日本の自動車メーカーが中国で電気自動車の生産加速を迫られている。中国政府が深刻な大気汚染の対策で環境対応車の生産割合を義務付け、満たせなければ罰金を科す新規制法を2018年にも施行する見通しとなっているためだ。現地メーカーを含めた激しい販売競争も強いられそうだ。
日産自動車は現在、中国で電気自動車を本格的に販売している唯一の日本メーカー。小型車「リーフ」をベースにしたモデルの販売に今後も力を入れ、18年以降には新型車を発売する方針だ。傘下に収めた三菱自動車との協業の成果も期待される。
ホンダも18年に新型電気自動車を発売すると表明している。トヨタ自動車は資本提携するマツダと共同開発し、19年をめどに新型車を売り出したい考えだ。
中国政府が求める環境対応車にはプラグインハイブリッド車も含まれるが、電気自動車を生産した方が優遇される見込みだ。日本勢が得意なハイブリッド車は対象になっていない。
中国で16年に販売された電気自動車は約40万台。三菱東京UFJ銀行戦略調査部(香港)の黒川徹調査役のリポートによると、日系メーカーによる生産は日産の約2000台がほとんどだった。
新規制で罰則を受けないようにするには各社はそれぞれ3万台前後の生産が必要になるという。中国政府には既にある現地の電気自動車メーカーなど自国産業を育てる思惑があるとみられ、厳しい競争になりそうだ。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/170819/bsa1708190500001-n1.htm
“和製テスラ”のGLMが香港企業傘下に EV化加速する中国市場などに販売
電気自動車(EV)の国内ベンチャー企業、GLMは香港の投資会社オーラックスホールディングス(HD)の傘下に入り、開発中の高級スポーツカーや車台(プラットフォーム)を、EV化が加速する中国や欧州市場などに向けて販売していく計画だ。
GLMの小間裕康社長は「メインターゲットである中国市場を中心に、急いで体力をつけていかないといけない段階に来た」と話した。EVは開発競争が激化し、大手メーカーも参入しているため、資金調達を急ぎ、開発を加速する必要があるという。
調達可能な資金額を考えると、香港の投資会社の傘下入りは東証マザーズへの上場を目指すよりも「われわれの成長にとっては大きなプラスになるだろう」と述べた。
オーラックスHDの公表資料によると、総額約8億9698万香港ドル(約128億円)でGLMの株式やオプションを取得することで合意した。GLM株式の保有割合は85.5%となり、その後、全株式を取得し完全子会社化する。中国の新興家電メーカーのTCLインダストリーズなどからも新たに出資を受ける。
GLMの子会社化は8月末までに実施し、小間社長をはじめとしたGLM経営陣はオーラックスHD傘下でEV事業を担当し、技術陣は引き続き開発に取り組む。
GLMは2010年に京都大学の学内ベンチャーとして設立。トヨタ自動車出身のエンジニアらを採用してEVスポーツカー「トミーカイラZZ」を15年10月から量産している。想定価格4000万円のEVスポーツカー「GLM G4」は19年に量産予定で、これと同じプラットフォームを活用した7人乗り乗用車の製造・販売にも取り組む。
GLMは日産車体京都工場跡地内に開発拠点を置き、技術者16人を含め従業員が24人。国内部品メーカーとともに開発を進めてきた。小間社長は、新興メーカーながら国内部品メーカーとの関係構築は、海外進出の際もアピールできる優位性と強調する。この点がオーラックスHDに評価された「一つの要素だと思う」とも述べた。
部品メーカーにはモーター関連の安川電機や、バッテリー関連のGSユアサなどがある。
中国資本傘下に入ることについては、技術流出などを不安視する声が上がることを「すごく懸念していた」とも小間社長は明かす。実際に一部の国内部品メーカーからはそうした懸念も出たが、完成車やプラットフォームといったパッケージ供給で技術流出を防げると理解を得られたと話す。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/170819/bsa1708190500002-n1.htm
(>>2以降に続く)
日産自動車は現在、中国で電気自動車を本格的に販売している唯一の日本メーカー。小型車「リーフ」をベースにしたモデルの販売に今後も力を入れ、18年以降には新型車を発売する方針だ。傘下に収めた三菱自動車との協業の成果も期待される。
ホンダも18年に新型電気自動車を発売すると表明している。トヨタ自動車は資本提携するマツダと共同開発し、19年をめどに新型車を売り出したい考えだ。
中国政府が求める環境対応車にはプラグインハイブリッド車も含まれるが、電気自動車を生産した方が優遇される見込みだ。日本勢が得意なハイブリッド車は対象になっていない。
中国で16年に販売された電気自動車は約40万台。三菱東京UFJ銀行戦略調査部(香港)の黒川徹調査役のリポートによると、日系メーカーによる生産は日産の約2000台がほとんどだった。
新規制で罰則を受けないようにするには各社はそれぞれ3万台前後の生産が必要になるという。中国政府には既にある現地の電気自動車メーカーなど自国産業を育てる思惑があるとみられ、厳しい競争になりそうだ。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/170819/bsa1708190500001-n1.htm
“和製テスラ”のGLMが香港企業傘下に EV化加速する中国市場などに販売
電気自動車(EV)の国内ベンチャー企業、GLMは香港の投資会社オーラックスホールディングス(HD)の傘下に入り、開発中の高級スポーツカーや車台(プラットフォーム)を、EV化が加速する中国や欧州市場などに向けて販売していく計画だ。
GLMの小間裕康社長は「メインターゲットである中国市場を中心に、急いで体力をつけていかないといけない段階に来た」と話した。EVは開発競争が激化し、大手メーカーも参入しているため、資金調達を急ぎ、開発を加速する必要があるという。
調達可能な資金額を考えると、香港の投資会社の傘下入りは東証マザーズへの上場を目指すよりも「われわれの成長にとっては大きなプラスになるだろう」と述べた。
オーラックスHDの公表資料によると、総額約8億9698万香港ドル(約128億円)でGLMの株式やオプションを取得することで合意した。GLM株式の保有割合は85.5%となり、その後、全株式を取得し完全子会社化する。中国の新興家電メーカーのTCLインダストリーズなどからも新たに出資を受ける。
GLMの子会社化は8月末までに実施し、小間社長をはじめとしたGLM経営陣はオーラックスHD傘下でEV事業を担当し、技術陣は引き続き開発に取り組む。
GLMは2010年に京都大学の学内ベンチャーとして設立。トヨタ自動車出身のエンジニアらを採用してEVスポーツカー「トミーカイラZZ」を15年10月から量産している。想定価格4000万円のEVスポーツカー「GLM G4」は19年に量産予定で、これと同じプラットフォームを活用した7人乗り乗用車の製造・販売にも取り組む。
GLMは日産車体京都工場跡地内に開発拠点を置き、技術者16人を含め従業員が24人。国内部品メーカーとともに開発を進めてきた。小間社長は、新興メーカーながら国内部品メーカーとの関係構築は、海外進出の際もアピールできる優位性と強調する。この点がオーラックスHDに評価された「一つの要素だと思う」とも述べた。
部品メーカーにはモーター関連の安川電機や、バッテリー関連のGSユアサなどがある。
中国資本傘下に入ることについては、技術流出などを不安視する声が上がることを「すごく懸念していた」とも小間社長は明かす。実際に一部の国内部品メーカーからはそうした懸念も出たが、完成車やプラットフォームといったパッケージ供給で技術流出を防げると理解を得られたと話す。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/170819/bsa1708190500002-n1.htm
(>>2以降に続く)