ロシアのメドベージェフ首相が23日に署名した北方領土・色丹島への経済特区設置に対し、日本政府が大使館ルートを通じて露政府に懸念を伝えていたことが24日、分かった。
「特区設置により第三国の企業が北方領土に進出すれば、共同経済活動に悪影響が及ぶ」との内容で、外務省幹部は「さまざまなレベルで日本の立場は申し入れている」としている。
経済特区設置への懸念は7月の時点で岸田文雄外相(当時)が露副首相に申し入れていたことも判明した。露側は当時「特区設置はネガティブなものではない」と説明していた。複数の日露関係筋が明らかにした。
日本側は首脳間で合意した北方領土の共同経済活動を阻害しかねない特区設置の真意をつかみかねており、今後の動向を慎重に見極める考えだ。
露政府は7月6日に北方領土への経済特区指定を表明した。外相だった岸田氏は翌7日、都内で開かれた「貿易経済に関する日露政府間委員会」の共同議長間会合に出席したシュワロフ露第1副首相に対し、特区指定に伴う悪影響について懸念を伝えた。
シュワロフ氏は「ネガティブなものではない」と述べた。日本側の警戒を和らげる狙いがあったとみられる。
経済特区に関しては、ドイツで7月7日(日本時間8日)に行われた日露首脳会談の際も安倍晋三首相がプーチン大統領に「日本側の立場」を伝えていた。
共同経済活動に際し、日本企業が露政府から徴税されれば、北方領土におけるロシアの管轄権を認めることになる。
外務省では、特区指定がこの問題を突破する糸口になる可能性があるとして「特区になってロシアが北方領土での徴税権を放棄すれば、必ずしも悪いものではない」(幹部)との声がある。
ただ、特区設置はロシア法に基づいて行われるほか、中国や韓国などの資本導入をちらつかせて日本側に譲歩を迫るカードに使われる可能性もある。露側の真意や詳細な構想は不明で、日本側交渉担当者の一人は「あまり真に受けない方がよい」としている。
http://www.sankei.com/politics/news/170825/plt1708250006-n1.html
http://www.sankei.com/politics/news/170825/plt1708250006-n2.html
7月7日、日露貿易経済政府間委員会の共同議長間協議を前に握手する、シュワロフ第1副首相(左)と岸田外相=東京都港区の飯倉公館
「特区設置により第三国の企業が北方領土に進出すれば、共同経済活動に悪影響が及ぶ」との内容で、外務省幹部は「さまざまなレベルで日本の立場は申し入れている」としている。
経済特区設置への懸念は7月の時点で岸田文雄外相(当時)が露副首相に申し入れていたことも判明した。露側は当時「特区設置はネガティブなものではない」と説明していた。複数の日露関係筋が明らかにした。
日本側は首脳間で合意した北方領土の共同経済活動を阻害しかねない特区設置の真意をつかみかねており、今後の動向を慎重に見極める考えだ。
露政府は7月6日に北方領土への経済特区指定を表明した。外相だった岸田氏は翌7日、都内で開かれた「貿易経済に関する日露政府間委員会」の共同議長間会合に出席したシュワロフ露第1副首相に対し、特区指定に伴う悪影響について懸念を伝えた。
シュワロフ氏は「ネガティブなものではない」と述べた。日本側の警戒を和らげる狙いがあったとみられる。
経済特区に関しては、ドイツで7月7日(日本時間8日)に行われた日露首脳会談の際も安倍晋三首相がプーチン大統領に「日本側の立場」を伝えていた。
共同経済活動に際し、日本企業が露政府から徴税されれば、北方領土におけるロシアの管轄権を認めることになる。
外務省では、特区指定がこの問題を突破する糸口になる可能性があるとして「特区になってロシアが北方領土での徴税権を放棄すれば、必ずしも悪いものではない」(幹部)との声がある。
ただ、特区設置はロシア法に基づいて行われるほか、中国や韓国などの資本導入をちらつかせて日本側に譲歩を迫るカードに使われる可能性もある。露側の真意や詳細な構想は不明で、日本側交渉担当者の一人は「あまり真に受けない方がよい」としている。
http://www.sankei.com/politics/news/170825/plt1708250006-n1.html
http://www.sankei.com/politics/news/170825/plt1708250006-n2.html
7月7日、日露貿易経済政府間委員会の共同議長間協議を前に握手する、シュワロフ第1副首相(左)と岸田外相=東京都港区の飯倉公館