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ねこ名無し ★@無断転載は禁止 ©2ch.net
2016/09/11(日) 02:00:27.22 ID:CAP_USER
かつて米国における製造業の中心地だった地域に中国企業が進出、新規雇用が生まれるなど追い風が吹き始めている。米大統領候補者からは中国を敵視する発言が相次いでいるが、地元からは、打ち負かされた相手からの投資を歓迎している。
◆工場に活気戻る
米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)がシボレー・トレイルブレイザーを生産していた米オハイオ州モレーンの工場は、2008年に閉鎖されてから6年間、落ちぶれる米自動車産業の記念碑的な存在だった。
最近、この工場に活気が戻ってきた。中国自動車用ガラスメーカーの福耀玻璃美に買収されたためだ。作業現場では、福耀のロゴが入ったスカイブルーの作業着を着た中国人監督が、米国人従業員にフロントガラスの取り付け方を教えている。
州間高速道路75号線に乗ってオハイオ州や米ミシガン州といった米製造業の中心地を走り抜けると、福耀のような中国企業が傘下に収める企業を数多く目にする。こうした地域では、主に中国との貿易で伝統的な製造業の空洞化が進んでいる。
今回の大統領選では、両候補が製造業の衰退に関して主張を展開する。共和党のドナルド・トランプ候補は中国を「アンフェアな貿易相手国」と呼び、民主党のヒラリー・クリントン候補を含むあらゆる政治家が「米労働者を中国に売った」と批判。
一方、クリントン氏のキャリアは同氏がグローバル化を抵抗なく受け入れてきたことを示唆しているが、最近は同氏も中国バッシングに加担し、貿易懐疑主義に染まりつつある。
しかし州と地方自治体は、党派にかかわらず、中国企業の進出をもろ手を挙げて歓迎してきた。福耀による工場買収では、共和党の知事を擁するオハイオ州は、同社に970万ドル(約9億9100万円)の税額控除を認めた。
モレーンを選挙区に持つマイケル・ターナー下院議員(共和)は「国際的な企業がオハイオ州デイトンに拠点を置くことを選んだ一例だ。それがたまたま中国企業だった」と話した。
ミシガン州サギノーに拠点を置く、パワーステアリング製造のネクスティア・オートモーティブは7年前、同社を所有する米デルファイが会社更生法の適用を申請し、存続の危機に見舞われた。
プライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社を含む債権者は、ネクスティアの分割売却を検討したが、中国人投資家が4億6500万ドルで買収。現在は株式の過半数を中国航空工業集団が保有する。ネクスティアは昨年、2億500万ドルの利益を計上した。
こうした例は多く存在する。今年は米国全体で中国企業による買収は750億ドルと過去の記録を2倍超上回り、買収対象は高級ホテルからアルミホイル製造会社まで広範だ。
調査会社ロジウム・グループによると、08年以降、中国企業はオハイオ州とミシガン州だけで41億ドルを投資してきた。
◆取り組み総仕上げ
福耀は14年にモレーンのGM工場の約半分を取得、購入と改修で4億5000万ドルを注ぎ込んだ。
水道メーターのカバー製造から始まり、今や自動車用ガラスで世界2位の福耀にとって、モレーンでの買収は10年に及ぶ米市場進出に向けた取り組みの総仕上げとなった。
中国企業の進出は、ライト兄弟の出身地であるデイトンに雇用をもたらした。08年のクリスマスの2日前に行われたGMの工場閉鎖で大打撃を受けた。その翌年、もう一つの地元大手企業、レジスター製造のNCRがアトランタ移転を発表した。
だが、新工場では、労働者はかつてほど多く稼げない傾向がある。福耀の米国部門のジョン・ゴティエ社長は、米国での生産継続のため中国工場より多く自動化していると説明。「顧客が心配するのは、コストが上がらないことだけだ」と話した。
