喜怒哀楽を隠さない役柄は、画面の外でも健在だった。6月13日に最終回となったフジテレビ系ドラマ「CRISIS(クライシス) 公安機動捜査隊特捜班」。これに西島秀俊とW主演を果たした小栗旬が怒髪天というが、いったい何があったのか……。
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今や平均視聴率が2桁に乗れば御の字のドラマ業界にあって、今作は10・5%(関東地区)。大団円を迎えたのだ。放送記者によれば、
「小栗にとっては、作家の金城一紀氏と共に5年間も構想を練った作品なので、思い入れが人一倍強いのです」
そんな彼だけに、ある放送回の内容について、大そうご立腹なのである。
小栗を知る芸能関係者が明かす。
「5月2日放送の第4回で、冒頭のシーンがカットされたのです。制作の関西テレビから放送直前に知らされた小栗さんは、早く教えてくれていれば撮り直しもできたのに、と怒り心頭で、“フジのドラマには二度と出ない”と言っています」
主演俳優がここまで激怒するとは穏やかでないが、オンエアされた問題の第4回を振り返ってみよう。
冒頭は、小栗ら扮する特捜刑事の面々が、圧縮空気で飛ぶ玩具のロケットと戯れる様子から始まる。他愛もない場面だが、後に彼らが航空宇宙工学の教授を警護する、という物語のテーマに繋がるシーンなのだ。
「実は、玩具遊びの前にテレビから“北のロケットは発射失敗”というニュースが流れる場面があった。ところが、オンエア時期は北朝鮮情勢が緊迫していたので、視聴者に誤解を与えるという理由から、そのシーンをカットして放送したのです」(同)
放送された回を観てもあまり違和感は覚えないが、小栗の怒りは収まらない。
「彼は現場が汗水を流していいモノを作ろうと努力しているのに、テレビ局幹部がアレも駄目、コレも駄目と“自主規制”することがテレビをつまらなくしている原因だと、日頃から苛立っていた。その矢先の出来事だったワケです」(同)
で、その真偽を小栗の所属事務所に問い質すと、
「確かに、局からは放映日に一部を編集した旨の連絡を戴きました。けれど、その日は小栗も仕事があり、私共から彼に伝えるのが遅くなってしまったのです」
問題の“出演拒否宣言”に関してはこう釈明する。
「作品に対する思いがとても熱い男なので、酒の席などで話した愚痴に尾ひれがついてしまったのかもしれません。本人は覚えていないと言っていますし、実際はフジテレビさんと新しいお仕事も進んでいます。関係は良好ですから……」
なんとも歯切れが悪いのだが、その一言が熱い男にとってクライシスとならぬよう、祈るばかりである。
ワイド特集「その情念、烈火の如く」より
週刊新潮
2017年6月19日号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
https://www.dailyshincho.jp/article/2017/07040559/?all=1
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今や平均視聴率が2桁に乗れば御の字のドラマ業界にあって、今作は10・5%(関東地区)。大団円を迎えたのだ。放送記者によれば、
「小栗にとっては、作家の金城一紀氏と共に5年間も構想を練った作品なので、思い入れが人一倍強いのです」
そんな彼だけに、ある放送回の内容について、大そうご立腹なのである。
小栗を知る芸能関係者が明かす。
「5月2日放送の第4回で、冒頭のシーンがカットされたのです。制作の関西テレビから放送直前に知らされた小栗さんは、早く教えてくれていれば撮り直しもできたのに、と怒り心頭で、“フジのドラマには二度と出ない”と言っています」
主演俳優がここまで激怒するとは穏やかでないが、オンエアされた問題の第4回を振り返ってみよう。
冒頭は、小栗ら扮する特捜刑事の面々が、圧縮空気で飛ぶ玩具のロケットと戯れる様子から始まる。他愛もない場面だが、後に彼らが航空宇宙工学の教授を警護する、という物語のテーマに繋がるシーンなのだ。
「実は、玩具遊びの前にテレビから“北のロケットは発射失敗”というニュースが流れる場面があった。ところが、オンエア時期は北朝鮮情勢が緊迫していたので、視聴者に誤解を与えるという理由から、そのシーンをカットして放送したのです」(同)
放送された回を観てもあまり違和感は覚えないが、小栗の怒りは収まらない。
「彼は現場が汗水を流していいモノを作ろうと努力しているのに、テレビ局幹部がアレも駄目、コレも駄目と“自主規制”することがテレビをつまらなくしている原因だと、日頃から苛立っていた。その矢先の出来事だったワケです」(同)
で、その真偽を小栗の所属事務所に問い質すと、
「確かに、局からは放映日に一部を編集した旨の連絡を戴きました。けれど、その日は小栗も仕事があり、私共から彼に伝えるのが遅くなってしまったのです」
問題の“出演拒否宣言”に関してはこう釈明する。
「作品に対する思いがとても熱い男なので、酒の席などで話した愚痴に尾ひれがついてしまったのかもしれません。本人は覚えていないと言っていますし、実際はフジテレビさんと新しいお仕事も進んでいます。関係は良好ですから……」
なんとも歯切れが悪いのだが、その一言が熱い男にとってクライシスとならぬよう、祈るばかりである。
ワイド特集「その情念、烈火の如く」より
週刊新潮
2017年6月19日号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
https://www.dailyshincho.jp/article/2017/07040559/?all=1