11/22(金) 9:50配信
西日本新聞
松本清張と井上靖-。戦後の日本文学を代表する2人の接点に迫る企画展が、北九州市の松本清張記念館で開かれている。
清張が井上に宛てた書簡も初公開。40年近い交流から、井上を目標の一つとして歩み始めた、清張の作家としての軌跡も浮かび上がる。
歴史小説「天平(てんぴょう)の甍(いらか)」などで知られる井上は、清張より2歳半上の1907年、北海道生まれ。大阪毎日新聞社の記者を経て文壇デビューした。
井上が42歳で芥川賞を受賞した50年2月、清張は40歳で、小倉の朝日新聞西部本社広告部に勤めていた。初めて書いた小説「西郷札(さつ)」が小説コンクールに入選するのはその年の12月。
本展を企画した中川里志・学芸担当主任は「新聞社という同じ空気を吸った遅咲きの親近感から、清張は井上をエネルギー源にしていたのではないか」とみる。
2人が初めて対面したのは、清張の芥川賞受賞が決まった53年1月。同年5月ごろには講演会で小倉に来た井上の宿を清張が訪ねており、清張は<わたしの指標となったのは井上氏の『面白い小説』であった>と述懐している。
本展では清張が井上に宛てた54年以降の書簡8通(神奈川近代文学館所蔵、うち5通が初公開)を展示している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/97eb31385ef7659406a8f9e09e1147e17d1f41a9
続き