事故やトラブルが続き安全面への懸念が指摘される韓国航空業界だが、今度は空港ラウンジの運営をめぐるモラルの欠如が浮かび上がった。
大韓航空とアシアナ航空がファースト・ビジネスクラスの乗客に限り利用可能な仁川(インチョン)国際空港のラウンジでエコノミークラスの客から料金を受けて軽食や酒を販売するなどの不法営業を行い、過去10年で数百億ウォンもの売り上げを出していたという。
つまり二大航空会社が、飲食店に認可されていないラウンジで事実上、飲食店営業をしてきたわけだ。大韓をめぐっては今月、会長の自宅工事に関連した不正疑惑に絡み、警察が本社を家宅捜索。韓国エアラインは一体どこに向かっているのだろう。
エコノミー客も金払えば“ビジネス”客扱い
韓国紙、中央日報(日本語電子版)によれば、大韓航空とアシアナ航空の韓国二大航空会社が自社旅客機のファーストクラスとビジネスクラスの乗客のみ利用できる仁川国際空港のラウンジで、エコノミークラスの乗客からも料金を受けて軽食や酒を販売するなどの不法営業が行われ、過去10年間に数百億ウォンもの売り上げを出していたことが明らかになったという。
仁川空港警察隊は両社の役員を呼んで取り調べ、送検したとしている。
今回の摘発は、同空港内の飲食店と中小有料ラウンジ運営会社が当局に問題を訴えたことがきっかけになったとみられる。中央日報の取材に対し、仁川空港公社の関係者も「一部の航空会社が現金を受けて営業したことで客を奪われた中小ラウンジ運営会社と飲食店が警察に申告したと聞いている」と話している。
警察は、ラウンジの不法営業でアシアナは年間20億ウォン台、大韓航空は10億ウォン台の売り上げがあったと推定しているようだ。さらに無許可営業であるため一般飲食店が納める税金も出していなかったという。
大韓、アシアナとも刑事当局の判断に従って適切な措置をとるとしているが、二大航空会社のこうした行動は、空港でまじめに営業してきた飲食店や中小ラウンジ運営会社にしてみればたまったもんじゃない。
「娘の教育を大きく間違えた」父に不正疑惑?
韓国の航空会社をめぐる“事件”はこれにとどまらない。聯合ニュース(日本語電子版)など複数の韓国メディアによると韓国警察は7月7日、ソウル市内の大韓航空会長の自宅工事と関連した不正疑惑に絡み、大韓航空本社を家宅捜索。工事関連資料や税務資料、契約書などを押収したと明らかにした。
聯合ニュースによれば、同社は2013年5月〜14年8月に趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長の自宅のインテリア工事費用などのうち、相当額を仁川空港付近のホテルの新築工事費として処理し、不正に使用した特定経済犯罪加重処罰法上の背任容疑が持たれている。
警察は、押収した資料の分析が終われば工事費の支出に関与した大韓航空の関係者らを順次呼び出し、事実関係を確認する方針という。
趙会長といえば、米ニューヨークの空港で2014年12月、自社の乗務員のナッツの出し方に激怒して飛行機を引き返させ、「ナッツ姫」などとメディアから批判された趙顕娥(チョ・ヒョンア)副社長=当時=の父親だ。元副社長の行動は強い反発を招き、趙会長の記者会見で謝罪し、「娘の教育を大きく間違えた」とも認めていた。
「ナッツリターン」がけがの功名なるか
航空運輸という本業に影響を及ぼしかねないトラブルが続けば、空の安全への信頼も揺らぐのではないだろうか。
現に近頃、韓国の航空会社の事故や運航トラブルが目立つ。
http://www.sankei.com/west/news/170714/wst1707140042-n1.html
http://www.sankei.com/west/news/170714/wst1707140042-n2.html
http://www.sankei.com/west/news/170714/wst1707140042-n3.html
http://www.sankei.com/west/news/170714/wst1707140042-n4.html
(>>2以降に続く)
アシアナ航空が関空−仁川線に導入したA350−900型機のエコノミースマーティウムの座席。ゆったり空間だが、ビジネスクラスではない=関西国際空港
