、両国は現在、平和条約締結を視野に入れて、双方の法的立場を害さない「特別な制度」の下での北方領土での共同経済活動の実現に向け交渉を進めている。
色丹島は、1956年の日ソ共同宣言で平和条約締結後に日本側に引き渡すとされた島で、今回の措置は日本の領土返還交渉をさらに困難にさせる可能性もある。
外務省幹部は「ただちに日露交渉に影響はしないが、中国や韓国などの第三国の企業が北方領土での事業に参加することがあれば、悪影響は避けられない」と指摘した。
ロシアとしては、プーチン氏とメドベージェフ氏が「外交」と「経済」の役割分担をすることで、日本を揺さぶるとともに、軍などの反対派を押さえ込み、より多くの利益を得ようとしている可能性がある。
日露(日ソ)関係を振り返ると、「日ソ中立条約破棄」や「満州や朝鮮半島、南樺太侵攻」「シベリア抑留」など、ロシアが非道の限りを尽くしてきた歴史が並ぶ。日本も国益を最優先した交渉が不可欠だ。
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170825/soc1708250012-n1.html
ロシアが経済特区を設置するとした色丹島
安倍晋三首相とプーチン大統領は9月上旬、極東のウラジオストクで日露首脳会談を開く予定だが、やはりロシアは簡単に信用してはならない。
経済特区は、ロシアが極東などで進める経済振興策で、税制優遇や行政手続きの簡素化などを通じ、企業進出を促進する制度。特区は色丹島の斜古丹(ロシア名・マロクリリスコエ)に設置されるという。
昨年12月の日露首脳会談での合意を受け、両国は現在、平和条約締結を視野に入れて、双方の法的立場を害さない「特別な制度」の下での北方領土での共同経済活動の実現に向け交渉を進めている。
色丹島は、1956年の日ソ共同宣言で平和条約締結後に日本側に引き渡すとされた島で、今回の措置は日本の領土返還交渉をさらに困難にさせる可能性もある。
外務省幹部は「ただちに日露交渉に影響はしないが、中国や韓国などの第三国の企業が北方領土での事業に参加することがあれば、悪影響は避けられない」と指摘した。
ロシアとしては、プーチン氏とメドベージェフ氏が「外交」と「経済」の役割分担をすることで、日本を揺さぶるとともに、軍などの反対派を押さえ込み、より多くの利益を得ようとしている可能性がある。
日露(日ソ)関係を振り返ると、「日ソ中立条約破棄」や「満州や朝鮮半島、南樺太侵攻」「シベリア抑留」など、ロシアが非道の限りを尽くしてきた歴史が並ぶ。日本も国益を最優先した交渉が不可欠だ。
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170825/soc1708250012-n1.html
ロシアが経済特区を設置するとした色丹島