ドナルド・トランプ米大統領が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を罠にかけようとしている。世界最強の軍事力を見せつける一方、融和的なメッセージを披露するなど、不可解な対応を続けているのだ。
背景に、米朝の水面下接触の可能性が指摘される。北朝鮮に「核・ミサイル開発」を放棄させられるのか。
「正恩氏はわれわれに敬意を払い始めている。多分、何か前向きなことが起きるかもしれない」
トランプ氏は22日、アリゾナ州フェニックスでの演説で、こう語った。
レックス・ティラーソン国務長官も同日の記者会見で、北朝鮮が最近、弾道ミサイル発射をしていないことは「注目に値する」「一定の対話への道筋が見えてきたのかもしれない」と語った。
2人の発言には違和感がある。
米軍と韓国軍は21日から、合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン」を開始した。正恩氏に対する「斬首作戦」や、北朝鮮の「核・ミサイル基地」攻撃も想定した演習だ。
これに対し、北朝鮮の朝鮮人民軍板門店代表部は22日、「正しい選択をせよとの、われわれの警告を無視して危険な軍事挑発を仕掛けてきた以上、無慈悲な報復と懲罰を免れることはできないだろう」という報道官談話を発表し、警告した。
緊張感が続くなか、トランプ氏とティラーソン氏はなぜ、「敬意」「前向き」「対話」などと発言をしたのか。
在京の情報当局者は「米朝の水面下接触の可能性がある」といい、続けた。
「6月ごろから、複数のルートで進められているとの分析がある。米国は『北朝鮮の核・ミサイル放棄』を狙い、北朝鮮は『正恩体制の存続保証』を求めているはずだ。ただ、双方とも相手を信用できない。
このため、米国領グアムへの弾道ミサイル発射予告のような、一触即発の緊張関係に陥る。北朝鮮は体制維持には核・ミサイルが不可欠と考えており、双方の主張は矛盾する。トランプ政権は、正恩氏を籠絡しようとしている」
これに反発したのか、北朝鮮の労働新聞(23日付)は正恩氏の国防科学院化学材料研究所視察に関する記事とともに「水中戦略弾道ミサイル『北極星3』」と記した図面の写真を掲載した。
双方の駆け引きは、軍事衝突の可能性を残したまま続きそうだ。
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170825/soc1708250008-n1.html
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170825/soc1708250008-n2.html
トランプ氏の甘い言葉にはウラが?(AP)
背景に、米朝の水面下接触の可能性が指摘される。北朝鮮に「核・ミサイル開発」を放棄させられるのか。
「正恩氏はわれわれに敬意を払い始めている。多分、何か前向きなことが起きるかもしれない」
トランプ氏は22日、アリゾナ州フェニックスでの演説で、こう語った。
レックス・ティラーソン国務長官も同日の記者会見で、北朝鮮が最近、弾道ミサイル発射をしていないことは「注目に値する」「一定の対話への道筋が見えてきたのかもしれない」と語った。
2人の発言には違和感がある。
米軍と韓国軍は21日から、合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン」を開始した。正恩氏に対する「斬首作戦」や、北朝鮮の「核・ミサイル基地」攻撃も想定した演習だ。
これに対し、北朝鮮の朝鮮人民軍板門店代表部は22日、「正しい選択をせよとの、われわれの警告を無視して危険な軍事挑発を仕掛けてきた以上、無慈悲な報復と懲罰を免れることはできないだろう」という報道官談話を発表し、警告した。
緊張感が続くなか、トランプ氏とティラーソン氏はなぜ、「敬意」「前向き」「対話」などと発言をしたのか。
在京の情報当局者は「米朝の水面下接触の可能性がある」といい、続けた。
「6月ごろから、複数のルートで進められているとの分析がある。米国は『北朝鮮の核・ミサイル放棄』を狙い、北朝鮮は『正恩体制の存続保証』を求めているはずだ。ただ、双方とも相手を信用できない。
このため、米国領グアムへの弾道ミサイル発射予告のような、一触即発の緊張関係に陥る。北朝鮮は体制維持には核・ミサイルが不可欠と考えており、双方の主張は矛盾する。トランプ政権は、正恩氏を籠絡しようとしている」
これに反発したのか、北朝鮮の労働新聞(23日付)は正恩氏の国防科学院化学材料研究所視察に関する記事とともに「水中戦略弾道ミサイル『北極星3』」と記した図面の写真を掲載した。
双方の駆け引きは、軍事衝突の可能性を残したまま続きそうだ。
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170825/soc1708250008-n1.html
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170825/soc1708250008-n2.html
トランプ氏の甘い言葉にはウラが?(AP)