【ソウル聯合ニュース】韓国と中国が24日、1992年の国交正常化から25周年を迎える。
国交正常化から四半世紀で両国関係は飛躍的な発展を遂げた。
1992年には約64億ドル(現在のレートで約7050億円)だった両国の貿易額は2016年には2114億ドルと33倍になった。中国は韓国にとって最大の輸出相手国、かつ輸入相手国であり、最大の貿易相手国となった。中国にとっても韓国は3番目の輸出相手国になった。
韓国観光公社の統計によると、訪中・訪韓者数は1993年に計15万2000人だったが、2015年には約69倍の1042万8000人(訪中444万4000人、訪韓598万4000人)に増加した。昨年4月には韓国内の中国人留学生と中国内の韓国人留学生はそれぞれ約6万人に達したと推算された。
このような経済的な相互依存と人的交流を土台に、両国政府は1998年に「協力パートナー関係」、2003年には「包括的協力パートナー関係」、08年には「戦略的協力パートナー関係」を宣言し、両国の関係を発展させてきた。
貿易や歴史の問題で摩擦が発生したこともあったが、強い経済交流の基盤があったため両国関係が根元から揺さぶられることはなかった。
◇順調な関係発展にTHAADが冷や水
一方で、大国として振る舞い始めた中国が東アジアを中心に米国との覇権争いを本格化させる兆しを見せる中、韓中関係は新たな局面を迎えている。国交正常化25周年を迎える韓中関係が岐路に立たされているとの指摘も出ている。
特に米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍配備問題を巡る深刻な摩擦は、両国関係が表面的には発展しているにもかかわらず、克服するべき課題が山積していることを露呈した。
THAADの在韓米軍への配備問題でできた溝により、国交正常化25周年を迎えたにもかかわらず、両国は共同の記念行事も行わない状況にある。
韓中関係に詳しい外交消息筋は「THAADについて韓国は安全保障の問題と考えているが、中国は米中戦略競争の枠組みで捉えており、基本的に接点を見いだすのが難しい」とし、「韓国も中国も互いに過度な期待を持っていたが、THAAD問題により『素顔』を見ることになった」と分析した。
◇中朝関係は進展見られず
国交正常化以降、韓中関係が急速に発展する一方で、中朝関係では大きな進展はみられない。
2012年の金正恩(キム・ジョンウン)政権発足から5年が経過してもまだ中朝首脳会談が開かれていないことは、現在の中朝関係を象徴している。ただ、米国が求める北朝鮮への原油供給停止に中国は頑として応じておらず、中朝関係の別の側面を浮き彫りにしている。
中国は北朝鮮情勢が急激に不安定化することよりは、北朝鮮をこれまで通り緩衝地帯として残しておくことが得策と見ている。米中間の戦略的競争が深まれば中国がこのような認識をさらに強くする可能性も指摘される。
◇意思疎通強化で打開模索
THAAD問題を克服し、国交正常化25周年を迎える韓中関係を一段階発展させることが、韓国外交における当面の最大の課題となる。
韓国・亜州大中国政策研究所のキム・フンギュ所長は「公開的な論争よりは非公開の意思疎通を強化しながら、互いに共通した利益を探ることが重要」と指摘した。また「韓国の外交・安保の基調を確立し、韓米、韓中、韓ロの各関係が排他的ではないという明確なメッセージを伝える必要がある」と強調した。
外交部傘下、国立外交院のキム・ハングォン教授は「THAAD問題は多国間の問題であり、米中の戦略競争が鋭く対立する問題で、時間が解決するものではない」と指摘。
米軍から韓国軍への有事作戦統制権(指揮権)移管、米ミサイル防衛(MD)への編入など中国が注視する懸案を巡り、「韓国が国益に基づく立場を明確にすべきだ。戦略的曖昧さを維持すれば米中双方からの圧力が増大し、北はそのような状況を自分たちに有利に利用するだろう」と説明した。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2017/08/17/0200000000AJP20170817004900882.HTML
(>>2以降に続く)
