BBC
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イギリスを代表するテニス選手アンディ・マリーが1日、パリ・オリンピック(五輪)の男子ダブルス準々決勝でストレート負けし、輝かしいキャリアの終わりを迎えた。
五輪の金メダルをシングルスで2度勝ち取っている37歳のマリーは、この大会をもって現役を引退すると表明していた。シングルスには出ず、ダン・エヴァンスと組むダブルスに専念していた。
1回戦では、日本のダニエル太郎、錦織圭ペアを相手に5本のマッチポイントをしのいで劇的な勝利を収めた。2回戦でも、ベルギーのサンダー・ジレ、ヨラン・フリーゲン組に2本のマッチポイントを握られながら勝利した。
この日は第3シードのアメリカのテイラー・フリッツ、トミー・ポール組と対戦。英ペアは2日前の2回戦で見せたエネルギーとキレが見られず、6-2、6-4で敗れた。
最後のポイントを落とすと、マリーはベースラインでエヴァンスとしばらく抱き合った。会場のローラン・ギャロスのコートではマリーの名前の大合唱が起こり、マリーは感極まった表情を浮かべた。コートの中央で四方に手を振り、ロッカールームに消えた。
まもなくして取材に応じたマリーは、引退の「準備はできている」と述べた。
また、「もちろん感情が込み上げてきた。競技としての試合はこれが最後だからだ」と心情を説明。「でも今は本当にうれしい。このように終えることができて幸せだ」と話した。
英テニス界にとっていかに大きな存在か
2005年に10代でプロになったマリーは、2012年に全米オープンで優勝。2013年にはイギリス人として77年ぶりに、ウィンブルドンで優勝した。
2016年には2度目のウィンブルドン優勝を果たす。獲得したグランドスラム(4大大会)タイトルは、これら三つに上った。
2016年にはさらに、イギリス人として初めて男子の世界ランキング1位に。マリーにとってキャリア最高のシーズンとなった。
だが、2017年から腰のけがに悩まされ、2019年には金属製の人工関節を挿入する手術を受けた。選手生命が危ぶまれたが、驚異的な復帰を果たし、同じ年にATPツアーの大会で優勝した。
しかし、もう以前のようにプレーすることはできず、主要大会で上位に入ることはなかった。
マリーはこの日、現役最後の試合を終えると、「自分のキャリア、実績、そしてこのスポーツに注いできたことを誇りに思っている」と話した。
(英語記事 Murray's career ends with Olympic doubles defeat)