8/23(月) 15:23
オリコン
俳優・辻萬長さん、腎盂がんのため死去 77歳 7月に『鎌倉殿の13人』降板
辻萬長さん
俳優の辻萬長(つじ・かずなが)さんが18日、腎盂(じんう)がんのため亡くなった。享年77。23日、所属事務所のワタナベエンターテインメントが伝えた。辻さんは今年7月、腎盂がん治療専念のため2022年大河ドラマ『鎌倉殿の13人』降板を発表していた。
■辻萬長さんのプロフィール
辻さんは1944年2月9日生まれ、佐賀県出身。1965年に劇団俳優座付属俳優養成所卒業。主な舞台出演作に『人間合格』『きらめく星座』『日の浦姫物語』『父と暮せば』『オセロー』『NINAGAWA マクベス』、『大地』など。『ボンソワール・オッフェンバック』で文化庁芸術祭優秀賞、一人芝居『化粧二題』で読売演劇大賞優秀男優賞、『雨』『ロンサム・ウェスト』で紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞している。
近年の映像作品では、NHK『昭和元禄落語心中』、連続テレビ小説『なつぞら』、TBS日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』、『危険なビーナス』、映画『トイ・ストーリーシリーズ(Mr.ポテトヘッド)』など。NHK終戦ドラマ『しかたなかったと言うてはいかんのです』が最後のドラマ出演となった。
所属事務所の代表取締役社長・渡辺ミキ氏は、辻さんの訃報に下記のコメントを寄せた。
■ワタナベエンターテインメント代表取締役社長 渡辺ミキ氏コメント
辻萬長は、数々の名作演劇作品の柱となった、かけがえのない俳優でした。
とりわけ、日本を代表する劇作家・井上ひさし氏の作品への貢献は多大なるものでした。2010年の井上ひさし氏逝去後も、俳優として、作家を直接知らぬ観客や演劇人達に、井上氏の遺志を伝え続けました。そして、役を通して、作品を重層的に表現することが出来る、唯一無二の演技力を持つ俳優でした。それは時として、作家自身が意図をせぬ面にまで及び、作品をより高みへと押し上げ、支えたのです。
辻萬長は、作品づくりにはなくてはならない存在で、多くの作家や演出家に愛され、頼られました。演出家・蜷川幸雄氏の作品にも数々出演し、2016年の蜷川氏の葬儀には、「自分は稽古せを続け、蜷川作品をより深める」と稽古場を離れず、最後の蜷川演出作品「尺には尺を」を力強く作り上げました。
演劇における遺作となったのは、2020年7月公演の三谷幸喜氏作・演出による『大地』です。井上ひさし氏達からバトンを受け取った世代の三谷幸喜氏が辻萬長に当て書きした役は、辻の俳優人生のラストに相応しい働きをしました。コロナ禍でストップしていた演劇業界の再開公演にもなったこの『大地」で、辻萬長が最後に語った「観客無しで演劇は成立しない」という趣旨の台詞は、多くの演劇人と観客の想いでもありました。
人生の最期まで良い芝居をしようと切磋琢磨を続けた稀代の名優・辻萬長の仕事は、これからは共に芝居を作った仲間である作り手、そして同業者である俳優の皆さんたちの表現の中に生き続けるのだと思います。
それは、辻萬長が井上ひさし氏や蜷川幸雄氏から受け継いで、次の時代に演じ、渡したように。
https://news.yahoo.co.jp/articles/138a74059f262fdefa0efe2bfc5d4a98fa9483a0
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俳優・辻萬長さん、腎盂がんのため死去 77歳 7月に『鎌倉殿の13人』降板
辻萬長さん
俳優の辻萬長(つじ・かずなが)さんが18日、腎盂(じんう)がんのため亡くなった。享年77。23日、所属事務所のワタナベエンターテインメントが伝えた。辻さんは今年7月、腎盂がん治療専念のため2022年大河ドラマ『鎌倉殿の13人』降板を発表していた。
■辻萬長さんのプロフィール
辻さんは1944年2月9日生まれ、佐賀県出身。1965年に劇団俳優座付属俳優養成所卒業。主な舞台出演作に『人間合格』『きらめく星座』『日の浦姫物語』『父と暮せば』『オセロー』『NINAGAWA マクベス』、『大地』など。『ボンソワール・オッフェンバック』で文化庁芸術祭優秀賞、一人芝居『化粧二題』で読売演劇大賞優秀男優賞、『雨』『ロンサム・ウェスト』で紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞している。
近年の映像作品では、NHK『昭和元禄落語心中』、連続テレビ小説『なつぞら』、TBS日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』、『危険なビーナス』、映画『トイ・ストーリーシリーズ(Mr.ポテトヘッド)』など。NHK終戦ドラマ『しかたなかったと言うてはいかんのです』が最後のドラマ出演となった。
所属事務所の代表取締役社長・渡辺ミキ氏は、辻さんの訃報に下記のコメントを寄せた。
■ワタナベエンターテインメント代表取締役社長 渡辺ミキ氏コメント
辻萬長は、数々の名作演劇作品の柱となった、かけがえのない俳優でした。
とりわけ、日本を代表する劇作家・井上ひさし氏の作品への貢献は多大なるものでした。2010年の井上ひさし氏逝去後も、俳優として、作家を直接知らぬ観客や演劇人達に、井上氏の遺志を伝え続けました。そして、役を通して、作品を重層的に表現することが出来る、唯一無二の演技力を持つ俳優でした。それは時として、作家自身が意図をせぬ面にまで及び、作品をより高みへと押し上げ、支えたのです。
辻萬長は、作品づくりにはなくてはならない存在で、多くの作家や演出家に愛され、頼られました。演出家・蜷川幸雄氏の作品にも数々出演し、2016年の蜷川氏の葬儀には、「自分は稽古せを続け、蜷川作品をより深める」と稽古場を離れず、最後の蜷川演出作品「尺には尺を」を力強く作り上げました。
演劇における遺作となったのは、2020年7月公演の三谷幸喜氏作・演出による『大地』です。井上ひさし氏達からバトンを受け取った世代の三谷幸喜氏が辻萬長に当て書きした役は、辻の俳優人生のラストに相応しい働きをしました。コロナ禍でストップしていた演劇業界の再開公演にもなったこの『大地」で、辻萬長が最後に語った「観客無しで演劇は成立しない」という趣旨の台詞は、多くの演劇人と観客の想いでもありました。
人生の最期まで良い芝居をしようと切磋琢磨を続けた稀代の名優・辻萬長の仕事は、これからは共に芝居を作った仲間である作り手、そして同業者である俳優の皆さんたちの表現の中に生き続けるのだと思います。
それは、辻萬長が井上ひさし氏や蜷川幸雄氏から受け継いで、次の時代に演じ、渡したように。
https://news.yahoo.co.jp/articles/138a74059f262fdefa0efe2bfc5d4a98fa9483a0