2020年7月2日 12時50分
https://www.cinematoday.jp/news/N0117054
映画『オー!ゴッド』『天国から落ちた男』などでメガホンを取り、『オーシャンズ』シリーズでは俳優として往年の天才詐欺師を演じたカール・ライナーさんが、6月29日(現地時間)米ビバリーヒルズの自宅で息を引き取った。98歳だった。彼のアシスタントがVarietyに発表したことで明らかになった。
カールさんの息子で、映画『スタンド・バイ・ミー』『恋人たちの予感』のロブ・ライナー監督は、父親の死について「昨夜、父が亡くなりました。今、これを書いているわたしは傷ついています。(なぜなら)彼はわたしの手本となる人物だったからです」とコメントしている。
カールさんは、1922年にユダヤ系の移民の子としてニューヨークのブロンクスに生まれ、第2次世界大戦中は陸軍航空隊に従軍。復員後、ブロードウェイのミュージカルでキャリアをスタートさせ、1950年代にはシド・シーザーのバラエティー番組「Your Show of Shows(原題)」の寸劇に出演したり、『おかしな二人』のニール・サイモン、『ヤング・フランケンシュタイン』のメル・ブルックスらと共にライターとしても参加していた。
1961年からは人気テレビ番組「ディック・ヴァン・ダイク・ショー」のクリエイターを務め、監督としても手腕を発揮。その後、映画監督として『オー!ゴッド』『天国から落ちた男』などを世に送り出し、2000年以降は映画『オーシャンズ』シリーズなどで再び俳優としても精力的に活動していた。私生活では、1943年にエステル・ライナーさんと結婚し、2008年に死別している。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)