国交正常化から四半世紀で両国関係は飛躍的な発展を遂げた。
1992年には約64億ドル(現在のレートで約7050億円)だった両国の貿易額は2016年には2114億ドルと33倍になった。中国は韓国にとって最大の輸出相手国、かつ輸入相手国であり、最大の貿易相手国となった。中国にとっても韓国は3番目の輸出相手国になった。
韓国観光公社の統計によると、訪中・訪韓者数は1993年に計15万2000人だったが、2015年には約69倍の1042万8000人(訪中444万4000人、訪韓598万4000人)に増加した。昨年4月には韓国内の中国人留学生と中国内の韓国人留学生はそれぞれ約6万人に達したと推算された。
このような経済的な相互依存と人的交流を土台に、両国政府は1998年に「協力パートナー関係」、2003年には「包括的協力パートナー関係」、08年には「戦略的協力パートナー関係」を宣言し、両国の関係を発展させてきた。
貿易や歴史の問題で摩擦が発生したこともあったが、強い経済交流の基盤があったため両国関係が根元から揺さぶられることはなかった。
◇順調な関係発展にTHAADが冷や水
一方で、大国として振る舞い始めた中国が東アジアを中心に米国との覇権争いを本格化させる兆しを見せる中、韓中関係は新たな局面を迎えている。国交正常化25周年を迎える韓中関係が岐路に立たされているとの指摘も出ている。
特に米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍配備問題を巡る深刻な摩擦は、両国関係が表面的には発展しているにもかかわらず、克服するべき課題が山積していることを露呈した。
THAADの在韓米軍への配備問題でできた溝により、国交正常化25周年を迎えたにもかかわらず、両国は共同の記念行事も行わない状況にある。
韓中関係に詳しい外交消息筋は「THAADについて韓国は安全保障の問題と考えているが、中国は米中戦略競争の枠組みで捉えており、基本的に接点を見いだすのが難しい」とし、「韓国も中国も互いに過度な期待を持っていたが、THAAD問題により『素顔』を見ることになった」と分析した。
◇中朝関係は進展見られず
国交正常化以降、韓中関係が急速に発展する一方で、中朝関係では大きな進展はみられない。
2012年の金正恩(キム・ジョンウン)政権発足から5年が経過してもまだ中朝首脳会談が開かれていないことは、現在の中朝関係を象徴している。ただ、米国が求める北朝鮮への原油供給停止に中国は頑として応じておらず、中朝関係の別の側面を浮き彫りにしている。
中国は北朝鮮情勢が急激に不安定化することよりは、北朝鮮をこれまで通り緩衝地帯として残しておくことが得策と見ている。米中間の戦略的競争が深まれば中国がこのような認識をさらに強くする可能性も指摘される。
◇意思疎通強化で打開模索
THAAD問題を克服し、国交正常化25周年を迎える韓中関係を一段階発展させることが、韓国外交における当面の最大の課題となる。
韓国・亜州大中国政策研究所のキム・フンギュ所長は「公開的な論争よりは非公開の意思疎通を強化しながら、互いに共通した利益を探ることが重要」と指摘した。また「韓国の外交・安保の基調を確立し、韓米、韓中、韓ロの各関係が排他的ではないという明確なメッセージを伝える必要がある」と強調した。
外交部傘下、国立外交院のキム・ハングォン教授は「THAAD問題は多国間の問題であり、米中の戦略競争が鋭く対立する問題で、時間が解決するものではない」と指摘。
米軍から韓国軍への有事作戦統制権(指揮権)移管、米ミサイル防衛(MD)への編入など中国が注視する懸案を巡り、「韓国が国益に基づく立場を明確にすべきだ。戦略的曖昧さを維持すれば米中双方からの圧力が増大し、北はそのような状況を自分たちに有利に利用するだろう」と説明した。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2017/08/17/0200000000AJP20170817004900882.HTML
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