大韓航空とアシアナ航空がファースト・ビジネスクラスの乗客に限り利用可能な仁川(インチョン)国際空港のラウンジでエコノミークラスの客から料金を受けて軽食や酒を販売するなどの不法営業を行い、過去10年で数百億ウォンもの売り上げを出していたという。
つまり二大航空会社が、飲食店に認可されていないラウンジで事実上、飲食店営業をしてきたわけだ。大韓をめぐっては今月、会長の自宅工事に関連した不正疑惑に絡み、警察が本社を家宅捜索。韓国エアラインは一体どこに向かっているのだろう。
エコノミー客も金払えば“ビジネス”客扱い
韓国紙、中央日報(日本語電子版)によれば、大韓航空とアシアナ航空の韓国二大航空会社が自社旅客機のファーストクラスとビジネスクラスの乗客のみ利用できる仁川国際空港のラウンジで、エコノミークラスの乗客からも料金を受けて軽食や酒を販売するなどの不法営業が行われ、過去10年間に数百億ウォンもの売り上げを出していたことが明らかになったという。
仁川空港警察隊は両社の役員を呼んで取り調べ、送検したとしている。
今回の摘発は、同空港内の飲食店と中小有料ラウンジ運営会社が当局に問題を訴えたことがきっかけになったとみられる。中央日報の取材に対し、仁川空港公社の関係者も「一部の航空会社が現金を受けて営業したことで客を奪われた中小ラウンジ運営会社と飲食店が警察に申告したと聞いている」と話している。
警察は、ラウンジの不法営業でアシアナは年間20億ウォン台、大韓航空は10億ウォン台の売り上げがあったと推定しているようだ。さらに無許可営業であるため一般飲食店が納める税金も出していなかったという。
大韓、アシアナとも刑事当局の判断に従って適切な措置をとるとしているが、二大航空会社のこうした行動は、空港でまじめに営業してきた飲食店や中小ラウンジ運営会社にしてみればたまったもんじゃない。
「娘の教育を大きく間違えた」父に不正疑惑?
韓国の航空会社をめぐる“事件”はこれにとどまらない。聯合ニュース(日本語電子版)など複数の韓国メディアによると韓国警察は7月7日、ソウル市内の大韓航空会長の自宅工事と関連した不正疑惑に絡み、大韓航空本社を家宅捜索。工事関連資料や税務資料、契約書などを押収したと明らかにした。
聯合ニュースによれば、同社は2013年5月〜14年8月に趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長の自宅のインテリア工事費用などのうち、相当額を仁川空港付近のホテルの新築工事費として処理し、不正に使用した特定経済犯罪加重処罰法上の背任容疑が持たれている。
警察は、押収した資料の分析が終われば工事費の支出に関与した大韓航空の関係者らを順次呼び出し、事実関係を確認する方針という。
趙会長といえば、米ニューヨークの空港で2014年12月、自社の乗務員のナッツの出し方に激怒して飛行機を引き返させ、「ナッツ姫」などとメディアから批判された趙顕娥(チョ・ヒョンア)副社長=当時=の父親だ。元副社長の行動は強い反発を招き、趙会長の記者会見で謝罪し、「娘の教育を大きく間違えた」とも認めていた。
「ナッツリターン」がけがの功名なるか
航空運輸という本業に影響を及ぼしかねないトラブルが続けば、空の安全への信頼も揺らぐのではないだろうか。
現に近頃、韓国の航空会社の事故や運航トラブルが目立つ。
http://www.sankei.com/west/news/170714/wst1707140042-n1.html
http://www.sankei.com/west/news/170714/wst1707140042-n2.html
http://www.sankei.com/west/news/170714/wst1707140042-n3.html
http://www.sankei.com/west/news/170714/wst1707140042-n4.html
(>>2以降に続く)
アシアナ航空が関空−仁川線に導入したA350−900型機のエコノミースマーティウムの座席。ゆったり空間だが、ビジネスクラスではない=関西国際空港