フジテレビ系バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』(毎週土曜19:57〜)が4日の放送で、来年春での終了を発表した。
同時に、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(毎週木曜21:00〜)の終了も取り沙汰されているが、フジテレビが得意としてきた"総合バラエティ"の灯が消えようとしているのか――。
『めちゃイケ』がスタートした96年10月当時のフジでは、他にも『とんねるずのみなさんのおかげです』『ダウンタウンのごっつええ感じ』という総合バラエティを放送。
この定義は、コントにゲーム、ロケにスタジオと、さまざまな企画がまさにバラエティに富んで構成されるもので、
『オレたちひょうきん族』を原点に、『志村けんのだいじょうぶだぁ』『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』
『SMAP×SMAP』といったテレビ史に名を刻む番組たちが、"楽しくなければテレビじゃない"を標榜するフジの全盛期を支えてきた。
しかし、タレントの冠番組が減少していることが象徴するように、視聴者が出演者よりも企画の魅力で番組を選択して習慣的に見る傾向にある現在、
内容が毎週のように変わる"総合バラエティ"というジャンル自体が、難しくなっている。
先月取材した『めちゃイケ』の戸渡和孝チーフプロデューサーが「地上波のゴールデンで成立しづらい世の中になってきていると痛感しています」と認めていた通り、
『めちゃイケ』の後、『はねるのトびら』は視聴率20%超を何度も連発したが、2012年に終了。
翌年には『ピカルの定理』が終了することになる。
それでも、『めちゃイケ』『みなおか』は、"総合バラエティ"が受け入れられる時代にしっかり地固めを行っていたこと、
そして、その伝統の灯を絶やさないというフジの強いプライドで継続してきたのだ。
だが、"総合"と銘打つだけあって、制作には手間がかかる。現在のほとんどのバラエティ番組が、隔週収録で1回2本撮りが主流である中、
『めちゃイケ』は週2日も収録日が確保されている。この要素だけで単純計算すると、通常の番組の4倍。タレントをマネジメントする芸能プロダクションからすれば、
より多くの番組に露出させたい中で、これだけ拘束されることに、あまり良い顔をしていなかったとも聞く。
そうなると当然、制作コストが他の番組よりも多くかかるわけだが、かつて20%台を連発していた『めちゃイケ』の視聴率は、最近10回のレギュラー平均で6.1%と低迷。
10月14日には人気企画「岡村オファーシリーズ」の最新作を放送したが、結果は10.1%だった。
『みなおか』も、直近10回のレギュラー平均は6.4%で、9月28日に放送された30周年記念の特番は、10.0%にとどまっている。
昨年、当時の宮道治朗編成局次長に取材した際、制作に手間をかける『めちゃイケ』『みなおか』について「僕らの誇り」と語っていたが、
今年度の上期業績が赤字となったフジテレビジョンという企業から見れば、"不採算店舗"を閉鎖するのは、仕方のない判断と言える。
テレビの一等地である土曜8時で、"平成のひょうきん族"を目指してスタートした『めちゃイケ』。
放送期間は『ひょうきん族』の8年半を大きく上回る21年半に達する。
視聴率も、最高33.2%(04年10月9日)と、歴代の芸能・バラエティ番組(77年9月26日以降)で9位を記録しており、その役割は十分に果たしたのではないか。
マイナビニュースの連載企画「テレビ屋の声」に登場するテレビマンたちの多くが、「影響を受けた番組」に挙げる『めちゃイケ』終了の報が、
くしくも、天皇陛下の退位が近づく中で流れたことに、平成という1つの時代の終わりも感じさせられる。
ただ、これで"総合バラエティ"の灯は、本当に消えてしまうのか。フジでは、『めちゃイケ』『はねるのトびら』と同じく、
芸人発掘番組『新しい波』シリーズから羽ばたいたメンバーたちが出演する新番組『AI-TV』(毎週月曜23:00〜)が、この秋からスタートした。
これまでの常道である"なんでもあり"の構成とは異なり、さまざまなAI(人工知能)と協力しながら番組を作り上げていくというテーマを設けているが、伝統の血脈を受け継いでいるのは間違いない。
10月30日放送の初回は2.9%と、苦戦のスタートとなったが、フジのお家芸復活の命運は、彼らにかかっている。
http://news.livedoor.com/article/detail/13846030/
