欠陥エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題で経営が悪化したタカタが26日、民事再生法の適用を申請し、経営破綻した。タカタは今後、資金援助を受ける中国企業の傘下として再建を目指す。
しかし新たな経営体制下では、タカタと取引のある国内下請け先が、次々と中国企業に切り替えられる事態も否定できない。タカタの破綻による国内企業への影響は避けられない情勢だ。(今井裕治)
民間調査会社の帝国データバンクによると、タカタグループの国内下請け企業は571社で、従業員数は約6万人にのぼるという。
タカタの取引先の数を都道府県別に見ると、大阪府の107社が最も多く、東京都の88社、愛知県の65社が続く。比較的規模が大きい1次下請けは、タカタが生産設備を置く滋賀県が多い。タカタの再建には、下請けからの部品供給が継続される必要がある。
一方で、タカタの主要納入先だったホンダやトヨタ自動車などは、すでに問題となったエアバッグの使用をやめるなど“顧客離れ”が進んでいる。
今回の経営破綻に乗じて、海外メーカーがタカタの主要顧客に対する攻勢をより強めれば、平成27年度で約1290億円だったタカタの国内売上高が落ち込む恐れがある。下請け企業との安定的な取引が、今後も維持できるかは不透明だ。
さらに大きな懸念となるのが、タカタの事業を引き継ぐ米自動車部品キー・セイフティー・システムズ(KSS)が、中国・寧波均勝電子の傘下であることだ。
シートベルトやチャイルドシートなどの生産に必要なプラスチック加工品やネジ、バネなど幅広い部材の下請け先が、日本メーカーから中国企業に変更される懸念は根強い。国内中小部品メーカーの経営が大きな打撃を被る恐れもある。
http://www.sankei.com/economy/news/170626/ecn1706260030-n1.html
http://www.sankei.com/economy/news/170626/ecn1706260030-n2.html
欠陥エアバックのリコール問題で経営が悪化し、民事再生法の適用を申請した件で会見する、タカタの高田重久会長兼社長(左)=26日、東京都千代田区(寺河内美奈撮影)
しかし新たな経営体制下では、タカタと取引のある国内下請け先が、次々と中国企業に切り替えられる事態も否定できない。タカタの破綻による国内企業への影響は避けられない情勢だ。(今井裕治)
民間調査会社の帝国データバンクによると、タカタグループの国内下請け企業は571社で、従業員数は約6万人にのぼるという。
タカタの取引先の数を都道府県別に見ると、大阪府の107社が最も多く、東京都の88社、愛知県の65社が続く。比較的規模が大きい1次下請けは、タカタが生産設備を置く滋賀県が多い。タカタの再建には、下請けからの部品供給が継続される必要がある。
一方で、タカタの主要納入先だったホンダやトヨタ自動車などは、すでに問題となったエアバッグの使用をやめるなど“顧客離れ”が進んでいる。
今回の経営破綻に乗じて、海外メーカーがタカタの主要顧客に対する攻勢をより強めれば、平成27年度で約1290億円だったタカタの国内売上高が落ち込む恐れがある。下請け企業との安定的な取引が、今後も維持できるかは不透明だ。
さらに大きな懸念となるのが、タカタの事業を引き継ぐ米自動車部品キー・セイフティー・システムズ(KSS)が、中国・寧波均勝電子の傘下であることだ。
シートベルトやチャイルドシートなどの生産に必要なプラスチック加工品やネジ、バネなど幅広い部材の下請け先が、日本メーカーから中国企業に変更される懸念は根強い。国内中小部品メーカーの経営が大きな打撃を被る恐れもある。
http://www.sankei.com/economy/news/170626/ecn1706260030-n1.html
http://www.sankei.com/economy/news/170626/ecn1706260030-n2.html
欠陥エアバックのリコール問題で経営が悪化し、民事再生法の適用を申請した件で会見する、タカタの高田重久会長兼社長(左)=26日、東京都千代田区(寺河内美奈撮影)