スポーツ界の“ラスボス”たちは、なぜこうもキャラが濃いのだろうか。
先ごろ、日本テコンドー協会会長の退任が決まった金原昇氏のことである。任侠映画もかくやの風貌は、“男・山根”こと日本ボクシング連盟の山根明前会長を彷彿させる。
選手の合宿不参加に端を発する“テコンドー騒動”。当初「辞任しない」と言い切った金原会長は、一転して他の幹部らとともに総辞職。その後、検証委員会の「金原氏再任せず」との決定を、本人曰く「清々しい気持ち。私が思い描いた通りの結論」と笑顔で受け容れた。正直、気味が悪い。
しかも、検証委の報告が“ガバナンス上、問題はなかった”ときた。“金原氏はいずれ復権するのでは”“院政を敷くのでは”と世間が疑惑の目を向けるのも当然だろう。ところが、
「多分それはありません」
と語るのは、スポーツライターの小林信也氏。
「金原さんは、辞任と引き換えに“ガバナンス問題なし”のお墨付きを得ました。名誉が守られ、本当に清々しい気分でいるはずです。“男に二言はない”というタイプですから、復帰や院政はないと思います」
一方、検証委は“名”を譲る代わりに、金原氏を外し、外部の人材による新体制構築という“実”を得た。
「反金原の急先鋒とされる岡本依子副会長は本業の牧師業が優先ですし、はっきり言って、金原さんより熱心に協会運営しそうな人は、テコンドー界に見当たりません。検証委はいい意味での“忖度”をしました」
金原氏はツイッターを開始。テレビ出演のオファーも来ているのだとか。
山根氏に続いて、テレビ局の玩具がまた一つ。
スポーツ 週刊新潮 2019年12月12日号掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/12120556/?all=1
先ごろ、日本テコンドー協会会長の退任が決まった金原昇氏のことである。任侠映画もかくやの風貌は、“男・山根”こと日本ボクシング連盟の山根明前会長を彷彿させる。
選手の合宿不参加に端を発する“テコンドー騒動”。当初「辞任しない」と言い切った金原会長は、一転して他の幹部らとともに総辞職。その後、検証委員会の「金原氏再任せず」との決定を、本人曰く「清々しい気持ち。私が思い描いた通りの結論」と笑顔で受け容れた。正直、気味が悪い。
しかも、検証委の報告が“ガバナンス上、問題はなかった”ときた。“金原氏はいずれ復権するのでは”“院政を敷くのでは”と世間が疑惑の目を向けるのも当然だろう。ところが、
「多分それはありません」
と語るのは、スポーツライターの小林信也氏。
「金原さんは、辞任と引き換えに“ガバナンス問題なし”のお墨付きを得ました。名誉が守られ、本当に清々しい気分でいるはずです。“男に二言はない”というタイプですから、復帰や院政はないと思います」
一方、検証委は“名”を譲る代わりに、金原氏を外し、外部の人材による新体制構築という“実”を得た。
「反金原の急先鋒とされる岡本依子副会長は本業の牧師業が優先ですし、はっきり言って、金原さんより熱心に協会運営しそうな人は、テコンドー界に見当たりません。検証委はいい意味での“忖度”をしました」
金原氏はツイッターを開始。テレビ出演のオファーも来ているのだとか。
山根氏に続いて、テレビ局の玩具がまた一つ。
スポーツ 週刊新潮 2019年12月12日号掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/12120556/?all=1