福耀のライン工の賃金は最低時給が12ドル、年収にすると約2万5000ドルだ。以前のGMの工場では少なくともその2倍の賃金が支払われるほか、確定給付年金にも加入できたと労働組合幹部と元従業員が明らかにした。(ブルームバーグ Andrew Mayeda)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160910/mcb1609100500012-n1.htm
◆工場に活気戻る
米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)がシボレー・トレイルブレイザーを生産していた米オハイオ州モレーンの工場は、2008年に閉鎖されてから6年間、落ちぶれる米自動車産業の記念碑的な存在だった。
最近、この工場に活気が戻ってきた。中国自動車用ガラスメーカーの福耀玻璃美に買収されたためだ。作業現場では、福耀のロゴが入ったスカイブルーの作業着を着た中国人監督が、米国人従業員にフロントガラスの取り付け方を教えている。
州間高速道路75号線に乗ってオハイオ州や米ミシガン州といった米製造業の中心地を走り抜けると、福耀のような中国企業が傘下に収める企業を数多く目にする。こうした地域では、主に中国との貿易で伝統的な製造業の空洞化が進んでいる。
今回の大統領選では、両候補が製造業の衰退に関して主張を展開する。共和党のドナルド・トランプ候補は中国を「アンフェアな貿易相手国」と呼び、民主党のヒラリー・クリントン候補を含むあらゆる政治家が「米労働者を中国に売った」と批判。
一方、クリントン氏のキャリアは同氏がグローバル化を抵抗なく受け入れてきたことを示唆しているが、最近は同氏も中国バッシングに加担し、貿易懐疑主義に染まりつつある。
しかし州と地方自治体は、党派にかかわらず、中国企業の進出をもろ手を挙げて歓迎してきた。福耀による工場買収では、共和党の知事を擁するオハイオ州は、同社に970万ドル(約9億9100万円)の税額控除を認めた。
モレーンを選挙区に持つマイケル・ターナー下院議員(共和)は「国際的な企業がオハイオ州デイトンに拠点を置くことを選んだ一例だ。それがたまたま中国企業だった」と話した。
ミシガン州サギノーに拠点を置く、パワーステアリング製造のネクスティア・オートモーティブは7年前、同社を所有する米デルファイが会社更生法の適用を申請し、存続の危機に見舞われた。
プライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社を含む債権者は、ネクスティアの分割売却を検討したが、中国人投資家が4億6500万ドルで買収。現在は株式の過半数を中国航空工業集団が保有する。ネクスティアは昨年、2億500万ドルの利益を計上した。
こうした例は多く存在する。今年は米国全体で中国企業による買収は750億ドルと過去の記録を2倍超上回り、買収対象は高級ホテルからアルミホイル製造会社まで広範だ。
調査会社ロジウム・グループによると、08年以降、中国企業はオハイオ州とミシガン州だけで41億ドルを投資してきた。
◆取り組み総仕上げ
福耀は14年にモレーンのGM工場の約半分を取得、購入と改修で4億5000万ドルを注ぎ込んだ。
水道メーターのカバー製造から始まり、今や自動車用ガラスで世界2位の福耀にとって、モレーンでの買収は10年に及ぶ米市場進出に向けた取り組みの総仕上げとなった。
中国企業の進出は、ライト兄弟の出身地であるデイトンに雇用をもたらした。08年のクリスマスの2日前に行われたGMの工場閉鎖で大打撃を受けた。その翌年、もう一つの地元大手企業、レジスター製造のNCRがアトランタ移転を発表した。
だが、新工場では、労働者はかつてほど多く稼げない傾向がある。福耀の米国部門のジョン・ゴティエ社長は、米国での生産継続のため中国工場より多く自動化していると説明。「顧客が心配するのは、コストが上がらないことだけだ」と話した。
福耀のライン工の賃金は最低時給が12ドル、年収にすると約2万5000ドルだ。以前のGMの工場では少なくともその2倍の賃金が支払われるほか、確定給付年金にも加入できたと労働組合幹部と元従業員が明らかにした。(ブルームバーグ Andrew Mayeda)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160910/mcb1609100500012-n1.htm