8日、アメリカのトランプ大統領が北朝鮮に対し「世界が見たことのないような、炎と怒りに直面する」と述べたことに対し、北朝鮮はグアムに中距離弾道ミサイル4発を撃ち込む作戦を検討していると「応戦」した。
日本のメディアはこぞって米朝開戦間近と危機感を煽り、東証株価も下落傾向にあるが、果たしてその緊迫度はいかほどのものなのか。
仮に米朝が開戦(正確には休戦の停止)した場合、日本よりも甚大な被害を受けるのは韓国である。北朝鮮は兼ねてから「アメリカと開戦すれば、ソウルは火の海になる」と発言しているし、実際に北朝鮮の多くの砲身はソウルの方向を向いている。
韓国のメディアは、しかしそれほど緊迫した状況とは報じていない。
アメリカのロサンゼルスタイムスは、「韓国国民は驚くほど平穏な雰囲気だ。なぜ?」という見出しで記事を掲載し、「自分が生きてきた間、実際に戦争が起こるとは考えたことがない」という大学生のコメントを紹介している。
同じアメリカのUPI通信も「韓国国民は、朝鮮半島における戦争の可能性をとても低く見ている。過去にも似たような状況があったが、戦争は起こらないという経験を皆がしている」と報じている。
またウォールストリートジャーナルは、「北朝鮮リスクは、韓国投資家達にとっては、低価買収のチャンスであり、大きな利益を得ることが出来る」という韓国人投資家達のしたたかな表情を伝えている。
アメリカの報道を見ても、韓国国民はいたって通常モードである。
日本が報じる危機と、韓国が「報じる」(実際はほとんど報じていない)平穏。一体どちらが「真実」に近いのか。
9日、アメリカのCNNは、同局の解説者でもあり、元・米陸軍司令官でもあるマーク・ハートリング(Mark Hertling)氏にインタビュー、彼のコメントを紹介している。
ハートリング氏は、「仮に米朝が開戦したとしても、それは何か月も先のこと」としている。その根拠として、まず韓国に居住する、軍関係者家族等、数万人のアメリカ人の退避が行われなくてはならないからだ。
現時点において、韓国ではこのような動きは見られない。よって戦争が臨迫してはいないとしている。
◆南北対話を引き出すという裏の目的も!?
また同氏は、朝鮮半島周辺に展開している米軍の増員も必要不可欠な要素であるとし、「米海軍の戦艦や潜水艦や、日本やグアム周辺で作戦を実行出来る爆撃機などが、今よりも多く配備される必要があるともした。仮にアメリカがこの作戦を準備するのであれば、数か月は掛かるであろうと予測している。
ハートリング氏は最後に、アメリカが、北朝鮮との開戦を決断するには、北朝鮮のソウルに向けた砲撃の対策を取らねばならない。シミュレーションによれば、開戦後に即、北朝鮮によるソウル砲撃が実行された場合、数万人の死傷者が出る可能性が高い。
開戦に向けては、この砲撃設備をまず除去しなくてはならず、そのためには大規模な空軍兵力が必要であると明かした。
CNNは、北朝鮮との戦争は、人口密集地域である東アジアに多大な人命被害をもたらすものであり、総じて戦争の可能性は低いと締めくくった。
エスカレートするアメリカと北朝鮮の「ブラフ合戦」であるが、その裏では対話に向けた動きもある。
8月7日には、アメリカ・ティラーソン国務長官が「北朝鮮が一連のミサイル発射実験を中止すれば、北朝鮮と話し合いをする用意がある」としており、トランプ大統領の過激な発言の裏で、米政権が北朝鮮との対話の選択肢も残していると示唆している。
また8日のトランプ大統領の「炎と怒り」発言は、米高官が「もともと予定されていた言葉ではない」と明かし、トランプ大統領も翌9日には「米国が核兵器を使用する必要がないことを望んでいる」と、前日の発言を緩和させるような考えを表明している。
8月6日から8日にかけて、フィリピンのマニラで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議では、北朝鮮と韓国の外相も非公式ながら接触している。
