北方領土のロシア人住民と元島民の日本人らが相互に行き来する「ビザなし交流」で、日本側訪問団の第2陣(北村信人団長)が11日、択捉島訪問の4日間の日程を終え、根室に帰港した。現地では、日露双方が「共同経済活動」をテーマに意見交換した。
訪問したのは、元島民や返還活動の関係者ら61人。初日は根室沖で天候の回復を待ったため現地滞在が1日しかなく、予定していた水産関連施設や温泉見学などがキャンセルになった。
一行を出迎えた地元行政府のベラウーソワ・タチヤーナ・クリル地区長は「島には多くの自然の名所があり温泉も多い。外国人客を乗せたクルーズ船も訪れたばかり。日本の方も今後、島で観光を楽しむ可能性がある」と島の観光開発に期待感を示した。
住民交流会では、19人のロシア人が参加し、グループ討論した。ロシア側から「経済活動が進めば、日露平和条約の締結も早く実現する」「領土問題と交流は別」などの意見が出た。
日本側からの「流氷がもたらす北方領土の豊かな自然を、ユネスコの世界自然遺産である知床と一緒に、持続的に保存発展させては」という提案に、ロシア側から異論はでなかった。
一行は墓地で手を合わせた後、ロシア人家庭を訪問。夕食会では、元島民らが日本の唱歌「ふるさと」を合唱、感極まり涙を流す人もいた。
13歳まで島にいた岩崎忠明・副団長(83)は「近くまで行けなかったが、生まれ育った紗那に当時の小学校など2施設がまだ残っていることが、わかった。いつまであるかと思うと複雑だ」と話していた。(同行記者団)
http://www.sankei.com/politics/news/170612/plt1706120006-n1.html
http://www.sankei.com/politics/news/170612/plt1706120006-n2.html
ビザなし交流で訪れた択捉島の紗那墓地で、墓参する元島民ら。墓地はロシア人も葬られていた=10日(同行記者団)
ビザなし交流で択捉を訪れ、「共同経済活動」について意見を交わす団員とロシア人島民=10日(同行記者団)
ビザなし交流の夕食会で、ロシア人島民と交流を深めた団員ら=10日、択捉・紗那(同行記者団)
訪問したのは、元島民や返還活動の関係者ら61人。初日は根室沖で天候の回復を待ったため現地滞在が1日しかなく、予定していた水産関連施設や温泉見学などがキャンセルになった。
一行を出迎えた地元行政府のベラウーソワ・タチヤーナ・クリル地区長は「島には多くの自然の名所があり温泉も多い。外国人客を乗せたクルーズ船も訪れたばかり。日本の方も今後、島で観光を楽しむ可能性がある」と島の観光開発に期待感を示した。
住民交流会では、19人のロシア人が参加し、グループ討論した。ロシア側から「経済活動が進めば、日露平和条約の締結も早く実現する」「領土問題と交流は別」などの意見が出た。
日本側からの「流氷がもたらす北方領土の豊かな自然を、ユネスコの世界自然遺産である知床と一緒に、持続的に保存発展させては」という提案に、ロシア側から異論はでなかった。
一行は墓地で手を合わせた後、ロシア人家庭を訪問。夕食会では、元島民らが日本の唱歌「ふるさと」を合唱、感極まり涙を流す人もいた。
13歳まで島にいた岩崎忠明・副団長(83)は「近くまで行けなかったが、生まれ育った紗那に当時の小学校など2施設がまだ残っていることが、わかった。いつまであるかと思うと複雑だ」と話していた。(同行記者団)
http://www.sankei.com/politics/news/170612/plt1706120006-n1.html
http://www.sankei.com/politics/news/170612/plt1706120006-n2.html
ビザなし交流で訪れた択捉島の紗那墓地で、墓参する元島民ら。墓地はロシア人も葬られていた=10日(同行記者団)
ビザなし交流で択捉を訪れ、「共同経済活動」について意見を交わす団員とロシア人島民=10日(同行記者団)
ビザなし交流の夕食会で、ロシア人島民と交流を深めた団員ら=10日、択捉・紗那(同行記者団)