2017年11月4日 21時0分 マイナビニュース
同時に、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(毎週木曜21:00〜)の終了も取り沙汰されているが、フジテレビが得意としてきた"総合バラエティ"の灯が消えようとしているのか――。
『めちゃイケ』がスタートした96年10月当時のフジでは、他にも『とんねるずのみなさんのおかげです』『ダウンタウンのごっつええ感じ』という総合バラエティを放送。
この定義は、コントにゲーム、ロケにスタジオと、さまざまな企画がまさにバラエティに富んで構成されるもので、
『オレたちひょうきん族』を原点に、『志村けんのだいじょうぶだぁ』『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』
『SMAP×SMAP』といったテレビ史に名を刻む番組たちが、"楽しくなければテレビじゃない"を標榜するフジの全盛期を支えてきた。
しかし、タレントの冠番組が減少していることが象徴するように、視聴者が出演者よりも企画の魅力で番組を選択して習慣的に見る傾向にある現在、
内容が毎週のように変わる"総合バラエティ"というジャンル自体が、難しくなっている。
先月取材した『めちゃイケ』の戸渡和孝チーフプロデューサーが「地上波のゴールデンで成立しづらい世の中になってきていると痛感しています」と認めていた通り、
『めちゃイケ』の後、『はねるのトびら』は視聴率20%超を何度も連発したが、2012年に終了。
翌年には『ピカルの定理』が終了することになる。
それでも、『めちゃイケ』『みなおか』は、"総合バラエティ"が受け入れられる時代にしっかり地固めを行っていたこと、
そして、その伝統の灯を絶やさないというフジの強いプライドで継続してきたのだ。
だが、"総合"と銘打つだけあって、制作には手間がかかる。現在のほとんどのバラエティ番組が、隔週収録で1回2本撮りが主流である中、
『めちゃイケ』は週2日も収録日が確保されている。この要素だけで単純計算すると、通常の番組の4倍。タレントをマネジメントする芸能プロダクションからすれば、
より多くの番組に露出させたい中で、これだけ拘束されることに、あまり良い顔をしていなかったとも聞く。
そうなると当然、制作コストが他の番組よりも多くかかるわけだが、かつて20%台を連発していた『めちゃイケ』の視聴率は、最近10回のレギュラー平均で6.1%と低迷。
10月14日には人気企画「岡村オファーシリーズ」の最新作を放送したが、結果は10.1%だった。
『みなおか』も、直近10回のレギュラー平均は6.4%で、9月28日に放送された30周年記念の特番は、10.0%にとどまっている。
昨年、当時の宮道治朗編成局次長に取材した際、制作に手間をかける『めちゃイケ』『みなおか』について「僕らの誇り」と語っていたが、
今年度の上期業績が赤字となったフジテレビジョンという企業から見れば、"不採算店舗"を閉鎖するのは、仕方のない判断と言える。
テレビの一等地である土曜8時で、"平成のひょうきん族"を目指してスタートした『めちゃイケ』。
放送期間は『ひょうきん族』の8年半を大きく上回る21年半に達する。
視聴率も、最高33.2%(04年10月9日)と、歴代の芸能・バラエティ番組(77年9月26日以降)で9位を記録しており、その役割は十分に果たしたのではないか。
マイナビニュースの連載企画「テレビ屋の声」に登場するテレビマンたちの多くが、「影響を受けた番組」に挙げる『めちゃイケ』終了の報が、
くしくも、天皇陛下の退位が近づく中で流れたことに、平成という1つの時代の終わりも感じさせられる。
ただ、これで"総合バラエティ"の灯は、本当に消えてしまうのか。フジでは、『めちゃイケ』『はねるのトびら』と同じく、
芸人発掘番組『新しい波』シリーズから羽ばたいたメンバーたちが出演する新番組『AI-TV』(毎週月曜23:00〜)が、この秋からスタートした。
これまでの常道である"なんでもあり"の構成とは異なり、さまざまなAI(人工知能)と協力しながら番組を作り上げていくというテーマを設けているが、伝統の血脈を受け継いでいるのは間違いない。
10月30日放送の初回は2.9%と、苦戦のスタートとなったが、フジのお家芸復活の命運は、彼らにかかっている。
http://news.livedoor.com/article/detail/13846030/
2017年11月4日 21時0分 マイナビニュース