http://news.livedoor.com/article/detail/13460079/
(>>2以降に続く)
日本のメディアはこぞって米朝開戦間近と危機感を煽り、東証株価も下落傾向にあるが、果たしてその緊迫度はいかほどのものなのか。
仮に米朝が開戦(正確には休戦の停止)した場合、日本よりも甚大な被害を受けるのは韓国である。北朝鮮は兼ねてから「アメリカと開戦すれば、ソウルは火の海になる」と発言しているし、実際に北朝鮮の多くの砲身はソウルの方向を向いている。
韓国のメディアは、しかしそれほど緊迫した状況とは報じていない。
アメリカのロサンゼルスタイムスは、「韓国国民は驚くほど平穏な雰囲気だ。なぜ?」という見出しで記事を掲載し、「自分が生きてきた間、実際に戦争が起こるとは考えたことがない」という大学生のコメントを紹介している。
同じアメリカのUPI通信も「韓国国民は、朝鮮半島における戦争の可能性をとても低く見ている。過去にも似たような状況があったが、戦争は起こらないという経験を皆がしている」と報じている。
またウォールストリートジャーナルは、「北朝鮮リスクは、韓国投資家達にとっては、低価買収のチャンスであり、大きな利益を得ることが出来る」という韓国人投資家達のしたたかな表情を伝えている。
アメリカの報道を見ても、韓国国民はいたって通常モードである。
日本が報じる危機と、韓国が「報じる」(実際はほとんど報じていない)平穏。一体どちらが「真実」に近いのか。
9日、アメリカのCNNは、同局の解説者でもあり、元・米陸軍司令官でもあるマーク・ハートリング(Mark Hertling)氏にインタビュー、彼のコメントを紹介している。
ハートリング氏は、「仮に米朝が開戦したとしても、それは何か月も先のこと」としている。その根拠として、まず韓国に居住する、軍関係者家族等、数万人のアメリカ人の退避が行われなくてはならないからだ。
現時点において、韓国ではこのような動きは見られない。よって戦争が臨迫してはいないとしている。
◆南北対話を引き出すという裏の目的も!?
また同氏は、朝鮮半島周辺に展開している米軍の増員も必要不可欠な要素であるとし、「米海軍の戦艦や潜水艦や、日本やグアム周辺で作戦を実行出来る爆撃機などが、今よりも多く配備される必要があるともした。仮にアメリカがこの作戦を準備するのであれば、数か月は掛かるであろうと予測している。
ハートリング氏は最後に、アメリカが、北朝鮮との開戦を決断するには、北朝鮮のソウルに向けた砲撃の対策を取らねばならない。シミュレーションによれば、開戦後に即、北朝鮮によるソウル砲撃が実行された場合、数万人の死傷者が出る可能性が高い。
開戦に向けては、この砲撃設備をまず除去しなくてはならず、そのためには大規模な空軍兵力が必要であると明かした。
CNNは、北朝鮮との戦争は、人口密集地域である東アジアに多大な人命被害をもたらすものであり、総じて戦争の可能性は低いと締めくくった。
エスカレートするアメリカと北朝鮮の「ブラフ合戦」であるが、その裏では対話に向けた動きもある。
8月7日には、アメリカ・ティラーソン国務長官が「北朝鮮が一連のミサイル発射実験を中止すれば、北朝鮮と話し合いをする用意がある」としており、トランプ大統領の過激な発言の裏で、米政権が北朝鮮との対話の選択肢も残していると示唆している。
また8日のトランプ大統領の「炎と怒り」発言は、米高官が「もともと予定されていた言葉ではない」と明かし、トランプ大統領も翌9日には「米国が核兵器を使用する必要がないことを望んでいる」と、前日の発言を緩和させるような考えを表明している。
8月6日から8日にかけて、フィリピンのマニラで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議では、北朝鮮と韓国の外相も非公式ながら接触している。
http://news.livedoor.com/article/detail/13460079/
(>>2以降に続く)